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【SP】NEO CITY POPの新たな歌姫・AATA

唯一無二の歌声を持ち、SOULやBOSSA NOVA、HIP-HOPなどの影響も感じさせるバラエティに富んだ楽曲で幅広い層に支持されているシンガーソングライター・AATA(あーた)。その進化の歴史と、今後の目標を訊いた。

(※編集部注:3/12 AATA one man live "BLUE MOMENT" @TOKYO FM HALLは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、7/20に延期されました)

『あーた』から『AATA』へ

東京都出身のAATAがギターの弾き語りをはじめたのは高校生のころ。大学生になるとユニットを結成し、都内のライブハウスへ出演するようになった。ソロ活動のきっかけは、YouTubeへの動画投稿だったという。

「友達から『もうすぐ誕生日じゃん。何か新しいことやらないの?』って言われて、『じゃあ動画でも投稿してみようか』と思って。祖父母から呼ばれていたあだ名をもじって、『あーた』名義で投稿をはじめました」。

音楽と学業を両立して大学院へ進み、国家資格を取得。進路に迷いながら、就職やバンドの結成・解散を乗り越え、2013年にソロ活動を本格化させた。

15年には1st mini Album『あーた』を制作。下北沢mona recordsにて初のレコ発ワンマンライブを実施した。

16年にレーベル『花とポップス』へ参加し、同年8月31日に2nd mini Album『naked』、さらに17年のe.p.『HAPPY TAPES』を経て、18年9月5日に1st full Album『BLOWING』をリリース。このときは渋谷WWWにてレコ発ワンマンを行っている。

順調にアーティストとして成長していったように見えるが、これらのCDを聴き比べていくと、一枚ごとの音楽性の振れ幅に驚かされる。

「ソロ活動をはじめたころ、私には音楽の知識がほとんどありませんでした」とAATAは振り返った。かつては流行のJ-POPや荒井由実、サザンオールスターズなどの楽曲を好んでいたという。

「1st mini Albumを作るとき、アレンジの参考音源の一つとして、フリッパーズ・ギターを知りました。彼らを好きになったことで、ボサノバやアシッドジャズ、70年代のソウルミュージックなども聴くようになったんです」。

ルーツミュージックへの造詣が深まるとともに、やりたい音楽が移ろっていったことは、彼女にとってごく自然なことだった。

「2nd mini Albumには渋谷系ポップスやソウル、ファンクの要素を入れて、さらにHIP-HOPも加えたのが1st full Albumの『BLOWING』です」。

制作する楽曲はもちろん、歌い方やギターの弾き方も変え、ライブを重ねていくなかで、少しずつ「私が歌うべき場所はここではないのではないか」という思いがふくらんでいったという。

「『ギター弾き語りシンガーソングライター』というカテゴリーだと、J-POPやフォークが好きな人たちが集まりやすいんです。

『一人でこういう音楽をやっていて面白いね』と褒められることもありましたが、『ここじゃないよね』とアドバイスをいただくこともありました」。

どうすれば、『次』のフィールドに行けるのだろうか。新たな道を求め、彼女は様々なオーディションを受けるようになった。「もっと広い世界に行かなきゃ、と思いました」。

努力の甲斐あって、18年11月、ディスクユニオン主催「DIVE INTO MUSIC.オーディション」に合格。Kissing Fish RecordsからのCD発売が決定した。

「気を失いそうなほど忙しい時期もありましたが、ようやく、やりたいことをやれる場所に来たという実感があります」と、AATAは清々しい笑みを浮かべた。

AATA 1st full Album『Blue moment』

レーベルを移籍した彼女は、『あーた』から『AATA』へ改名した。

「これからやっていく音楽のイメージに平仮名は合わないし、海外にもアピールしていきたいという思いがあって、アルファベットにしました」。

AATAが志向する音楽とは、どのようなものだろうか。

「Kissing Fish Recordsのプロデューサーの方とも話し合って、これまで磨いてきた自分の歌詞やメロディの良さはそのまま、これからさらにご活躍が期待できるヒップホップやR&B畑のトラックメイカーさんたちにアレンジをお願いして、”イケてる”トラックを意識して作っていこうと決めました。

