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【Meet Reapra】 Reapraの社内チーム紹介します!

ベンチャービルダーとして100年続く産業の創出を目指す組織、Reapra。その組織哲学や活動内容のユニークさ故、「実際、何をしている組織なの?」とまだまだ疑問に思われることが多いのではないでしょうか。

そんな皆さんの疑問にお応えすべく、Reapra社内チーム紹介シリーズ始めます!!
毎回、社内各チーム社員・インターン生の方々に、チームのミッション・ビジョンや活動内容を語って頂き、謎多きベンチャービルダーを徹底解剖していきます。

Reapraの支援先の起業家の皆さん、産業創造に関心のある社会人の皆さん、インターンに興味のある学生の皆さん、その他Reapraがなんだか気になるそこのあなた!
この連載を通じて我々のことをもっと深く理解してみませんか!?

第一回 起業家の意志をテクノロジーで実現する。Reapra流「超アジャイル支援」とは!?(前編)
テックチーム(1)

◎今回メインとなる読者:Reapraがご支援している起業家の方々

謎多きベンチャービルダーReapraの社内チームを徹底解剖!
記念すべきトップバッターはテクノロジーチーム(以下テックチーム)です!

・Reapraのテックチームって何者?
・Reapra流のテクノロジー支援とは?一般的なテックチームとの違いは?
・起業家にどんな支援をしてくれるの?

などなど、起業家の皆さんが疑問に思われるであろう部分を、テックチームの皆さんに聞いてきました。内容が盛りだくさんなので、今回と次回の2回に分けて、テックチームの謎をじっくり解明していきます。

この記事には起業家の皆さんにとって、『Reapraのテクノロジー支援のリソースを正しく把握し、必要な時に必要な支援を求めることが出来る』ための大事な情報が詰まっております。是非ご一読ください!

*この記事はReapraがご支援している起業家の方向けに、テックチームをよく理解し活用して頂く事を主旨として執筆されたものです。しかし、テックチームを分かりやすく紹介しておりますので、学生や社会人の方であっても、テックチームにご関心のある方にとっては役立つ内容となっております。

産業創造をテクノロジーで支援する

インタビュアー:
テックチームのミッションについて教えてください。

尾島:
「情報技術によってグループ企業全体の生産性向上に寄与し、企業価値の増大に貢献し続ける」というのが以前テックチームとしてたてたミッションです。

原永:
このミッションをたてたのは三年前になると思います。ただ、実はこのミッションはもう古くて、アップデートが必要なんですよね笑 当時作ったミッションでは、今自分たちが目指していきたいことをきちんと言語化できていないと思っています。

インタビュアー:
そうなんですか!?いきなりのサプライズでした笑
では、このミッションが時代遅れになった背景に何があったのでしょうか?

原永:
はい、このミッションを掲げた当時の私には、例えば3、4年で何かしらのプロダクトが一定程度世の中で認知されるような状況を作るとか、10年でIPOを果たすとか、そういった環境におけるテクノロジー活用に動機がありました。実際、私自身もスタートアップの立ち上げを6回ぐらいやってきてるので、そこに関して価値を出すことはできると思っていました。このようなところに意識が向いていた私が考えたミッションが、先ほどご紹介したものです。当時の私はReapraというベンチャービルダーのCTOとしてでなく、一般的なスタートアップのCTOとしての視野でした。私のその視野がこのミッションに反映されてしまっていたなと思っています。Reapraの持つユニークな組織哲学が、この時点ではまだテックチームのビジョンと符合していなかったんですね。

インタビュアー:
ということは、当時から現在に至るまでの間に、具体的に活動内容に変化があったということでしょうか?

原永:
はい。もともとは、Reapraの投資先に対して技術協力をしたり相談にのったりしている中で、生産性向上や企業価値向上を目標に据えて活動していました。しかし、今はそれを包含しつつ、「社会と共創しながら産業を創造する」ためにテクノロジーの専門性を活かす方法を、従来の一般的なテックチームの役割に縛られずに模索しています。

また、以前は長期的な時間軸における、周辺環境の変化や起業家の方の変容を動的に捉えることが不足していたように思えます。しかしReapraは、今は小さいけれど将来大きくなるポテンシャルのある、複雑性の高い領域の中で産業創造しようとしていますよね。ということは、エントリービジネスやセカンドビジネスなど、いくつかの事業フェーズを経て環境や組織、そして起業家自身も変化していくのは当然です。さらに言えば、スタートアップによって成長の過程は様々で、産業創造に至る道筋は1つではありません。そのため、中長期的な時間軸の中で動的に物事を捉え、テクノロジーを柔軟に活用していく必要があることに気づきました。

