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【Meet Reapra】第1回 起業家の意志をテクノロジーで実現する。Reapra流「超アジャイル支援」とは!?(後編)

ベンチャービルダーとして100年続く産業の創出を目指す組織、Reapra。その組織哲学や活動内容のユニークさ故、「実際、何をしている組織なの?」とまだまだ疑問に思われることが多いのではないでしょうか。

そんな皆さんの疑問にお応えすべく、Reapra社内チーム紹介シリーズ始めます!!
毎回、社内各チーム社員・インターン生の方々に、チームのミッション・ビジョンや活動内容を語って頂き、謎多きベンチャービルダーを徹底解剖していきます。

Reapraの支援先の起業家の皆さん、産業創造に関心のある社会人の皆さん、インターンに興味のある学生の皆さん、その他Reapraがなんだか気になるそこのあなた!
この連載を通じて我々のことをもっと深く理解してみませんか!?

◎今回メインとなる読者:Reapraがご支援している起業家の方々

謎多きベンチャービルダーReapraの社内チームを徹底解剖!
記念すべきトップバッターはテクノロジーチーム(以下テックチーム)です!

・Reapraのテックチームって何者?
・Reapra流のテクノロジー支援とは?一般的なテックチームとの違いは?
・起業家にどんな支援をしてくれるの?

などなど、起業家の皆さんが疑問に思われるであろう部分を、テックチームの皆さんに聞いてきました。内容が盛りだくさんなので、前回と今回の2回に分けて、テックチームの謎をじっくり解明していきます。

この記事には起業家の皆さんにとって、『Reapraのテクノロジー支援のリソースを正しく把握し、必要な時に必要な支援を求めることが出来る』ための大事な情報が詰まっております。是非ご一読ください!

*今回の記事は第一回の続きになります。第一回をまだお読みでない方はこちらから!https://note.com/reapra_jp/n/ncf3b7850f89c

*この記事はReapraがご支援している起業家の方向けに、テックチームをよく理解し活用して頂く事を主旨として執筆されたものです。しかし、テックチームを分かりやすく紹介しておりますので、学生や社会人の方であっても、テックチームにご関心のある方にとっては役立つ内容となっております。

経営者の意思をシンプルな打ち手で表現する

インタビュアー:
前回のインタビューから、超アジャイルのアプローチは理解できました。原永さんの言葉をお借りして説明すると、「現時点で自分たちが使いこなせるテクノロジーを活用して、柔軟に目的を達成していく」というアプローチですよね。

ところで、超アジャイルで、ごく小さい課題解決を積み重ねるアプローチでは、取り得る手法がシンプルなものになりがちなのでは?と思いました。そうなると、テックチームの皆さんが有する高い技術力が起業家支援に発揮されづらいのではないでしょうか?今チームとしてお持ちの技術力や知識は、テクノロジーによる支援にどのように活用されていますか?

浅倉:
むしろ、テックチームメンバーが技術力や知識を持ってるからこそ、シンプルな手段が取れると思っています。何も分からないと、「とりあえずテクノロジーは外部に任せて、立派な仕組みを作ろう!」となりがちですが、私たちは「それで本当に良いんでしょうか。」と一旦引き留めます。そして、起業家が考えている「実現したいこと」を整理してブレークダウンし、そこに資するテクノロジーツールを紹介したり、そもそもツール使わなくても良さそうな問題であれば、使わないで解決できる方法を提案します。このような提案ができるのは、ある程度事例を見てきていて、色々な解決方法を知っているからこそだと思っています。その点では、採用しているツールや手段がシンプルに見えても、その後ろ側に技術力や知識、経験が入ってるという風に感じています。

原永:
今浅倉さんが仰ったように、テクノロジー支援においては、経営者にテクノロジーのテクニカルな部分を話す前に、「なぜ彼がその意思決定をしたのか?」という部分を理解する必要があります。例えば、テクノロジー関連のことに全く詳しくないから、とりあえずCTOを採用するという意思決定をする経営者もいます。自分のスペシャリティではなくて分からないから、とりあえず「魔法使い」を連れてきたいということですよね笑 これでは課題に対してとり得る手法を適切に吟味できているとは言えません。だから我々は、事業の課題を理解し、最適な解決策を提案するために、経営者の意思決定の過程をきちんと踏まえるのです。

