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新卒1年目で「理学療法全国学会」にエントリーした話

大学院で学んだ公衆衛生学・疫学の知見をもとに健康的な社会を作りたい理学療法士のジローです。

今日は、臨床研究をしてみたいけど思うようにいかない人のサポート記事です。

先日、学生時代の臨床実習指導者(師匠)の言葉とともに、私の臨床研究のモチベーションの根源について記事にしました。

就職してすぐに、臨床と並行して臨床研究を開始しました。

もちろん、すぐに思うようにはいかないので、当時担当していた患者さんの症例報告をしました。

私にとっての学会デビュー戦は2年目5月のPT全国学会でした。


昔は、全国学会はゴールデンウィーク後くらいで、抄録の締め切りが10月末か11月初旬頃でした。
1年目の8月くらいからまとめを始めました。

なぜ一発目から全国学会にエントリーできたのか?

発表はぶっちゃけどうだったのか?

その後、どうなったのか?

ぜひ、知って欲しいので記事にしました。


‖ なぜ初っ端から全国学会にエントリーした?


就職してからすぐにあったリハ課長との面談

課長:今後どんな事に挑戦してみたい?
ジ:臨床研究と学会発表をしてみたいです。

課長:この間の勉強会で出してた症例報告、あれ良かったよ。
ジ:ありがとうございます。

課長:じゃ、あれを手直しして全国学会に出そう。
決まりね。大体、締め切り10月末だから。よろしく。

ジ:いきなり全国って大丈夫なんですかね?

課長:査読は緩いし(今は厳しいですが当時は確かに緩かった)、全国なら近くに知り合いもいないでしょ?失敗しても誰も分からないし、良かったら箔がつくじゃない!
ジ:イヤー、でも不安ですね。やり方も分からないですし。

課長:一人で行くのが不安?じゃ、主任に声をかけておくから。彼にも一題出してもらおう。一年目が出すんだから、彼もやってくれるでしょ。

サポートも依頼しておくから、困ったら○○さんに聞いてね。

ということで、有無を言わさず決まってしまったんですね。
今では、色々な面でヤバそうな感じですが、、、。

自発的に全国にエントリーしていたら格好がいいのですが、そうでは無いです。

しかし、課長が方々に根回しをしてくれていたおかげで、抄録の提出から実際の発表まで漕ぎ着けることができました。


‖ 一年目でも大丈夫?


かれこれ20年ほど前の話ですし、今は研究にせよ症例報告にせよかなり倫理的配慮難しくなっています。臨床業務とは別に、学会発表のお作法も勉強する必要があります。

忙しい日々の業務の後に、そこまで勉強するモチベーションが沸くかどうかですね。

近くに学会発表をバリバリやっている(しかも教えたがりの)人が居たら、助かりますが、そのような人がなかなか居ないから困るんですよね。

私の経緯を見てもわかると思いますが、やっぱり周りの環境は重要と思いました。


‖ ジローの発表は大丈夫だった?


ポスター発表でしたが、発表時間は4分、質疑応答3分だったと思います。
もちろん、発表の練習も何度も繰り返しました。

スラスラ説明できるようにできていました。

でも、ダメでした。

緊張しすぎて、途中で頭が真っ白になって言葉が出なくなって。

そもそも、この全国学会以外の学会にも参加したことがなく、
「あー、発表ってこういう事するのね」というイメージも無く、
おじさんPTに囲まれて、、、、。

結局、時間がオーバーして、座長に軽く叱られました。
時間厳守でお願いしますと。


‖ その後どうなった?


確かに、私が全国学会に行ってかいた恥は誰も知りません。

専門学校の同期に2年目で全国学会で発表した人も居ません。

職場の数年上のセラピストも学会発表未経験者は何人も居ましたので、いきなり全国に行ったと一目置かれるようになりました。

一度そうなってしまうと、今度はその評判に負けないようにしなければと思うようになりました。

最初に思いがけずダッシュし、リードができた事と、評判を維持するための活動を続けることで、成長の傾きは大きくなったと考えています。その後も、たくさんの発表の機会がありましたが、大体の事は大丈夫という気持ちになりました。

加えて、理学療法士の全国学会の抄録は、その頃には珍しくJ-stage収載だったので、20年経った今でもインターネットの検索で引っかかります。
同じような症状で困る人には、見てもらえたかもしれません。


ところが、すぐに思うようにいかなくなりました。

症例報告と、臨床研究には大きな差がありました。

たまたま、学生時代の実習指導者(師匠)にお会いする機会があり、悩みを相談しました。

ジ:先生がおっしゃるように、臨床研究を頑張っていくつもりですが、全く進めることができないんです。

師匠:大学院に行くか。
ジ:そもそも専門学校卒なので行けないのでは?

師匠:わしは、修士過程はアメリカの大学院で、博士課程は国公立大学だけど、元々専門学校卒よ。
ジ:???

という事で大学院を目指す事になりました。


■まとめ


臨床経験1年目で、全国学会にエントリーしました。

私自身のモチベーションというよりは、周囲の環境で達成できました。

発表は、はっきり言って失敗レベルでしたが自信がつきました。

帰った後も、周りからの見る目が変わり、それに応じた自分になろうと努力するモチベーションになりました。

最初にびっくりするぐらいの無茶振りを受けると、その後の発表でも、何とかなる!と思えるようになりました。

ただ1症例の症例報告で、論文化はできていなくても、インターネット上に抄録が載りました。もしかしたら、誰かの助けになったかも。

症例報告と、臨床研究では難易度がグッと変わり、全く太刀打ちできなくなりました。師匠の助言もあり、大学院を受験する事にしました。


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