【CSR活動レポート#1】Teacher Aide × リアライブ 人材育成のスペシャリストとともに 未来を作る教員のすがたを考える会
2021年度より始まったリアライブのCSR活動の第一弾が4月27日(水)に行われました。当日は、教員(志望学生)向けに様々な活動を行っているTeacher Aide様と『未来を作る教員のすがたを考える会』と題して、共催ウェビナーを開催しました。そこで今回は、当日のウェビナー内容について振り返りたいと思います。
リアライブのCSR活動とは
2021年度より当期純利益の一部をキャリア教育支援のための寄付またはボランティア活動に充てています。どのような活動を行うか、プロジェクトを発足し、プロジェクトメンバーで決定します。プロジェクトメンバーは公募制で毎年変更します。
第1期生のプロジェクトメンバーはVice President鶴野さん、新卒採用コンサルティング事業部の阿部さん、人材紹介事業部の渡邉(航)さん、マーケティング事業部の市嶋の4名となりました。活動内容の企画構想から完成までMTGを何度も重ねながら、無事に今回の初開催を終えることができました。
登壇者の紹介
未来を創る教員とは、ビジョンを持ち、学び続けられる人
鶴野)
前提として、VUCAの時代における教員の在り方について議論してみるのはどうでしょうか?ビジネスシーンでも絶対正解がない中で主体性を持って行動し、問題を課題化していくことが重要なんですよね。
櫃割)
いいですね!それって教育の現場でも一緒ですね。
鶴野)
自責で捉えて考えられるかどうか。そして、まずはやってみる精神を大事にできるかどうかです!
櫃割)
鶴野さんに率直に聞いてみたかった質問がありまして「教育課程で教えておいてほしい!」と思うことってありますか?
鶴野)
理想論になってしまいますが「自己理解」と「社会理解」を深める教育ですね。自己理解って文字通り、自分を知ることですが、人ってみなそれぞれ違ってしかるべきだと思うんですよね。
今の日本の教育は、個人の強みを伸ばすよりも弱みを克服することに重きを置いているような気がします。人はみな個性や強みを持っています。それらを思う存分発揮できるような環境で人生を歩んでほしいですね。
一方で、社会理解については世の中には様々なビジネスモデルが存在しています。社会ってほんとうに面白いんです。なので、日本の未来をつくる子どもたちには仕事、ビジネスの楽しさを伝えたいですね。
ただ、「自己理解と社会理解をしよう」と言葉で言うのは簡単ですが、実行するのは結構難しいです。だからこそ、時間をかけて、じっくり丁寧に教えていきたいです。
櫃割)
「社会の面白さ・・・」と言われて、ふと思ったのが「教員って社会のことを知らないですよね」と言われることがあるんです。それが、めちゃめちゃ悔しくて。。。でも100%間違っているとも言えないからこそ、子どもたちにも「社会のことを知ろうよ!」と自信を持って言いにくいんですよね。「教育従事者や教員が社会のことを知らないということに対して、どのように克服したら良いのか?」鶴野さんはどのように考えますか?
鶴野)
教員に限ったことではなく社会人には「学び続ける人」と「学ぶのをやめた人」がいます。
勉強をするのは大学生までで、教育者になったら教える側になると考える人がいます。これは社会人も一緒です。しかしながら、社会人こそ、学ぶ量と質を上げていかないと、目まぐるしく変化する社会から選ばれなくなってしまいます。学び続けられる人は、社内だけでなく社外から、たくさんの「ありがとう」の言葉をもらい、選ばれ続けていますね。
櫃割)
「学び続ける人」と「学ぶのをやめる人」の2種類の人がいるとした場合、学ぶのをやめてしまう要因ってどんなものが考えられますか?鶴野さんの経験談があれば知りたいです!
鶴野)
自分が働く意味を失ったときでしょうか。もちろん会社で働くならば、会社や上司から与えられたことをこなすことも必要ですが、それ以上に何をやるにしても自分でやる意味を考え、自分の言葉で語れるかが重要だと考えています。いわゆる「目的・目標を持つ」ということです。
思い返すと、私は26歳までは受け身な人間でしたね。当時は営業をしていたのですが、良くも悪くも営業として良いスタートを切ってしまいました。何をやるにしても、毎回100点ではないものの、80点の合格ラインは必ず超えているイメージです。そのため、目的とか考えなくても上手くいっていました。
そして、27~28歳のときに自分のキャリアについてとことん考えたことがあります。
これらを考えてからは、自分の価値観からブレずに目的・目標を持って仕事に取り組めるようになりました。
私のビジネスマンとしての目標は2つあります。
キャリア教育とは ”生き様” を見せること
櫃割)
もしも、鶴野さんが教員になるなら、どのような教育をしますか?