平仮名の『あーた』のときはアコースティックやバンドサウンドが中心だったので、ガラッと変えたかったんです。

クラブで流してもらえたり、ラジオで映えたり、コアな音楽好きに響くようなカッコよさを目指しました」。

その言葉通り、19年12月11日にリリースされたAATAの1st full Album『Blue moment』は、ESME MORI、Mikeneko Homeless、Shin Sakiura、Sho Asano、SHUNといったトラックメイカーたちによるアレンジに加え、現行シティポップの雄・『流線形』のクニモンド瀧口(たきぐち)氏からの楽曲提供など、ネオ・シティポップの最先端へ躍り出る一枚に仕上がっている。

「まず、AATAがどんなアーティストか分かりやすいようにしよう、と。HIP-HOPまでゴリゴリのラップではありませんが、メロウな譜割でサビがめちゃめちゃポップな曲を集めています」。

アルバムのリード曲である『Blue Moment』は、19年12月の “J-WAVE SONAR TRAX” として一か月間パワープッシュされ、”J-WAVE TOKIO HOT 100” にも、インディーズながら5週連続でランクイン。Spotifyの公式プレイリスト等にも選ばれた。

さらに、イギリスを拠点に活躍するエレクトロデュオ・HONNE(本音)の楽曲『Day 1』をカバー。ロンドン出身でありながら親日家として知られる彼らの楽曲を選んだのは、海外へのアピールの意味合いも含んでいる。

この狙いが功を奏したことは、Albumやストリーミングはもちろん、19年9月4日に先行発売した7inch single『Airport (ESME MORI Remix) / Day 1』への反響の大きさとなって表れた。

「海外のDJさんから『AATAのレコードを買って帰って、こっちでかけました』っていう連絡が来ることがあります。とても嬉しいですね」。

近年、YouTubeに投稿された竹内まりやの『Plastic Love』の動画再生数が2900万回を超える(※編集部注:20年2月現在)など、日本のシティポップが世界でブームを巻き起こしている。AATAの楽曲が海外で評価され、逆輸入される可能性もあるかもしれない。

初のホールワンマンライブへの想い

20年3月12日にTOKYO FM HALLで開催される、初のホールワンマンライブ『AATA one man live "BLUE MOMENT" 』への意気込みを訊いてみた。

(※編集部注:3/12 AATA one man live "BLUE MOMENT" @TOKYO FM HALLは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、7/20に延期されました)

「しっかり楽曲を楽しんでもらうライブにしたいですね。ライブにも色々あって、ライブハウスならではの気持ちよさや一体感もあると思います。ただ今回は、完成度の高い楽曲をお見せして、観客の皆さんにチルアウトしてもらって、リフレッシュしていただける時間をお届けしようと考えています。

クラシックの演奏会のような、音の良さにこだわったリッチなライブにしたくて、ホールの会場を選びました」とAATAは語る。

当日は、Albumの9曲目に収録されている『Silhouette』のアレンジを担当したピアニスト・Sho Asanoをバンドマスターとして、実力派のミュージシャンたちがサポート演奏を務める。

「今回のAlbumの収録曲を軸にしつつ、『あーた』時代の楽曲も幾つか、今のAATAの解釈で披露します。贅沢な音で歌えるので、私も楽しみです」。

ワンマンでは、ギター弾き語りでの演奏も披露するという。

「Albumを出す前は、弾き語りメインで活動している自分への後ろめたさや劣等感がありました。

だけどAlbumからAATAを知ってくださった人たちが増えて、皆さんから「弾き語りだとこんな表現になるんだね」という感想を貰って、新たな良さを見出したというか、自分を肯定することができました」。

