見出し画像

ぼんやりとした月にむけて

家にいると1人になれなくて、貴方とお話できないから夜にお散歩に出ました。

20時から2時間ほどのちょっと長めのお散歩。貴方は夜のお散歩は危ないって言うけれど、人が少なくて貴方とのお話を楽しめるあの空間が私は好き。

言葉足らずですぐにすれ違って、お互いに傷ついて傷つけているけれど、いつも夜には電話してくれてありがとう。
貴方が私を大切に思ってくれていることはずっとずっとわかっているの。


昨日の夜は空が曇っていて、星は全く見えなくてそれでも空を見て歩いていたの。
月が見えた時に、同じ月を見てるよって言われて、私はこの人が好きだなって思いました。当たり前のことを言っているだけなのにね。

こんなに遠くで暮らしているのに空はもっと広くて、私達は同じ空を見て、同じ月を見ていて、綺麗だねって伝えられる。こういう些細でどうでもいいようなことが私にとって大切な記憶になるの。


いつか貴方が伝えてくれた言葉に、私は「はい」と言えなくて、それが貴方を傷つけてしまったであろうことも分かっていて、どうすれば良かったのかずっと考えていたの。
その時はきっとそれが最善だった。だから許してほしい。

私が昨日伝えた気持ちは、貴方にしっかり届いているのかな。
私は自分から伝えたことなんてなくて、相手から伝えられた時も、LINEで、ベッドの上で。

だからびっくりするくらい言葉が出なくてずっとうじうじしちゃったな。

昨日の月は大きくて、雲で少し霞んでいて、なんだか貴方みたいだったから、月に向かって伝えていました。

伝えてしまえば、どちらにせよ、ふたりの関係が変わってしまうから、だからきっとみんな緊張するし、諦めてしまうのだろうな。


所詮口約束のこの関係を、貴方が居なくなってしまうまで続けていけるかな。
貴方が居なくなるより先に、この約束を更新するのかな。

それはまだずっと先のお話で、今は春まで待つことなく前に進んでしまった私達を許してもらおう。


昨日零した
貴方より先に死なないよって言葉は、約束するよ。

貴方が私の抑止力ってことだから、貴方だって簡単に死なないでほしい。

ふたりで死ぬために、ふたりで生きていこう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?