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医療経営者に捧ぐ必読書100選が     5分でわかるnote [Vol.002]

[Vol.002] 医療4.0 第四次産業革命時代の医療
 -未来を描く30人の医師による2030年への展望-

加藤浩晃 編

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<<目次>>

第1章 日本の医療における変化と課題
2030年の医療を予測する材料として、「人口動態」を中心に増え続ける社会保障費や医療提供の方向性について整理します。今後、急激な人口減少を経験し、日本各地で地域差を持って高齢化が進む日本で、現在予想されている医療の姿をあらためてまとめます。
第2章 医療とテクノロジーの現状と展望
第4次産業革命とは、IoT、AI、ビッグデータ、ロボティクスなどの新技術を活用することで、産業構造だけでなく、生活や人との関わり方まで含めた事柄が根本的に変わる大改革です。VR(仮想現実)・AR(拡張現実)・MR(複合現実)、次世代移動通信5G、ブロックチェーンなどの新たな技術革新も合わせて、医療分野でのテクノロジー活用を俯瞰し、未来予測を提示します。
第3章 未来を描く医師30人の展望
医療現場の課題から、テクノロジーを用いた解決に取り組む医師30人とのインタビュー。第4次産業革命のテクノロジーが医療現場を変える可能性と、それぞれが描く2030年の医療の姿とは。
▼登場する医師30人
阿部 吉倫、五十嵐 健祐、石井 洋介、伊藤 涼、猪俣 武範、岩本 修一、小川 晋平、沖山 翔、菊池 亮、北城 雅照、近都 真侑、小橋 英長、小林 紀方、佐竹 晃太、柴田 綾子、白岡 亮平、園田 正樹、田中 由佳里、中西 智之、中山 俊、二宮 英樹、橋本 直也、原 聖吾、原 正彦、眞鍋 歩、明星 智洋、物部 真一郎、森 維久郎、吉永 和貴、吉村 健佑

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第四次産業革命時代の、"医療4.0" 


筆者が指す「医療4.0」とは何か。
日本の医療提供体制の歴史から紐解く。
1960年代、日本には国民皆保険制度が誕生した。
いわゆるフリーアクセスが誕生し、
誰もが同一の質の医療を保険内で受けられるようになった。
これが「医療1.0」。

高齢化の懸念がささやかれた1980年代、
介護政策が主に社会保障が組み立てられた。
これが「医療2.0」。

2000年代、インターネットの普及に後押しされて、
医療情報も紙から電子化された。医療のICT化が、「医療3.0」。

そして、第四次産業革命時代の革新的科学技術によって台頭するであろう医療、
それが「医療4.0」だ。


新たなテクノロジーが、医療の課題を解決できるかもしれない、ワクワク。


この本の構成は、遠隔医療、AI、IoTなど
デジタルヘルスの政策提言にも携わっている、元厚労省官僚であり、
現役医師である著者の加藤Drが、
昨今目まぐるしい発展を遂げるヘルステック分野において
先見の明を持つ医師30名へのインタビューした内容を
主構成として編集されている。

日本の医療は、「ニーズの多様化」と「医療提供体制の効率化」の
ダブルタスクをどう達成するか?の解を求められている。
その解の一翼が、ヘルスケア×テクノロジー に
なり得るかも?なったらいいね!というのが、
著者の提唱だ。

キーワードは、「セルフメディケーション」


テクノロジーが補完代替できることの中で、著者がまず挙げているのが、
「セルフメディケーション」だ。
情報へのアクセスが無限となった現代は、医療情報にも容易にアクセスできる。
ネット上の情報は玉石混交ではあれ、正しい情報さえ掴むことができれば、
自身の健康管理や症状から病気の早期発見にも役立つ。
さらにウェアラブルデバイス(健康情報をモニターできる装置)があれば、
日々の体調管理をサポートすることも可能だ。
それによって膨大に蓄積されたデータは、
新薬開発や新たなヘルスケア産業のシードにもなる。
すでに一人1台持っているスマートフォンの機能を持ってすれば、
遠隔医療を提供することだって実現範囲になってきた。

イノベーティブに「医療×テクノロジー」を描く


本の中に登場する30名のドクターは、既にヘルステック分野で業績を上げているドクターばかりだ。
この本を読んでいる今も、新たな時代のパイオニアは行動と変革を続けている。
そんなドクターたちに感化され、更なる新時代のサービスや医療の発展に寄与するビッグアイデアが誕生してほしい。


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