テクノロジースキルという「刀」があるとしたら、その刀は初期の段階ではほとんど抜かなくて良いと思うんです。刀は当分しまっておいて、抜かずして戦うのがReapra流。「なんで刀を抜く必要があるのか?」とか「刀の振り方とは何ぞや。」っていうところから経営者と考えます。「すごい剣士を連れてきて、とにかく切りまくってほしい」という経営者の要望に対しては、「そもそもなんで切る必要があるのか?」をまず考えようと促すわけです。その上で、敵が石ころで倒せるなら石ころで倒せばいいじゃん。そんなイメージです笑

私はReapraに入った当初、この「刀が抜けない」っていうのが実はものすごいフラストレーションでした。以前は「剣士は刀を抜いてなんぼ」と思っていたので、投資先に導入できるテクノロジーやプロダクトがないことに対して凄く葛藤していました。今は小さなプロダクトを作り始めるところで伴走したりとか、起業家のマインドセットを整えること、投資先企業に所属しているエンジニアと経営者のコミュニケーション支援という辺りに取り組んでいます。

超アジャイル支援の具体例:まずは軽装で目的地にたどり着く



インタビュアー:
Reapra流の超アジャイル支援をした具体例はどのようなものがありますか?

原永:
シンガポールでコロナが流行しているときに、Reapraシンガポールチームの人事からオフィスの予約システムを依頼されたんですね。12人までの予約制限付きで、何時に出社して退社するかのチェックイン・チェックアウトの機能のついた予約システムを製作して欲しいと。私はそれをGoogleスプレッドシートで10分で作って渡しました。すると、シンガポールチームから「いや、チャットボットでやりたい。ついでに質問対応も出来たらクールだ。」みたいに言われたんですね。他にも、予約の情報と実際に出社したかどうかを同期して確認する機能が欲しいとか、データ分析がしたいといった要望がありました。それに対して私は「とりあえずこれで運用してみよう。」と提案しました。要望通りのものを作るのはとても時間がかかりますし、データ分析にしても、実際に何をどういった目的で、どう分析するのかも定まっていない状態だったので、まずは最小限のステップから動かしてみることにしたんです。蓋を開けてみれば、このシステムのままで今のところ何の問題もなく運用されており、導入からもう数か月になります。

目的に対してチャットボットとかアイデアは色々あると思うんですけれど、本当に解決したい課題って実はもっと簡単に解決できるんですよね。それがスプレッドシートとかで解決出来るものであれば、まずはそれでやっちゃった方が良いです。たどり着きたいところにたどり着くのが目的。どうせ何が起こるかはやってみないと分からないので、一旦方法は簡素にして、そこの場所まで行ってみるっていうことを考えてもらう。経営者に対しても、そういうことを意図的にやってみるといいんじゃないかとアドバイスしています。

ミッションに向かう日々の取り組み

インタビュアー:
テックチームの哲学は良く理解できました。では、Reapraが目指す、産業創造の文脈において、皆さんは日々どういった取り組みをなさっているのでしょうか?

尾島:
今テックチームが取り組んでいることは、「投資先に対して」と「Reapra内部に対して」の大きく分けて2つあります。投資先に対しては、事業アイディアに対してどのようなプロダクトがいいのか、課題に対してITを使ったアプローチ方法などの相談から開発の相場の相談、人材採用まで、幅広いフェーズで伴走しています。経営者の壁打ち相手になって課題点を一緒にあぶり出し、その課題に対して起業家が向き合えるように支援をしています。ユニークな支援としては、CTOやエンジニアメンバーとの対話を通して、彼・彼女ら自身の人生におけるミッション・バリューを紡ぎ出して、事業へのコミットメントを高めるなどの取り組みもしています。
Reapra内部においては、先ほど紹介したTech Bookが該当します。また、一部やり始めていて、今後本格的に力を入れていこうと思っていることが、社内や投資先にある色々なデータとテクノロジーの活用を通じて、投資そのものの意思決定をより良くしていくツールを作るというプロジェクトです。投資先の財務情報、非財務情報(マスタリー、コンディションなど)を定点観測していくことで、投資の意思決定を振り返りやすくし、より良い意思決定ができるようにしていきます。さらに、社内に対しての情報セキュリティーを強化していきたいとも考えています。

浅倉:
事業を進めるためにツールを使うのはとても大事です。ただ一方で、ITにおいて最近特に重要になっているのは、セキュリティや情報漏洩の問題なんです。ここの土台を今のうちに作っておくべきだと感じています。その辺をやってくださっているのは田中さんですね。

田中:
ステムとしてどういう情報を持つか、会社としてどういう情報を持つかっていうのを洗い出した上で、誰がその情報にアクセスできた方がいいのかといった議論を最初の方の段階で行ったほうが後々楽なのかな?っていうのは、今実際にセキュリティポリシーの整理やっていく中で感じているところです。なぜそれが重要なのかというと、組織が大きく複雑になってくると、アカウントの権限管理が難しくなってくるからです。アカウント周りの話って、システムにしても、紙媒体にしても、会社を運営していく以上は絶対に絡んでくる話なので、事前に論点を解消していくべきだと思います。

インタビュアー:
ちゃんとアカウント管理しないといけないという認識を持てていない起業家さんも一定数存在すると思います。テックチームとしては、どのタイミングでどういう風に彼らに対して認知を促していこうと考えていますか?

