縹の地平:世界観設定

はなだのちへい。
自創作の設定さらし。
エーテル世界環のうちの一つ、『技術の国』を舞台とした作品です。

思ったよりも長くなったので、キャラクターは別の記事に。
人間に興味のある方はこっちを先に読んだ方がいいかも。
https://note.com/really1999/n/n150de7e1de18

■イントロダクション


現実とは違う位相。
しかし相互に干渉する世界。
其処に二つの”国”は在る。

一つは機械文明を発達させた『機術の国』。
そしてもう一つは、蒸気機関より齎される”異能”で発展した『汽術の国』。

奇しくも同じ名を与えられ、
どうしようもなく異なった技術体系を孕むこの二国は、
皮肉なことに同じ鉱物をエネルギー源とした。

『エーテル鉱石』
可能性の粒子、神の薪石。
叡智と譫妄を与え、物質と観念を内包する結晶体。

ただ一つの交わりは、やがて一つの戦争を引き起こす。
しかし誰もがまだ、その意味すら知らぬのだ。


■概要

サイバーパンク国家の『機術の国』と、スチームパンク国家の『汽術の国』による戦記物。
エネルギー源である『エーテル鉱石』を巡り、『中間領』を奪い合う。

その中でも、縹の地平は『機術の国』側のお話。
異能力者『汽術師』へ対処する特殊部隊、『霧祓い』の戦いを扱う。


■世界観

▶機術の国

主人公たちが住んでいる国。通称、機械領。
エーテル鉱石を用いた縮退炉をエネルギー源とし、機械技術を基盤に発展してきた。

おおむね日本と同じようなビジュアルで、現実よりも少し未来に生きている。
文化や倫理観もほぼ同等。ただし、義体技術(サイボーグ的なやつ)が発達しているので、身体に対する価値観はややドライな傾向。

主戦力は義体技術による機械化兵と、二足歩行ロボの装甲機。

▶汽術の国

敵対国家。通称、蒸気領。
エーテル鉱石を燃やしてエネルギーを得る蒸気機関と、大気汚染によりもたらされた異能・汽術を基に発展してきた。

街並みはヨーロッパ圏、そのなかでもイギリスに似ている。
電気は通っていないものの、文明の発展度は現代とほぼ同等。服装なども近代的なデザインをしている。
国土も広く、本国だけでも機術側の9倍を誇る。

主戦力は、蒸気機関と汽術を複合させた汽術機(燃焼兵器)と、汽術を扱う汽術師たち。

ちなみに、汽術の国を扱った作品も存在します。

▶中間領

機術の国と、汽術の国の間に無数に存在する島々のこと。
エーテル鉱石を埋蔵している。

戦争の主戦場であり、目的のひとつ。
二国は此処を奪い合っている。

60年前までは何も観測されないただの海だった。
しかし、ある日を境に突如として発見され、同時に機械領と蒸気領も邂逅することとなった。


■小設定

▶汽術

蒸気側の主幹技術。
蒸気機関で汚染された大気により、人間の脳が変質し獲得した異能力。
時間と空間を構成するエネルギー体、『エーテル』へ干渉し、様々な現象を引き起こす。
単純なもので発火能力や念動力、複雑なものになると簡易的な時間操作や精神干渉などを行使する。

軽くであれば蒸気領の国民のほとんどが使用できる。しかしその性質上、才能や能力の傾向は遺伝によるものが大きい。

▶汽術師

蒸気領の中でも殊更エーテル汚染が強く、また強大な汽術を扱える者のこと。
特に軍隊へ所属するものは破格の戦闘力を誇り、物理法則すら捻じ曲げる。
それ故、その一部は機械領から『規格外仮想敵』として扱われている。

軍人のみを指す単語ではなく、本国では特殊技能者として働いている者や、研究の道を歩んでいる者も多く存在する。

▶霧祓い

機械領側の特殊部隊。
汽術師を殺すことに特化した実験的なチーム。

デザイナーズベビーである『日陰の君』、その補佐部隊として構成され、通常戦力では対処不可能な存在が出た場合に投入される。
これらには先行配備品の特殊兵装が支給される他、予測演算からもたらされる擬似的な未来視『三つ先』や、オーダーメイド特殊義体『奥四肢』などが与えられる。

軍服は黒い詰襟。履物はズボンとスカートを選べる。

▶日陰の君

機械領の最高戦力である『運用外兵装群』のひとつ。
汽術の国における最高戦力、『到達する十二』へ対抗するために作られた、十二体のデザイナーズベビーたち。

機械へ適合できるよう、生まれる前から調整されている。
また身体のほとんどを機械へ置き換えられており、人によっては脳しか残っていない。

身分上は皇族に置かれている。
しかしその称号は、非人道的な扱いの手慰みに過ぎず、与えられた特権も、決戦兵器であるが故のもの。

軍服は灰色の詰襟。履物はズボンとスカートから選べる。

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