たしかに、『やりたい音楽ができず、弾き語りをするしかない』状態と、『こういう音楽をやっていますが、弾き語りで別の表現もできます』という状態では、全く意味が異なるだろう。

彼女は続けて、

「シティポップのフィールドには素晴らしいシンガーさんがたくさんいらっしゃいますが、自分で演奏もされる方は少ないんです。その点、ギターと歌だけ、私ひとりがいればいいっていう最小編成でやれて、かつ同じ曲をまた違う見せ方で表現できるのは、AATAの強みだと思っています」。

弾き語りという武器を生かし、場所を問わずに歌っていきたいと語る彼女は、実際に下北沢などで路上ライブも行っている。

「この前やったときは、外国の方や若いカップルが足を止めて聴いて下さって、嬉しかったです。弾き語りシーンのライブハウスで演奏する時と、サブスク、路上、それぞれリスナーの反応、ウケが全然違います。

もっと大きな場所で、色んな人に聴いてもらえるようになりたいですね」。

特に同年代や、より若い世代に自分の音楽を届けていきたいという。

「ワンマンのチケットにも学割を用意しました。若い子に観てほしい、AATAの音楽を体験してほしいと思っています」。

『AATA』の先へ、想像もつかない未来へ向けて

ワンマン後の目標を訊くと、「フェスに出たいですね」という言葉が飛び出した。「特にフジロックは憧れです」。

さらに「Featuringをたくさんしたいです。曲を作ることは大好きですが、『シンガーソングライターであること』にはあまりこだわっていません」とAATAは微笑む。

「私の顔も音楽も、何も知らない人が、歌だけ聞いて『良い声だね』と褒めてくださるのがとても嬉しいんです。

音楽を勉強すれば、ある程度の楽曲は作れるようになるけど、声は唯一無二じゃないですか。だから、アイデンティティまで褒めてもらった気持ちになれるんですよね」。

自分の『声』を、色んなトラックメイカーに遊んでほしいと言うAATA。そこで生まれる繋がりや、他人の楽曲を歌う経験が、また新たな可能性を拓いてくれるのではないかという期待もある。

「『弾き語りシンガーソングライター』のシーンから、まったく音像の違うところへ来たので、シティポップやソウル、R&Bなどを聴くリスナーさんやアーティストさんにご挨拶していきたいです」。

その名刺代わりとして『Blue moment』があり、3月12日のワンマンがあり、自主企画ライブがあった。

AATAは、音楽面以外のセルフプロデュース、たとえばCDジャケットやフライヤーなどのアートワークにもこだわっている。

まず『Blue moment』のジャケットについては、「その意味、全体のコンセプトみたいなものを限定したくなかったんです。人によって見えるものが変わる絵がいいなと思って、satsukimさんという画家の方に依頼しました」。

編者はCDを受け取ったとき「地球の絵だな」と思ったが、石や宇宙、はたまた「壁に空いた穴から空を見た様子」と感想を述べる人もいるそうだ。

ジャケットの裏面は、なんともいえない色合いの青で塗りつぶされており、海や星空、都市の夜景など無数のイメージを想起させる。

これらの油絵は、紙ジャケットの手触りにもマッチし、より質感を高めている。ぜひ読者の皆さまにも、実物を手に取っていただきたい作品だ。

一方、ワンマンのフライヤーを手がけたのは、ギタリスト兼イラストレーターのn uma(ぬま)氏だ。キーボーディストである池田貴史氏のソロ・プロジェクト『レキシ』のグッズ等を制作しており、無機物から有機物まで幅広いモチーフを自在に描く。

今回は事前にAlbumを聴き、AATAの好きな物や人となりをも取材した上で、制作に臨んでくれたという。

「馬が好きだったり、橋や金属の歯車などのモチーフが好きだったり、色んな私らしさを全部盛り込んでくださいました。このフライヤーも、AATAの名刺として、納得の一枚に仕上がっています」。

