縹の地平:キャラクター紹介

はなだのちへい。
自創作のキャラクター紹介。
エーテル世界環のうちの一つ、『技術の国』を舞台とした作品です。

汽術師と呼ばれる異能力者へ対抗するサイボーグ集団『霧祓い』と、デザイナーズベビー『日陰の君』(偽皇)たちのおはなし。

作品の基本設定などはこちらをご覧ください。
https://note.com/really1999/n/n751a0f6c5f7f

キャラクターの掛け合い集はこちら


■霧祓い

隴崎生躬を分隊長とする『隴崎班』の面々。五人一組で行動する。

▶白藤鈴藤(しらふじりんどう)

「はは……その名前、リンドウって読むんです……」
性別:女
年齢:18
身長:168
体格:細身だが筋肉質
髪色:黒、ショートヘア
瞳:青みがかった黒
誕生日:4/1
一人称:わたし
好きな物:笑ってる人
苦手な物:雨の日
趣味:イヤホン集め
あだ名:すずふじ、ふじふじ

概要
本作品の主人公。
軍学校に通う普通の少女。しかしある事件により『運用外兵装群』への接続権(コード)を入手してしまい、霧祓いへ半ば強制的に配属された。

真面目で素直で快活、それゆえ振り回され型の性格。しかし芯は通っており、譲れない事に対しては非常に頑固。
小さいころに見たヒーロー番組へ密かにあこがれており、『誰かのために生きる』が座右の銘。やや自己犠牲気味の性格。

『日陰の君』の一体であるヤマトに命を助けられて以降、彼女に特別な思いを抱いている。
戦争へ参加する理由も、「彼女が人間として生きられる世界を作る」という目標から。しかしその願いのために、常人の身に余る兵器を振るい、代償を払うこととなる。

元陸上部出身。
五歳で両親を亡くしており、今は母方の叔母と二人暮らし。
自身の名前を「両親からもらった大切なもの」だと思っているため、呼び間違えられるたびに少し嫌な思いをしている。

戦力として
『運用外兵装群』への接続権を持っている。

運用外兵装群』とは、既存兵器では傷一つつけられない『規格外仮想敵』へ対抗するために開発された、運用コストを度外視した試作兵器のこと。常人であれば使用しただけで神経が焼き切れる代物。
これを運用するために開発されたのが『接続権(コード)』。白藤は不幸なことに、遺伝子組み換えによってこれを手に入れてしまった。

白藤本人はほぼ一般人であるため、戦力としては運用外兵装群がほぼ本体で、彼女は実質的に生体認証キーのような扱い。
しかも彼女は常人であるがゆえに、この兵器を使用するたびに身体が不随となっていく。


▶隴崎生躬(おかざきいくみ)

性別:男
年齢:29
身長:178
体格:筋肉質、ひたすら機能的
髪色:黒、束感のあるショート
瞳:黒
誕生日:10/26
一人称:俺
好きな物:おこめ
苦手な物:ネバネバした食べ物
趣味:書物、農業
あだ名:隊長

概要
白藤が所属する、霧祓い第三分隊の分隊長。
若干29歳にして抜擢されたエリート軍人。

寡黙でぶっきらぼう、典型的な武人タイプ。
若い女性隊員からは「怖い」「睨まれる」「奥歯に苦虫が巣を張ってる」と称される。
切れ長な目に今風な醤油顔なので、すましていればかなりの美丈夫な筈だが、常に眉間にシワが寄っているため睨まれているように受け取られる。

仕事も訓練、私事も修練、常に休みなく機械的な生活をしており、部下からは旧型ロボットだのライントレーサーだの評価されている。
冗談を言うたちでもなく、色々と変わり種を揃えた霧払いの中でも異色なほどに真面目。逆に言えばどこまでも硬質な彼だからこそ、癖の強い隊員をまとめ上げられている。
ただし、感情がなく仕事一徹なのかと言われればそうでもなく、普通に面白いことがあれば鼻で笑うし部下の私事もそれなりに尊重する。糞真面目なので勘違いされがちだが、本人は本人なりに現代っ子のつもりなのだ。

出自が少し特殊で、彼のみ疑似的な汽術が扱える。
この能力を買われ、霧祓いへ斡旋された。

戦力として
接近戦を好み、刀剣の扱いに長けている。
人間としての戦力なら第三分隊最強。
『新月』と呼ばれる古刀を保有し、これを用いた疑似汽術『因果流し(汽術名:ペアノ・カッター)』を奥義とする。

