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OTOMAD TRIBUTEのはなし

「OTOMAD TRIBUTE」という音MAD合作に参加させて頂きました。
僕はビガビガ(0:00~0:13)の映像、ゆっこのチャレンジャー(1:19~1:52)の音声と映像を担当しています。

元動画もぜひご覧ください


【制作後記】
どちらの映像も、もとの構成や雰囲気は維持したまま新しいアイデアを加えようと意識しました。制作し始めた当初は、既にクオリティの高い動画を僕なんかが改めて作り直してしまってよいのだろうか(かえって質の低いものが出来てしまわないか)?と不安を抱えていましたが、結果的には自分の想いやアイデアを形にすることが出来たので満足しています。


・「ビガビガ」パートについて
合作の最初のパートということで、ゆっくりと幕が上がっていくようなイメージの映像にしました。

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導入は元動画にならってシンプルな編集を意識しました。

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その後、キャラクターをシルエットにしてロゴを大きく表示させ、合作の始まりを堂々と宣言するような構成にしました。
この辺りは運営の方からアドバイスを貰い、ロゴの配置や背景の色調を何回か調整しています。

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元のデジモンOP映像に準拠しつつ、フェードで切り替わった後の背景画像はOTOMAD TRIBUTEオリジナルのものを使いたかったので一連の動きは最初から切り抜いています。全身が映ってからの走る動きはループさせています。

余談ですが、背景にある宇宙のイメージと奥に伸びるグリッドはそれぞれ別で動かしていまして、これはメインビジュアルのデータをpsdファイルで送って頂けたのが非常に助かりました。合作でロゴやメインビジュアルを共有する際は、出力した画像ファイルだけでなくプロジェクトファイルも一緒に渡したほうがより自由に扱えるので便利です。


「ゆっこのチャレンジャー」パートについて
ビガビガもさることながら、こちらも元動画の時点でかなりクオリティが高いのでどうリメイクするか非常に悩みました。そして悩んだ末に、「構成は踏襲しつつもオリジナルの展開を取り入れる事にしよう!」という考えに落ち着きました。今振り返ると安直な考えですが、その割には頑張ったような気がします。

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まず、主な登場人物を2人から4人に増やしています。水上麻衣と相生祐子の個人的なやり取りを、長野原みおと東雲なのを加えることでより広い友人同士のやり取りに変え、そこから独自の展開を広げようとしました。
「作打ち☆HAPPY」パートからの繋ぎは、「アニメの作打ち(作画打ち合わせ)」から「マンガの原稿作業」という、クリエイター繋がりのシチュエーションで関連性を作っています。長野原みおの「一気に進めるよ!」というセリフと共に、映像もアメコミ風のカラフルなものから、漫画を彷彿とさせるモノトーンの色調にガラッと変更してから次のパートへと移っています。

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構図が対照的で嬉しいね


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序盤は「漫画の原稿作業」というシチュエーションに則り、元動画では水上麻衣がプリントを前後に動かすだけだった所を、実際に紙を受け渡す動きに変更しました。
手元しか映っていない事を活用して、他のキャラクターの音声を重ねる事で同一のシーンでも別の人物が映っているように見せています。手抜きじゃなくて作業の効率化です!!
加えて、シチュエーションの変更に伴い場所も時定高校から東雲研究所に移動させたので、背景も教室から東雲家の机に変更しています。

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元のシーン(第3話、ED後のCパートより)

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東雲家の机の天板(アニメを参考にして描きました)


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後半は「作業中にふとしたキッカケで東雲なのの手が吹っ飛んでその場がめちゃくちゃになる」というシチュエーションになりました。元動画の大きな見どころでもある、様々なオブジェクトが舞う様子をワンカット撮影風に巡っていく演出を、原作アニメ(ないし漫画)にぐっと近付けた内容にしようと意識しました。

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ワンカット撮影風の映像を作るのは初めてで、しかも平面の画像を奥行きのある空間に見せるのにはとても苦労しました。画像をそのまま平面で扱うと、スケール感や画面の構成を調整するのが非常に面倒なんです。