起業時は、起業家本人も領域が複雑が故に、全体像がつかめないことがあります。今までアジと他の魚の区別もつかなかったような人が、いきなり魚屋をやり始めるような感覚でしょうか。Reapraが対象とする領域において、産業創造を目指すスタートアップのエントリービジネスにおけるプロダクトやテクノロジーの扱い方は、プロダクトで一発当てようとする起業家のやり方とは全然違うだろうなと思っていて。今まで私の知っていた起業の流れ、またそこでのテクノロジーの活用の仕方では通用しないのだろうなと思いました。

インタビュアー:
では改めて、今のテックチームのミッションは何になるのでしょう?

原永:
「社会と共創しながら産業創造を目指すスタートアップに対してどのようにテクノロジーを使っていくことが有効なのか。」これが我々が本当に追求していきたい問いだと考えています。この問いに答えるために、「PBF*における産業創造を目的として長期持続的なテクノロジーを活用する」―これをいったんのテックチームのミッションに置き、現在テクノロジーチームでは、PBFにおけるテクノロジー活用というまだ答えのない概念や方法論を、実践を通して仮説検証しており、そこで学んだことを概念化していくTech Bookというドキュメントを執筆しています。そのタイトルにもなっているんですけれども、目下チームとして研究と実践を通して磨き上げていきたい、我々のありたい姿を一言で表したタイトルです。我々がフロントラインに立って投資先企業をサポートしながら、これまでにないテクノロジーのあり方を定義していけたらと思っています。

*PBF = Promising Business Field。Reapraがターゲットとする事業領域のことで、「次世代を跨ぐ社会課題であるが、その複雑さ故に現在ではまだ小さい領域」と定義している。

テクノロジーの取扱いは小さく柔軟に

インタビュアー:
Reapraの目指すものが産業創造という特大ゴールなだけに、テックチームも場当たり的に課題を解決する技術を提供するだけに留まらない役割を担う必要がある。だからこそ、新たに自分たちを一般的な「テックチーム」の定義に当てはめずに活動なさっているんですね。

では、そもそもReapraテックチームは、チームの軸である「テクノロジー」をどう定義なさっているのでしょうか?

尾島:
私たちが考えるテクノロジーの定義は、「これまでできなかったことが、少ない資源でより良くできるようになること」です。これまで人力でやってきたことをシステムが代わりにやってくれるとイメージして頂くと分かりやすいのではないでしょうか。これまで物理的制約がかかっていた情報収集やコミュニケーションがインターネットを通して効率化されることなんかがテクノロジー活用の身近な例ですね。他にも、AI、IoT、ブロックチェーンなどいわゆるハイテクと聞いて思い浮かべるものも、やはりこの定義に沿ってテクノロジーとして含めています。

原永:
我々の考えるテクノロジーは「仕組み化」に近いと思っています。それも、小さく柔軟で、起業家自らが扱える規模の仕組み化です。

説明を分かりやすくするために、テクノロジー導入の失敗例について考えてみましょう。

エントリービジネスにおいて、テクノロジーを使って何かしらの仕組みを作りたい時は、業務効率の向上という目的を持っている場合が多いと思います。この時にいきなり大がかりなテクノロジーを導入したくなる起業家の方が多いようですが、これはお勧めできません。前提として、Reapraではエントリービジネスにおいて、筋肉質な強いオペレーションを起業家自身の学習を改善することで体現することを大きな目的としています。よって、オペレーションを作り込む以前にオペレーションが標準化された大掛かりなシステムを入れることは、オペレーションを規定してしまうことになります。ですので、オペレーションを改善しながら、システムも同時に作り込んでいく、よりダイナミックな導入プロセスがいいのではないかと考えています。起業家の方は「テクノロジーを導入することで一気に業務効率を改善しよう!」と考えがちですが、ここは発想を逆転しないといけない部分なのです。

