住宅の取得に係る税制(過去問から)

令和元年 第27問からの出題

居住用財産を譲渡して、住宅ローンにより居住用財産を取得し、その譲渡について損失が生じているときに、住宅ローン控除と譲渡損失の繰り越し控除を併用する場合は、譲渡の措置と翌年以降3年間は譲渡損失の繰り越し控除を優先し、適用期間の残りの年に住宅ローン控除を適用する。

→答え:適切。

令和元年12月31日までに住宅ローンのあるマイホームを住宅ローンの残高を下回る価額で売却して損失(譲渡損失)が生じた時は、一定の要件を満たすものに限り、その譲渡損失をその年の給与所得や事業所得など他の所得から控除(損益通算)することができる。さらに損益通算を行っても控除しきれなかった譲渡損失は、譲渡の年の翌年以後3年内に繰り越して控除(繰り越し控除)することができる。これらの特例を、特定のマイホームの譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例といい、これらの特例は、新たなマイホーム(買換資産)を取得しない場合であっても適用することができる。また、この特例と住宅借入金等特別控除制度は併用することができる。従って、譲渡損失が繰り越されている間は所得税額が発生しないため、住宅ローン控除は残りの年以降適用できることになる。

特例の適用要件は次のとおりである。

⑴ 自分がすんでいるマイホーム(譲渡資産)を譲渡すること。なお、以前に住んでいたマイホームの場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること。また、この譲渡には借地権の設定などの譲渡所得の基因となる不動産等の貸付が含まれ、親族等への譲渡は除かれる。

(注)住んでいた家屋または住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の3つの要件全てに当てはまることが必要である。 

イ・取り壊された家屋およびその敷地は、家屋が取り壊された日の属する年の1月1日において所有期間が5年を超えるものであること。

ロ・その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること

ハ・家屋と取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していたないこと。

⑵ 譲渡の年の1月1日における所有期間が5年を超えるマイホーム(譲渡資産)で、日本国内にあるものの譲渡であること。

⑶災害によって滅失した家屋で当該家屋を引き続き所有していたら、譲渡の年の1月1日において所有期間が5年を超える家屋の敷地の場合は、その敷地を災害があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで(住まなくなった家屋が災害により滅失した場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで)に売却すること。

⑷譲渡したマイホームの売買契約日の前日において、そのマイホームに係る償還期間10年以上の住宅ローンの残高があること。

⑸マイホームの譲渡価額が上記⑷の住宅ローン残高を下回っていること。

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