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【R22:WORKS】聴き手によって表情を変える楽曲群と、 温故知新の活動スタイル

Pf.&Vo.あやか先生とGt.教頭(きょうとう)による新時代の音楽ユニット、音楽の先生と教頭。配信ライブとSNSを軸に、独自の世界を構築しているふたりは、どのように楽曲を制作しているのだろうか。彼らのルーツを探るとともに、1st full Album『惑星〇214』の内容を聞いた。

古びない音楽を作りたい

音楽の先生と教頭のルーツは、一体どこにあるのか。メンバーそれぞれに、リスペクトするアーティストを訊いてみた。

「色んな人の演奏に触れてきましたが、今、パッと思い浮かぶのは、ビョークです」と語る教頭。アイスランド出身のアーティストであるビョークは、11歳で衝撃的なデビューを果たして以降、世界的に活躍している。2004年には、アテネ・オリンピックの開会式でパフォーマンスを行ったことでも有名だ。「彼女の歌はもちろん、音楽との向き合い方に憧れています」。

一方、あやか先生は、首を傾げた。

「リスペクトしている方となるとパッと思いつかないですね。狭く浅くなタイプで、勉強不足な自分が恥ずかしいです。音楽に限らず、声優を目指していたときも、いわゆる『憧れの人』はいませんでした」。

担当楽器が分かれているだけでなく、性格も対照的なふたり。

オリジナル楽曲は、どのように制作しているのだろうか。

「僕は、ユニットを結成した時点で、幾つかのオリジナル曲を持っていました。でも、それをあやか先生に渡して、ゼロから覚えてもらうのは大変です。なので、『なんとなく口ずさんでいるメロディがあったら教えてほしい』と質問するところから始めました」。

訊かれたあやか先生は、短いフレーズを3つ、4つ提案。それらを教頭が繋ぎ合わせ、編曲して作り上げたのが、1st full Albumに収録されている『真夜中のかくれんぼ』である。童謡や演歌の要素をふんだんに取り入れた、ネオ和風ポップの楽曲だ。

「1曲目ができたあとは、ふたりでスタジオに入って、アイディアを出し合いながら曲を作るようになりました。作詞、作曲ともに共作です」。

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教頭が最も大切にしていることは、『客観的な曲作り』だ。

「自分の経験や考えだけをベースに作ってしまうと、受け取り方が一つしかない、単純な曲になってしまうのではないかと危惧しました。聞く人それぞれに意味が違うような、多面的なメッセージを伝えられる曲になるよう、心がけたいのです」。

同じ曲でも、ある人にとってはラブソング、ある人にとってはプロテストソングといった風に、様々な解釈ができることを理想としている。

一方、あやか先生は「年齢を重ねて、それこそおばあちゃんになった自分が聴いても『素晴らしい曲だな』と思うような音楽をやりたいです」と語る。

古びない価値観を大切にしている彼らの楽曲を、ぜひ聴いてみてほしい。

1st full Album『惑星〇214』について

ユニット結成時から「オリジナル曲をたくさん作って、CDを制作しよう」と考えていたふたりだが、実際に作品をリリースするまでには、約3年半の時間がかかった。

「レコーディングの知識も、人脈もないところからのスタートでした。一から勉強しつつ、曲を作って、配信で披露して、ようやく形になりました」。

ボーカルとピアノ、ギター以外は、音楽制作ソフトウェア・GarageBandで音源を制作した。「ふたりともパソコンが苦手なので、スマートフォンを活用しています」。CDジャケットをはじめとしたアートワークも、すべて自分たちで担当している。

満を持して、2021年10月10日に発売した1st full Album『惑星〇214』。収録楽曲のそれぞれに思い入れがあるが、代表曲としては、表題にもなっている『惑星〇214』を挙げる。

「我々は、『宇宙を漂う惑星の学校で音楽をしている』というコンセプトで活動しています。その惑星ができた日、つまりユニットを結成した日が2月14日なので、『我々の配信している場所』=『惑星〇214』となりました」。

活動の根幹にあるこの曲が、記念すべき最初のアルバムのリード曲になることは、当然のように決まった。「我々の名刺代わりの一曲ではありますが、聴いてくださる方々が自由に解釈して、楽しんでもらえると嬉しいです」。

クラシックと電子音楽が融合したサウンドや、シルキーな歌声が魅力的なことはもちろん、ミステリアスな歌詞にも注目したい一曲だ。

音源はiTunes他、各種ストリーミングサイトにて配信中だ。同時に、ネットショップや島村楽器二子玉川店、海老名店、平塚点の店頭でCDを販売している。

「自分の座右の銘は『温故知新』です」と語る教頭。

「僕たちは配信ライブ専業で、ある意味では未来的な活動をしていますが、実店舗でのCD販売も重視しています。今後も、新しいことに挑戦しつつ、昔ながらの風習の良き部分も取り入れていきたいです」。

彼らのさらなる活躍に期待したい。

text:momiji

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