鶴野)
スキル・知識面の教育だけでなく、人としてのマインド(人間力)を育みたいです。
極端な意見になってしまいますが、どんなに能力が高くても人格が育まれていなければ「この人と共に働きたい」「この人についていきたい」と思えないですよね。つまり、社内外から選ばれなくなってしまいます。
そんな人材は輩出したくありません。時代はめまぐるしく変化しますが、人として正しいこと、正しくないことって本質的には変わらない気がします。
櫃割)
具体的に行ってみたい授業ってありますか?
鶴野)
「キャリア教育」の授業をしたいですね。日本にはキャリア教育の「キ」の字もないと私は考えています。就活で考えると、就活生に対するキャリア教育は就職支援になっているのが現状です。「キャリア教育=就職支援」と解釈すれば、キャリア教育のゴールは内定を取ることになってしまいます。
ちなみに、キャリアの本来の意味って「人生そのもの」「轍(わだち)」なんですよ。つまり、人が生きていくうえで経験してきたこと(成功・失敗両方)すべてです。
誰かと比べたり、誰かから認められるために生きるのではなく「自分のために生きる」大切さを教えていきたいですね。そして、この意味でのキャリア教育は小学校、中学校の義務教育の一環として扱ってほしいです。
別に小難しいことを話すのではなく、例えば、お父さんやお母さんの職場を見学して、働いている姿を見てみるのもいいですよね。このような社会科見学とは、コトよりも人にフォーカスするイメージです。
「この人の生き方や働いている姿は、なんかカッコいいな〜」と思えるかどうか。スポーツの世界でもイチロー選手に憧れて、野球を始めたり、本田圭佑選手に憧れてサッカーを始める子どもたちも多いと思います。
櫃割)
「この人、カッコいいな~」という感情ってどうやって生まれますかね?
鶴野)
その人が生きてきたプロセスを見ることだと思いますね。人って、様々な経験を積む中で意識的にも無意識的にも意思決定を絶えず行っていますが、その背景に人となりが見える気がしませんか?
それを見て「この人の考え方はステキだな~」とか「ちょっと自分には合わないな~」という感情が生まれてくると思います。
ただ、その人の生き方を強要するという意味ではなく、色んな生き方があるってことを知れる機会を作ることが重要です。
Appendix
鶴野さん、櫃割さんのトークセッション終了後には、参加いただいた学生や社会人・若手教員の方を交えて、グループディスカッションを行いました。今回のイベントには、教育に関心がある皆さまにお集まりいただきましたので、参加者皆さまの意見を公開します。
Q)自分の理想が100%実現できる魔法が使えるなら、あなたは誰にどんな教育をしていきたいですか?
Q)今後、社会から求められる教員とは?
参加者のウェビナーの感想
さいごに
今回のウェビナーを終えて改めて「あるべき教育の在り方って何だろう?」と考えました。
リアライブに入社して6年目を迎えましたが、就活生の自己理解が足りない、社会理解が足りないから「もっとこういう教育をすべきだ」「大学は、就活支援会社はもっとこうあるべきだ」と指摘される方が多いと感じています。Twitterでもそのような投稿はよく目にします。
しかし、今の教育現場や就活の構造について、間違いを指摘したところで根本的な問題解決につながっていくのでしょうか。
もし仮に、自己理解や社会理解を促進する教育が少ないのであれば、本当の意味で新たな自分を引き出してくれたり、社会の面白さを教えてくれたりする人と出会えたときにワクワクしたり、働くことに対して前向きになれたりする瞬間を生み出すことができます。
実際に、ほんのちょっとしたきっかけで、人が変わる瞬間を何度も目にしてきました。そして、人が変わる要因は無数に存在します。
人材業界として、企業と求職者をマッチングさせる役割を果たしていきながらも、そのマッチングに至るまでのプロセスにもリアライブらしい想いやこだわり、ストーリーを込めて、これからもたくさんの人の背中を押せる会社を目指してまいります。