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【S07:COLUMN】音楽とファッション

音楽とファッションは呼応するところがある。
ラッパーは示し合わせたようにオーバーサイズのパーカーを着ているし、文系バンドマンはよれたネルシャツを着ている。
テクノアーティストは大きめの眼鏡をかけているし、ジャズマンは夜会服みたいのを着ている。
これは音楽がイメージを想起するところもあるのかなと思う。
ほら、テクノってパソコン作業だから目を悪くしそうじゃない?(頭の悪い感想)
リスナーも所属を示すようにアーティストに寄せた格好をしていく。必然、くるりのライブには岸田繁クローンがひしめいている。

閑話休題。
音楽好きを自認することもあって夏場はバンドTを着ることが多い。
新宿やら上野の高架下に行くとライセンスを取っているのか怪しいバンドのロゴ入りTシャツが売っていて、お気に入りのアーティストTを見かけると買ってしまう。
輸入ものはサイズ感がマチマチで、Mサイズでも日本のLLくらいあって涙を飲んだことも多々ある。
そうして苦心して入手した逸品を身に纏うと、同好の士に声をかけられることを期待しながら胸を張り街を練り歩く。
ところが、サレンダー橋本の「全員くたばれ!大学生」を読んでいたらイケてない学生がThe WhoのTシャツを着て笑われる描写があってウーッとなった。
薄々気づいていたこともあって、恐らくバンドTはダサい部類に入る(人によるかもしれんけど)。コーデに無頓着だと黒地のバンドTに黒のジーンズを合わせるものだから黒づくめの男になる。コナンくんに見つかったら大変である。
分かってなお着続けるのだから、これはもうファッションというよりメッセージである。自分の感性を認めて欲しい、響き合う仲間が欲しいという魂の叫びなのである。
一応反省もあって白地の音楽グッズを増やしている。なので近頃は白地にCHILL OUTと書かれたTシャツを着て仕事に勤しむ僕の姿があるのです。

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