薔薇の死体の中にようこそ
気分は上がったり下がったり。沼の上を踊る枯葉の様だ。少しでも安定させるには、雑文を描かねば、等と。
スイミィスイミィ「SECRET EYES」
RAM RIDER×田村ゆかり とかほんと好き。ただこれが会場限定のCDなのが本当にいやだ。欲しいのに!
欲しいのに手に入らないと言えば、
https://www.youtube.com/watch?v=rWTiJCR4m_8&list=RDqDa8Q3hUDIY&index=9
F.F.C./ アイラミツキ (short ver.)
これ、「LIGHTSAVER」のCDのカップリング限定なのに、そのCDが売り切れでこの曲のフルバージョンが聞けない……つらい…
テクノポップを聞いていると、やっぱ元気出る。電子音はいつも俺に優しい。
優しい映画、『ブエノスアイレス』のドキュメンタリー版『ブエノスアイレス 摂氏零度』を見る。
特に新しい発見があるわけでもなく、でも楽しい時間を過ごす。気恥ずかしくも楽しい恋、恋人たち。
ダグラス・サークの『心のともしび』を見る。
あらすじは
大金持ちの道楽息子・ボブ(ロック・ハドソン)は湖でモーターボートの事故を起こすが、近所のフィリップス医師の自宅から借りた人工呼吸器のおかげで九死に一生を得る。しかし、人工呼吸器を貸し出したためにフィリップス医師は持病の発作で亡くなってしまう。 入院先の病院から抜け出したボブは偶然フィリップス医師の妻ヘレン(ジェーン・ワイマン)と出会い、 フィリップス医師の死が自分のせいであることを知る。 自責の念にかられたボブは何とか和解したいとヘレンに迫るが、そのためにヘレンは事故に遭い、失明してしまう。
とかだが、こんなのは読まなくていいし、どうでもいい。本当に、この人位にメロドラマをうまく撮れる人っているのだろうか? とか思うくらい、ひどい脚本、凡庸でご都合主義な展開がほとんど気にならないで、最後まで見通してしまう!
人間の情感を撮るのがとてもうまい。その上、衣装やセットがとても美しい。カメラワークや、構図もばっちり。文句を言う部分がない! 愚かな恋をしてしまう人々がこんなにも美しいなんて! 人間が美しいなんて思ってしまうなんて!
ハリウッド映画万歳アメリカ万歳!ってな気分になる。
新しい刺激を欲しながら、でも見知ったものに甘える、或いは、もう、自分が好きなのは過去の人々の中ばかりなのだろうか。まさか、そんなわけはないのに。草生した地下墓地を、棺の中で眠る聖者を、まだ俺は愛そうと、俺は虚しい陶酔に身を投げようとする。それらはかぐわしく、そしてすぐに霧散する。
ジャン・ジュネの『薔薇の奇跡』を再読。ジュネの文章はつまり恋文であり詩であるから、いつでも楽しいし、ぞくぞくする。喉元に性器に口づけするように刃を押し付ける盗人、悪漢。ひどいことをされたい、ひどいことをしてやりたい好きな人にはきっと。美しい物には賛美を頌歌を。美しいと言えないとしたら、もう、口がないのと同じ。
500ページを越える分量なのでまだ半分しか読めてないのだが、特に好きな個所を抜粋する。
相手に苦痛を与える為に戦うのはこっけいなことに思えた。相手を辱めればこちらの気は済んだかもしれないが、たとえ相手を支配することになっても、相手はちっとも恥に思わなかっただろう。というのも、勝利者はほとんど栄光など手にしないのだ。ただ戦うという行為が尊いのだ。 (123P)
僕は鷲、軍艦、軍艦の碇、蛇、スミレ、星、月、太陽を刺青した男たちを見た。その種の紋章を首まで、いやもっと上までいっぱいに刻んでいるのもいたこうした図柄が新たな騎士道にしたがって彼らの上体を飾った。(281P)
いつ読んでも、ジュネの言葉は馬鹿らしく愚かで美しくぞくぞくする。彼が本気で美を理解して(つまり彼は自分の美意識を持っているということだ)それを愛しているからなのだと思う。本気で何かを愛するなんて、こっけいで常人には務まらないだろう。でも、彼はそれをしてしまうのだ愚かにも輝かしくも。
ただ、いつでも、『私の美の世界』に『甘い蜜の部屋』にいられるわけではない。俺は金持ちのホテル暮らしなんじゃない。ルームサーヴィスなんて頼める身分じゃない。支払いは時間は待ってくれない。
それでも、酔えますように。安酒でよっぱらって、いろんなことがどうでもよくなって、ジャンクフードと携帯ゲーム機が友人だとしても、それでも美しいと言える日は多いにこしたほうがいいきっと。
生活費、及び返済に充てます。生活を立て直そうと思っています。