初めて見たNBAファイナル

私が初めて見たNBAファイナルは、1995年のオーランド・マジック対ヒューストン・ロケッツです。
ロケッツはディフェンディングチャンピオンで、アキーム・オラジュワンやクライド・ドレクスラー、ケニー・スミスなど百戦錬磨のベテラン揃いのチームでした。
対するマジックは、シャキール・オニールとアンファニー・ハーダウェイを筆頭に若さと勢いのあるチームでした。

しかし、この年のロケッツは怪我人が続出し、レギュラーシーズンを47勝35敗で終え、ウェスタン第6シードで連覇が危ぶまれていました。
一方のマジックは57勝25敗でイースタン第1シードと絶好調で、初優勝を期待されていました。

第1戦は序盤マジックのパワーが炸裂し、前半は一時ロケッツに20点リードしていました。
このまま行けばマジックの圧勝かと思ったが、そうそう甘くはありませんでした。

後半になるとロケッツの逆襲が始まり、あっという間にマジックに追いつきました。
反対にマジックは冷静さを失い、無駄な長距離シュートを連発しことごとく外していました。
それでも何とか踏ん張り、残り10秒でマジックは110対107でリードしていました。

そこで、状況がおかしくなり場内は異様な雰囲気に包まれました。
ニック・アンダーソンはフリースローを1本目、2本目と立て続けにミス。
ミスしたボールをアンダーソンが取り、ファウルされてまたフリースローに。
今度も1本目、2本目とミスし、何と4本連続でフリースローを外したのです。
アンダーソンはパニックのあまり顔面蒼白になっていました。
1本でも決まっていればマジックの勝利は確定していたのに。
その後、アンダーソンは自信を喪失し、二度と元の自分を取り戻すことはありませんでした。

ロケッツはチャンスを逃さず、ケニー・スミスの3Pシュートで同点に追いつき、110対110で延長戦に突入しました。
延長戦は一進一退の攻防でしたが、最後にオラジュワンがタップしてシュートを押し込み、120対118でロケッツが勝利を手にしました。

その後、ロケッツは全ての試合に勝利し、4勝0敗でロケッツの優勝となりました。
ロケッツの優勝は「奇跡の2連覇」と言われ大きな話題となりました。
というのもロケッツは第6シードであったため、ファーストラウンドから強豪と戦わなければならず、ホームコートアドバンテージなしという圧倒的不利な状況を跳ね除けての偉業だったからです。
ヘッドコーチのルディ・トムジャノビッチは「チャンピオン魂をみくびるな!!」と発言していましたが、そこにはチャンピオンとしての自信と余裕を感じました。

NBAファイナルでは毎回新たなドラマや感動が生まれます。
もうかれこれ20年見ていますが、TVに釘付けになるほど熱くなります。
あんなプレーやこんなプレー、アンビリーバブルな名場面を数え上げたらキリがありません。

はたして今年のファイナルではどんなドラマが生まれるのだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?