ワンコ雪国デビューする
ニセコで初めての朝を迎えた。時計は6時。リビングからぼんやりとした雲に覆われた羊蹄山が見える。新潟のような重い空ではなく、所々青空も見えるけれど快晴でもない。ほどよい放射冷却で外の気温はマイナス9度。夜の間に下げていたストーブの温度を上げて、ワンコの散歩の準備をする。私は裸足で長靴状のスノーブーツを履き、ダウンを羽織る。お散歩に出発だ!
1階の防雪室を開けたら雪が舞い込んで来た。昨晩も5センチほど雪が積もったみたいで丁度防雪室入口の段差と同じくらい雪が積もっている。スコップで雪かきをするほどでもない気がするけれど、また積もるだろうし、とりあえず除雪しようとスコップに手をかける。「いた!」と思わず痛みを感じるほどスコップの取手が冷えていた。これは冷たすぎて素手では触れないと、ワンコの散歩に行く前に家に引き返して手袋を装着。どうやら外に出る時は手袋が必須だと悟った。
長靴が地面に付く度にフワっと雪が舞い上がり、ワンコの鼻息で雪がふわふわと飛ぶ。さすがニセコのパウダースノー。街中でこの雪質なんて感動もの。スコップを使って除雪をしようとしたけれど、玄関に置いてあったほうきで雪を掃くだけで今朝の除雪は済んだ。たまにのぞく太陽がどこからともなく舞う雪を照らす光景はきれいとしか言いようがなくて、この自然の中で過ごせることに本当に感謝しなきゃって思った。
うちのワンコは南国のワンコなので雪国はきついかな?と思っていたけれど古今東西ワンコは雪が好きらしい。喜んで駆け回って鼻をふんふん鳴らして雪が舞うのを楽しんでいた。たまに私を見上げて目を輝かせている。「見た?見た?これ、フワフワするよ??」と話かけてきているようだった。
お尻から踏ん張って出て来たモノはすぐに回収しないと固まってしまう。飼い主として回収技術を磨く必要がありそうだった。倶知安の人たちも犬のモノは回収しているようで、マナーの悪い飼い主には会う事はなかった。犬のチーは東京のようにお水をかけて流さず、雪に黄色い模様が残ったままでワンコが通った後の雪玉に黄色いお印が付いていた。犬の高さに電柱とか雪に覆われていないものが基本はないので、犬は除雪車が落とした雪玉によくチーをしていて、雪玉でいいの?とちょっと笑えた。
ワンコの足が寒そうだからブーツでも買って履かせてあげようかと思ったけれどそれは飼い主の勘違いだったらしく、ワンコは裸足で散歩を楽しみ、家につくとストーブの前の一等地でゆっくりとくつろいでいた。東京よりはるかに広い家で、はるかに伸び伸びと過ごすのかと思ったら、数日は私達がでかける度に不安そうにしていて、この知らない家においていかれたらどうしよう、と思っている様だった。
出かける際は「お留守番」と言って聞かせたけれどお留守番だから絶対帰ってくるとは思えなかったようで、我が家で一番ホームシックになっていたのは、ワンコだった。なのでワンコに気を使って散歩の回数を頻繁にしていたら、ご近所に犬の散歩見知りが沢山できた。
レンタカーは犬を乗せていけないので、ワンコは基本家でお留守番。でも春までこの美しいニセコをワンコも楽しんでもらいたいと思った。
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