例えば、プログラムのコードを書くにしても、経営者が自分でちょこちょこっと書き換えられるようなものから始めるべきです。逆に、コードを書けない経営者が、がっつりプログラミングされたものを導入してしまったら、もう彼はそのプログラム通りに業務をこなすしかなくなってしまいます。業務最適化の手段としてテクノロジーを導入したのに、高度すぎるテクノロジーによって業務を規定されてしまうのでは本末転倒ですね。やはり、扱える範囲の小さな仕組み化から始め、実際のオペレーションを通じてその仕組みを磨き上げていくのが良いでしょう。

アジャイル開発という言葉がありますよね。プロダクト設計において、出来るだけ簡素なものから動かし始めて、仮説検証をしながら徐々に改善していくというやり方です。私たちがやっているのは超超々アジャイルだと思ってください。仮説検証のサイクルの粒度を限りなく小さくすることで、複雑性の高い変数に対しても都度対処可能な状態にしているんです。

インタビュアー:
テクノロジーを導入することでより整ったオペレーションを作り誰もが使いやすい状態にするとか、人的なエラーを減らしていくというのがいわゆる「テクノロジー」のイメージでした。ただ、オペレーションが未熟な状態でシステムを一度作ってしまうとその後に改善することが難しく、結果的に、人や会社がオペレーションシステムに合わせていくということになってしまう。Reapraの投資先のように前人未到の領域を開拓するプレーヤーには、変化に対応できるような柔軟性がテクノロジー領域にも必要となってくるということですね。

うーん、この部分ってとても複雑なので、テクノロジーの素養がない限り、テックチームの目指しているところが起業家の方になかなか理解されにくい気がするのですが…

原永:
テクノロジーに馴染みがない人には初めは理解が難しい、というのは確かにあると思いますね。

しかし、我々のように「小さく柔軟に、扱える規模で始める」というのは、テクノロジーを扱う際の普遍的な注意点でもあるんです。使う人間の手に負える範囲からテクノロジーを扱い始めないと、テクノロジーというものが彼らの中で「仕組みは分からないけれど問題を解決してくれるもの」と誤解されてしまい、あたかも魔法のように扱われてしまう危険性があると思います。

インタビュアー:
私が尾島さんを「魔法使い」と呼んでいるようなものですね?笑

原永:
テクノロジーが便利な道具として生活に馴染んできているので、仕方がない部分なのかもしれませんが、とりあえず問題を解決してくれる魔法の道具としてテクノロジーを捉えてしまうと弊害が生じます。例えば事業を立ち上げる時に、「まあ、こういうテクノロジーがあるのだから、とりあえずこれを使ってみよう」というように意味をきちんと考えないでテクノロジーを導入してしまうのには問題があります。ホームページやコーポレートサイト作成1つとっても、本来は達成したい何かの目的のための手段であるはずですが、「作らないといけないから作る」と思考停止で作り始めてはいないでしょうか?

私自身も失敗して学んできたことなのですが、最初から絶対的な予測はできません。大きな予算をかけてプロダクトを作っても、誰も使ってくれないこともありました。大事なことは、今やろうとしていることの意義を自分たちのミッション・ビジョンと照らして考えること。そして、そのためにテクノロジーが必要ならば、自分が現状扱える範囲で使ってみるということです。派手なテクノロジーの導入を目的にしてはいけません。いきなり「フェラーリに乗ってみたいから乗る!」と言うのではなくて、一旦立ち止まって「それに乗る理由はなんだ?」という部分について考えるべきなのです。乗りたい理由がどこか別の場所に行きたいからだとすると、まずは自転車でいいのかもしれない。実際に自転車を使って移動してみると、思いの外疲れたということであれば、バイクに乗り換えてみよう。バイクに慣れてきたところで、もう少し同行できる人の数を増やしたいということであれば車にしましょう。このように、一旦、目的を達成するための手段というものを一番小さな単位で作り、学習をしながら前に進んでいくという流れが理想だと思っています。

先ほど、Tech Bookのタイトルとして「PBFにおける産業創造を目的として長期持続的なテクノロジーを活用する」というミッションをご紹介しました。産業を創造しようとするReapraですから、この「長期持続的に」という部分はとりわけ重要です。超長期の時流を乗りこなして発展するためには、変化に柔軟な企業体質が不可欠です。そのためにはやはり、自分たちが使いこなせるテクノロジーを活用して柔軟に目的を達成していくこと。小さな単位の課題解決を積み重ねる超アジャイル的なカルチャーを持つことで、長期的に学習が回りやすい組織として成長していく組織ができるのではないかと思います。

第二回は7月21日(水)に公開予定です!お楽しみに!

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