白藤への態度
平等に部下として扱っている。
巻き込まれる形で入隊した彼女を慮りつつも、彼女自身が決めた意志を尊重し、運用外兵装群の使用を命じた。
ただ『誰かのために生きる』という、兵士として致命的な欠点は危険視している。

▶︎霞谷(かすがい)

「見る価値のないものなんて別に見なくてもいいでしょ?便利なんだよ、このバイザー」
年齢:28
身長:175
体格:筋肉質
髪色:黒、ロングヘア
瞳:不明
誕生日:春
好きな物:日本酒
苦手な物:
趣味:バイク
あだ名:霞谷さん


概要
第三分隊の副分隊長。
生躬のサポート役。隊内のハブとしても機能している。
名字しか名乗らない。

髪は背中まで届くロングヘア。体つきは筋肉質で、白藤がアスリート体型だとすれば、霞谷は軍人と言ったところ。手足はすらりと伸び、スタイルはかなり良い。
ヒールを履くとギリギリ生躬の身長を越す。

過去の戦闘で頭部に瀕死の傷を負ったため、常に生命補助装置のヘッドギア(バイザー)を被っている。頭をすっぽりと覆う形状をしているため、素顔を知る者は少ない。基本ギアを外すことはなく、食事時などはヘッドギアが変形して口の部分だけ露出するようになっている。
イメージとしてはバイクのヘルメットや変身ヒーローのマスクを装着したような形。義体技術が進んだ機械国家においても珍しい格好。そのため、注目を集める(が、本人は気にしていない)。

性格は朗らかで親しみやすい。顔が見えないのに分隊内で1番表情豊か。よく喋るムードメーカー的な存在で、彼女だけは誰との軋轢なく接することができる。
大人びた部分と子供らしさを兼ね備えており、オンとオフがしっかり出来るタイプ。

生躬とは同期。かつて同じ分隊に所属していた。
霞谷が頭部を負傷した作戦にも共に参加している。それ以降彼女は治療と手術のため分隊を離れ、別の部隊へ配属された。
第三分隊を設立する際に生躬によって呼び戻され、今の形に収まる。
他の隊員がいる手前「隊長」と呼んではいるが、気が緩むと「イクミ」呼びに戻ってしまう。

生躬と離れた空白の期間は彼女にとって苦い思い出のため、なかなか話したがらない。生躬もどう触れていいのかわかっていないため、少しギクシャクしている。

戦力として
オールマイティになんでも熟すナンバーツー。
特に遠距離射撃に関しては目を見張るものがある。
使用できる武器の多さからサポート役に着くことが多い。ゴテゴテに装備させられがち。

白藤との関係
白藤にとっては頼れる上司。「ちょっと冗談きついなこの人」と思われている節もある。
白藤→霞谷は「霞谷さん(階級の場合もあり)」、霞谷→白藤は「白藤ちゃん」呼び。基本的に隊員のことは名字で呼ぶ。

おまけ
「安心してよ。第三分隊(ここ)に所属してる限り、白藤ちゃんには指一本触れさせないから」

「八百ちゃん見て見て、箱根行ってきた。酒が美味くてさー」(機械の国に箱根はない)
「いいですね。静岡でしたっけ」
「いや、神奈川」
「イメージあわねー。ほぼ静岡じゃないですか」
「神奈川を神聖化しすぎじゃない?」

「はは、バイザーが壊れたみたいだ。イクミ、何も見えやしないよ」

▶︎鏑木波示(かぶらぎはじめ)

年齢:29
身長:179
体格:細身、ちょっと不健康な感じ
髪色:栗色、ウェーブがかったショートヘア
瞳:茶
誕生日:たぶん秋
好きな物:研究、動物
苦手な物:世渡り
趣味:軽い運動、EDM
あだ名:かぶらぎさん、天パ

概要
第三分隊の作戦下士官。エーテル、もとい汽術の専門家として敵の異能を分析し、作戦の立案まで務める。
白藤の同期。大学の博士課程まで進んだが、三年次で中退し軍へ入隊した。