なので

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疑似的に3D空間を組んでその中をカメラ制御で動き回っています。

たぶんこういうのやるにはAviUtlよりも向いてる編集ソフトがある。


シチュエーションの具体性を強めるため、背景には東雲研究所の内装の画像を配置しています。

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背景01

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良さそうなシーンを選んだ後、必要があればレタッチ作業をして、映像に使う上での余計な要素を無くしています。


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レタッチ作業前の画像の一つ はかせごめんね


話が若干逸れますが、他にも色々レタッチで素材を補完しているのでここで紹介しておきます。

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これを

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こうしたり

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これを

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こうしたり

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これを

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こうしたりしました

レタッチ作業を音MAD制作に取り入れるとそれだけで素材の幅が広がるので、ペンタブレットや画像編集ソフト等の環境が整っている方はぜひやってみてください。3Dモデリングとかそういうのよりは楽ですし。


話を戻しまして、

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疑似的に組んだ3D空間を主観的な視点でぐるぐると動き回る事でワンカット撮影風の演出をなんとか表現出来ました。宙に舞うオブジェクトも気合を入れて沢山切り抜きました。(ビガビガの切り抜きも含めると今まで参加した合作でいちばん画像を切り抜いていました)


今回の表現をやるにあたり、頭の中にイメージを残したままだと他の事が考えられなくなって不都合だったので設定資料を描いたりもしました。

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またまた余談になってしまいますが、合作や企画で他人に進捗を報告する際にこういった設定資料や絵コンテ、映像コンテを作っておくと、実際に形にするよりも早い段階でイメージを共有出来るので運営や主催の方の不安を減らすことが出来る…と思います。
今回の合作もそうだったんですが、最近は主催側から「もっとこうしてほしい!」と修正のお願いをされることが増えたので、こういったイメージ共有のやりかたをオススメしたいです。「完成させたものの主催からの修正依頼で構成をイチから練り直し」という事態も回避できるので……


話を戻しまして、

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「ホモのゴローリィ64 ボス戦」パートへの繋ぎは、「つくってワクワク」も「日常」も共にNHKで放送していた、という事実から関連性を見出しました。水上麻衣の描いた屈強な男のイラストをワクワクさん風に描き換えて、右下にはおなじみの「終」のロゴを添えています。

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チャンネル変えたはずなのに局が変わってないのは大目に見て下さい。


【合作を終えて】
制作していた時期にこうした文章を書くことを想定しておらず、薄れつつある記憶をなんとか引っ張り出して書けることを書きました。

「リメイク合作」という今までになかった趣旨の企画で、はたして僕なんかが参加しても良いのだろうか…?と不安を抱えていましたが、日常も音MADも両方好きだったので、なんだかんだ自分がやるに相応しいパートを担当させてもらえたのかな、と思います。もしこうした合作が10年後くらいにまた企画されたら自分の作った音MADが選ばれてほしいです。それまで精進します!

運営ならびに合作参加者の皆様お疲れ様でした!楽しかったです!



・おまけ
「ゆっこのチャレンジャー」パートでなんで中村先生が居るの?と疑問に思った人へのはなし

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中村先生が東雲研究所に侵入するエピソードはアニメだと1回しか描かれてないんですが、原作ではたびたび東雲研究所に出入りしてるので入れました。

そもそも今回音MADで設定したシチュエーションは、時系列として「長野原みおが漫画を描いていると公言した後(単行本5巻「日常の56」,アニメ第20話「日常の86」)」から「数年後の時定(単行本9巻「日常の172」)」の間を想定しています。アニメではこの時期の内容を描いていないので、今回の合作ではただのリメイクではなく「日常の音MAD」としても新しい見せ方が出来たんじゃないかな~と勝手に考えてます。IFの物語を作ったので実質二次創作です。
(この辺りのこだわりは原作を見てる人に伝われば良いという程度のものなので、分からない人は分からないままで大丈夫です)

改めて、運営ならびに合作参加者の皆様お疲れ様でした!
動画を視聴して下さった皆様もありがとうございます!
まだ見ていない方はどうぞよろしくお願いいたします!


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