名刺代わりの作品を手にした彼女は、AATAの存在を多くの人に知ってもらうべく、数々の取り組みを行っている。

まずは各種オーディションへ積極的に参加。2月23日にZepp DiverCityで開催される『AI × TENDRE 「LIVE FOR THE NEXT」』でオープニングアクトを務める権利を勝ち取ったのも、その一つだ。

最近始めたRakuten LIVEでは、『表情の見えるラジオ』をテーマに生配信をしている。

「これからのアーティストは、歌えて曲を作れるだけじゃ足りない。自分でコンテンツを作る、セルフプロデュースをできることが基本だと思っています」。発信するツールが沢山ある現代だからこそ、自分に合ったものを選び、能力を磨いていかなければならないと言う。

「私の音楽はラジオと相性と関係者の方やファンの方にいっていただくことが度々あって…。だったら、自分が喋れるに越したことは無いなと思って、配信をがんばっています」。

確かに彼女の音楽は、リズムがしっかり響くにも関わらず、うるさくない。甘やかな癒し系の声は、BGMとして長時間聴くのにもぴったりだ。

「正直に言えば、遠い先のことは分かりません」とAATAは笑う。

「今はこういう活動がやりたくて、納得してやっています。だけど、これからまた新しい音楽を聴いて、色んな人に出会って、変わっていくと思います。今後、自分がどんな活動をしていくのか、もしかしたら昔の方向性に戻るかもしれないし、分かりません。とにかく色んなことを吸収して、前に進んでいきたいです」。

「3月のホールワンマンが一つの到達点になります。ここから新たな展開が始まるので、ぜひ目撃してください。いつか、『私はAATAのこのライブを見てたんだよ』と言ってもらえるようになりますから」と、彼女は取材の最後を締めくくった。

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記録によれば、15年6月27日、彼女の1st mini alubum『あーた』のレコ発ライブのセットリストは、15曲中5曲が初披露の楽曲だったという。その他の楽曲もライブの1、2ヶ月前に作ったものがほとんどで、活動初期の楽曲は3曲しか歌わなかった。

その理由を、当時の彼女は「今回のワンマンでは、どうしても最先端の私を見せたかった」と述べている。

前の自分を否定してるわけではないんです。
あの頃の曲があるから、今新しい曲がうたえるんです。
でも今はふりかえる時ではない、そう思ったんです。
(中略)
どうか見守っていてください。
わたしがこれからどう生きて、どんなうたをうたっていくのか。

とにかく前へ進み続ける。そのたびに大きくなっていく。その生き様こそが彼女であり、昔も今もこれからも、きっと変わらないのだろう。

3月12日にAATAがどんな音楽を刻み、『次』へ旅立つのかを見届けたい。

INFORMATION

2020.07.20(Mon) open 18:00 / start 19:00
AATA one man live "BLUE MOMENT"

[会場] TOKYO FM HALL(千代田区麹町1-7 FMセンター2F)
[料金] 通常前売 ¥4,200 / 当日 ¥4,700 / 学生 ¥3,200
[入場順]
①S席チケット ②手売りチケット(番号順入場) ③プレイガイド(番号順入場) ④TIGETお取り置き予約(番号順入場) ⑤当日券

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■ Special seat チケット(指定席) <SOLD OUT!!>
■ 通常チケット(全席自由席)
会場物販、通販、プレイガイドにてご購入いただけます。会場物販もしくは通販にて手売りチケットご購入の方にのみ〔手売り特典〕が付きます。
※手売り特典…「Sway」MV ディレクターズカット版
■ 学生割引チケット(全席自由席)
手売りチケットとお取り置き予約(TIGET)のみのお取り扱いとなります。要学生証持参。会場物販もしくは通販にて手売りチケットご購入の方にのみ〔手売り特典〕が付きます。
※手売り特典…「Sway」MV ディレクターズカット版
※お取り置き予約(TIGET)は、12/12(木)10時より受付開始となります。
■ 当日券(全席自由席)
当日券が出ない場合もございます。ご了承ください。

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