デフォルトの表情が笑顔な、穏やかな性格。聞かれたことに受け答えするコミュニケーションスタイルで、あまり雄弁に語るほうではない。
ちょっと童顔。社会経験が少ないから。
休日は後ろ手に髪を括り、纏めている。

社交性が高い一方で、社会性はない。いささかデリカシーに欠けており、言わなくてもいい場面で一言多い発言をしてしまう。別れるときの原因は大体コレ。

大学ではエーテル力学を専攻しており、蒸気国家の汽術を解析し、新たな対策手段を開発したり機械技術へ還元することを試みていた。
研究者としての実力は十分で、博士課程修了後も国立研究所へ勤めることが内定していたが、三年次に提出した論文が原因で彼の上司(助教)と大論争を繰り広げる。結果、半ば破門の形で自主的に研究室を辞め、霧祓いへ入隊することとなった。
ちなみに彼の提出した論文のタイトルは『亜人類種が形成するエーテル波の構造予測モデル確立と、その比較』。内容は「現在の社会情勢に対する配慮を欠いた、非常に侮辱的で科学的根拠が薄いもの」だと評されている。
ちょっとした思想犯。

結構な親泣かせ。両親は将来への心配から博士課程進学を不安視していたため、就職すると伝えた際は安堵した。
その後、軍への入隊を報告され膝から崩れ落ちたのはいうまでもない。
基本的に自分のやりたいことを突き詰める人

戦力として
第三分隊のブレイン役。
霧祓いが相対する汽術師は、一人一人が独自の『理論』を備えており、これを世界へ浸透させることで超常的な現象を引き起こす。
分析官である彼の仕事は、排除対象となる汽術師の情報を集め、解析し、対処法を考案すること。元より彼はエーテル波構造解析のプロフェッショナルであるため、この点には非常に長けている。
また発想力にも恵まれており、アドリブも効くため、即興での作戦にも対応できる。

反面、フィジカル面は微妙。反射神経には優れるが、体力が保たない。多分隊内では一番脆弱。

セルフブラック体質。彼の徹夜の働きが勝利の鍵となることもしばしばある。

白藤との関係
歳がめちゃくちゃ離れた同期。
白藤はちょっと距離を測りかねている。反面、鏑木は慣れているので、最初はぎこちない。
鏑木が少し変だということがバレて以降はツッコまれることも増えていく。

▶八百雫空(やおしずく)

年齢:24
身長:159
体格:骨と皮
髪色:ハイトーン系。ベージュが多い。
瞳:紫(カラコン、生来の物は茶色)
誕生日:九月半ば
好きな物:炭酸飲料、シューゲイザー、映画
苦手な物:いろいろ
趣味:キーボード
あだ名:しず、やおちゃん

概要
第三分隊の騎兵。装甲機(装甲騎)の乗り手を務める。
白藤にとっては先輩にあたる。

ワンレンボブに揃えたハイトーンの髪に、骨と皮しかないような身体。
目つきが悪く、常に少し不機嫌そうな表情をしている。
基本的に無口。性格が少々きつめで、白藤に対するあたりも強い。
手足を義体へ置換済み。なお、四肢がすべて置き換わっている人は軍隊の中でも少ない。

治療費を稼ぐために軍へ所属している。
彼女は難病を患っており、四肢を不随として生まれた。
治療のためには手足を義肢へと置換する他なかったが、病気の特性上かなり特殊な義体を設える必要があり、母子家庭の彼女には手術費を用意することが叶わなかった。
そんな折に彼女へ声をかけてきたのが国防軍。彼女の持つ突出した機械適性に注目し、優秀な士官候補生を募る奨励金プログラムへと誘ってきたのだ。
雫空はこれを承諾。軍学校へ入学し、装甲機のパイロットへなることと引き換えに四肢を得た。
当時、16歳。その道しか残されていなかった。

とはいっても自分の環境を悲嘆したりとかは特になく、むしろ高給取りになれたことを感謝している。
あまり良い家庭で育っていないため、素で口が悪い。普段は表に出さないが、他人に対しては結構な頻度で心の中で毒づいている。
給料を手術費用返済に充てているほか、実家にもいくらか納めている。
噛み癖があるため、ストローがべこべこに凹みがち。

