おすすめミリタリー本の紹介
唐突ですが、いくつか面白いミリタリー本を紹介したいと思います。
自衛官ではない人にとって、自衛隊をはじめとした軍隊の活動は身近なものではありません。駐屯地や空中、海上、海中など普段目にすることのない場所で活動していることがほとんどです。そのため、特に機密ではないけど一般人にはよくわからないことがよくあります。自分自身も一般市民として、興味をもちながらも中々知ることができませんでした。
本記事では、戦闘機は実際どういうふうに動いているのか、司令官や幕僚は司令部の中では何をしているのかなど、痒いところに手の届く解説がわかりやすく書かれた本を中心に紹介したいと思います。
イラストで学ぶ用兵思想入門 〈近世・近代編〉〈現代編〉
田村尚也著
近世から現代にかけて陸軍におけるドクトリンに焦点を置いて解説されている。ドクトリンとは何かから始まり、ヨーロッパの戦いの中における変遷が具体例とイラストとともに解説されており、非常にわかりやすかった。
アメリカ陸軍のエアランドバトルドクトリンからマルチドメインオペレーションへの変化と、それらがどのようなものかという点についても解説されている。
作戦司令部の意思決定
堂下哲郎著
統合軍としてのアメリカ軍において、戦域レベルの司令部がどのように作戦を立て、実行しているかについて、複数の教範などをもとに解説されている。筆者が作成された図が非常に理解の助けになった。米軍の作戦立案過程について体系的に知ることができる。
WWⅡ戦術入門
田村尚也著
現代戦の戦術の一つの出発点ともいえる第2次世界大戦における歩兵、戦車、砲兵の戦術について編制から実際の運用まで解説されている。主要国の編制と運用を比較することでその関係性を知ることができる。現代における戦闘はより抽象的で、不可視化された領域が多い中で、それらにも通ずる、基本的な原則や概念などを知ることができた。
図説 戦闘機の戦い方
毒島刀也著
戦闘機の仕組みから実際の運用時の飛行方法まで幅広く解説されている。戦闘機の構造、各装置例えばレーダーの各種モードやその仕組みなど技術的な点にまでかみ砕いて書かれており、戦闘機の装備とその運用の連続性を知ることができる。また、運用面においても基礎的な航空力学に始まり、空対空、空対地、空対艦などの戦闘が網羅的に図を使って説明されており、現代の航空戦の戦闘様相を理解することができるようになっている。
戦争広告代理店
高木徹著
ユーゴスラビア連邦から独立を宣言した、ボスニア=ヘルツェゴヴィナ共和国内の民族対立が周辺国との紛争に発展したボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争において、主要関係国である、ボスニア(ヘルツェゴヴィナ)共和国、セルビア共和国、ユーゴスラビア連邦それぞれがどのように西側世論を味方につけたかを描いた、ノンフィクション小説。
誰が情報を発信し、拡散し、受容しているのか、それがどのような影響を及ぼしているのか、昨今、偽情報の流布など、”情報戦”が話題となる中で、示唆に富んだ内容となっている。
インターネットが普及し、SNSが情報戦の舞台となる以前から、各国の政治家は新聞、ラジオ、テレビを使って自らの主張を国内外に広める世論工作を行ってきた。本書は、サイバー空間が新たに登場する以前のテレビが情報発信の主要なメディアであった時代の情報戦について、描かれていると言える。
以上の6冊になります。
今後ももしあれば随時追加していく予定です。
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