田中:
意識の醸成という観点では、最初の方からアカウント管理は大事ですよという話はしておいた方がいいかなと思います。どんなスタートアップでも企業活動する上でコアとなる情報は必ず持ってるはずなので、その情報が漏洩すると、例えば個人情報が流出するとか、他の人が真似するといった良くない問題が発生します。そういうケースが起こるのを防ぐべく、セキュリティというものに対しては早い段階から意識を持って頂いた方がいいかなっていうのは思うところですね。最初少ない人数とかだとルール作りもまだやりやすいと思うんですけれど、人が多くなるにつれて色んな考え方が出てくると思いますし。正直セキュリティって短期的に何か成果が出るものではないですし、会社の業績に直接プラスになるものでもないので、重要視されないことが往々にしてあると思います。それを感知した時点で、起業家さんがReapra側に相談するのも良いですし、Reapra側が起業家の方に最近のセキュリティ状況について問いかけをするのも良いかなと思います。

テクノロジー支援もシードから

インタビュアー:
これまで、テックチームの哲学と活動内容を伺ってきました。では、テックチームを起業家さんに最大限活用して頂くという観点で、テックチームに支援をお願いするベストなタイミングはいつなのでしょうか?

原永:
事業課題の解決という観点では、できるだけ問題が小さいタイミングであるに越したことはありません。課題解決と同時に、起業家さん自身の学習支援にも長期でコミットできますし。逆に、既に燃えてるところに対処する場合には、なかなか起業家さん自身の学びを促す余裕がありません。また、起業家さんのコンディションとしては、問題を自分で抱え込んでいない状態の方が、無理なくオープンになってくれるので良いのかなと思っています。だからこそ、我々の支援は一番最初の頃からやるほうが効果的じゃないかなと個人的には感じています。受託開発のように言われたことをただやったり、解決法だけを差し出すのではなく、複雑で難しく正解もない中で、起業家さんに寄り添って課題解決をサポートしながら、彼らの学習も進むように伴走をしていくことがテックチームがやりたいことです。世の中のCTOとかエンジニアがやっている領域ではないからこそ、私達が先駆者としてやらないといけないっていうのが、すごくやりがいのあるところだと思いますね。

尾島:
さきほど原永さんがおっしゃっていた刀の例えでいうと、刀を使って何かをする前の最初のタイミングから入らせてもらい、「そもそも、その刀を何に使うのか?なぜ使うのか?」を一緒に考えるところから始められるのが良いんじゃないかなと思います。やることが既に決まってしまった段階だと、Howの部分にどうしても対話が偏ってしまったり、手戻りが多くなってしまうがために、議論が建設的になりずらく、施策も対症療法的になりがちです。WhatやWhyの段階から対話がなされるのが理想的ですね。

とはいえ、当たり前ですが既に事業のステージが進んだ段階であっても全力でご支援させて頂くのでご安心ください。事業のどの段階であれ、ご支援可能なキャパシティはあります。

インタビュアー:
本当に小さく小さく共同学習をしていけるような対話を、初期のフェーズから重ねていけると一番いいということですね。

起業家の皆さんへ

インタビュアー:
最後に、この記事をご覧になっている起業家の皆さんがテクノロジーおよびセキュリティの観点で何かテックチームに相談したい場合にはどのように連絡したら良いでしょうか?

浅倉:
一旦手近なReapra社員に連絡して頂いて、社員からテックチームに繋いでもらうっていうのが良いと思います。ただ、テックチームメンバー誰かの連絡先知ってる場合は、直接気軽にお声掛け下さい。問題がまだ整理できてないからと相談をためらった結果、時間が経ってしまって手遅れになることが一番よくないです!漠然とでも、ちょっと相談したい、助けが欲しいって思った時点で、いつでもどういう形でも連絡をしてくださると嬉しく思います。皆さんのお力になれる日をテックチーム一同心待ちにしております!

インタビュアー:
テックチームの皆さん、本日はありがとうございました。

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