趣味でバンドを組んでいる。担当はキーボード。
もともと音楽好きで、特にシューゲイザー(オルタナティブロック)を好んでいた。
かつては楽器を弾くことが出来なかったため聞き専に甘んじていたが、義体への置換後は鑑賞と演奏の両方を嗜んでいる。手足を得た一番の喜びは、自分の手で音を奏でられることだったとか。
ちなみに現在所属するグループは彼女にとって三組目の場所。

戦力として
陸線型装甲機のパイロット。隊内の火力要因。
パイロットとして非常に優秀で、動作の繊細性と圧倒的な反応速度の速さを誇る。さらに機械適正(機械へ『接続』できる適正。高ければ高いほど、エーテル出力が高く操作難度の高い装備を扱える)も非常に高いため、重武装さえ軽々と振り回して見せる。

  • 陸線型装甲機
    歩兵への随伴を目的とした小型の装甲機。全高3.5m。
    装甲騎とも呼ばれる。
    空中母艦からの単独降下が可能であり、その汎用性の高さから戦争を通して最も多く生産された。
    様々なオプション武装を装備可能。コクピットは次世代型の接続機構を備え付けており、計器や周囲の情報を脳内へ直接投影できる(HID:Head-Inside Display, 略称ヒッド)。
    操縦も思考制御式。エーテル波の伝達によって行う。

雫空が高い機体操縦技術を持つのは、装甲機の操縦法が思考制御式であることにミソがある。
彼女は生まれついての不随であり、義体こそが初めて得た手足であった。
即ち彼女にとって、機械は真実四肢であるのだ。

白藤との関係
白藤への印象は「生意気な後輩」。
白藤の甘ちゃんな部分を嫌っている。
だが特殊装備へ接続する点は共通しているため、戦闘においては良き先輩としてアドバイスを施している。
ちなみに波示のことも一方的に嫌っている。彼に対するあだ名は『殻潰し』。

■日陰の君

偽りの皇族。デザイナーズベビー。
霧祓いの主任組織にあたり、共同戦線を張る。

▶ヤマト

「リンドウは、笑わないんだ」
性別:女
年齢:18
身長:158
体格:細身、機械化済みなので体重は重い
髪色:軍艦色、艶やかなショートボブ
瞳:軍艦色
誕生日:8/8
一人称:私
好きな物:ゲーム、炭酸飲料
苦手な物:学校がある日の早起き
趣味:大破壊(オンラインゲーム)
あだ名:姫様、白色(蒸気領からのコードネーム)

概要
『日陰の君』の最高傑作。
『到達する十二』へ対処することのみを考え調整された生体兵器。
脳と脊髄、一部の臓器以外の身体すべてを機械へと置換している。

物語の冒頭、白藤と二人で『エーテルフォール』に巻き込まれ中間領に転移してしまい、そこから脱出する過程で特別な関係を結んでいく。

生きるのが不器用な少女。
人間的な感情を発露するのが苦手で、基本的に笑わない。
またヒトと接する機会が少なかったため、口調も非常に端的。
しかし人として生きる方法を教えられていないだけで感情機能そのものは備わっており、揺れ幅も意外と大きい。慣れた人だと眉毛の上がり下がりで読み取ることが出来る。
その在り方に気付いてしまった白藤は、彼女が人間として生きられる道を固執するようになる。

私生活では少し社会不適合者気味。
日陰の君にも学校へ行く権利は与えられているのだが、彼女は自主的に学校をサボっている。
集団行動が苦手だとか協調性がないと言うよりは、自分に干渉してくる人があまり得意ではないため。
パーソナルスペースが広め。一度受け入れた人は近くにいても苦じゃない。つまり、心を開きにくい。

ゲーム全般が好き。というより競争が好き。
他人に勝つことに固執し、負けた場合は勝てるまで粘り続ける。これは日陰の君に組み込まれた戦闘本能の発露でもある。

戦力として
専用兵装の『白呉』とオーダーメイドの装甲機を駆る。
機術の国における最高のパイロットであり、最強の歩兵。

戦いを「自分の生まれた理由」として処理し、ある種の快感を得るために行っている。
しかし白藤に影響され、徐々に「何かを護るために戦う」ことを覚えていくこととなる。
しかしそれは同時に、失うものを得るという意味でもあった

白藤への感情
日陰の君以外で初めてできた”同世代の友達”。
白藤と過ごした数日間は、彼女にとって最初の人間らしい交流であり、戦争を戦い抜く中でのよすがになっていく。

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