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障害者雇用における「平等」の、求職者と会社のズレ

どうも、こんにちは!
半額です。

「平等」という概念が
非常に怪しいのが
障害者雇用の世界です。

「障害があっても
普通の人と同じように
生活できる社会を…」

と言われても、
ハローワークで見ることになるのは
大量の最低賃金の求人です。

一言に「平等」といっても、
世の中には様々なアプローチがあります。

今回のテーマは、
「障害者雇用における平等」です。


筆者について

  • 発達障害当事者

  • 公的・民間問わず多数の制度や割引を活用している

  • 職業に関する制度や給付を全力で活用して生活している

  • 福祉制度を探ることが趣味と化している

「平等」は2つに大別できる

まず、世の中の「平等」を目指す
アプローチについてです。

方法はいろいろありますが、
大きく分けて2通りです。

  • 一切の(有利も不利も)差別をせず、結果だけで比較する

  • わざとハンデを付けて、そのうえで比較する

それぞれ、解説していきます。

1.一切の(有利も不利も)差別をせず、結果だけで比較する

まず1つ目です。

こちらは、有利な状況も、不利な状況も
一切考慮せずに
結果だけで比較するものです。

挑戦の機会を平等にするものです。

例として、ペーパーテストの点数があります。

障害があるからといって、
大学入試の共通テストの点数は
嘘をつきません。

全く立場が違う人であっても、
同じ答案を提出すれば、
同じ点数が返ってきます。

2.結果が近くなるように、わざとハンデを付けて、その上で比較する

こちらは、有利な状況と不利な状況を考慮し、
その差に応じてハンデを付けて、
結果が平等になることを目指すものです。

テレビ番組の企画で、
芸能人が達人に挑むために
芸能人に有利な条件で
勝負することがあります。

そのまま勝負すれば、明らかに負けます。

現実の例として、社会福祉があります。

障害者は税金制度において
有利な取り扱いを受けられます。

これは、
「障害があるから、働くのが大変だし、
医療費などの出費もあるから
税金を安くしてあげるね」
というものです。

現状、障害者雇用が目指しているのはハンデを付ける方法

障害者雇用に限らず、
日本の障害者福祉は
後者のハンデを付ける方法を取っています。

障害に対する合理的配慮が
義務付けられていたり、
法定雇用率によって
障害者を雇用することが
強制されたりしています。

一般に、会社が目指している理想はハンデを付けない方法

しかし、会社が
たとえ建前であっても
目指している理想は、
全員にハンデを付けず、
その成果で評価する方法です。

実際はかなり怪しいですね。

現在の能力に差がなくても
その他の社会的要素などで
評価は変わってきます。

両方の考え方が対立した結果、現状がある

障害者に雇用の機会を与えているのは
ハンデを付ける考え方です。

障害があるから、配慮をします。

悲しいかな、一般に、それは
簡単な仕事を割り振ること、として
解釈されています。

しかし、待遇を決めているのは
ハンデを付けない考え方です。

障害があるからといって、
業務成果に妥協はできません。

障害が理由で、事務作業しかできない場合は
事務作業以上の待遇は
与えられないのです。

なぜなら、評価が平等でないからです。
同じ仕事をしている健常者と
評価が平等でなくなってしまいます。

現状、障害者と会社の理想にズレがある

障害者としては、
「健常者と平等に仕事の機会、評価がほしい」
「障害に対する配慮がほしい」
と望んでいます。

一方、会社は
「平等な機会、評価がほしければ、
健常者と同じ扱いをしなければならない」
「配慮を必要とするなら、
その分機会と評価は減らす」
と考えています。

この2つの考え方には、
ズレがあります。

そして、立場として、
会社のほうが圧倒的に強いです。

配慮を必要とするというなら
簡単な仕事を割り振りたがります。

障害者からすれば
「配慮を必要とする障害者雇用では
挑戦の機会が与えられない」
「職種が制限されている」
となります。

まとめ

  • 「平等」は2種類あるよ

  • 有利でも不利でも関係なく評価するもの、それを考慮してハンデを付けるものがあるよ

  • 求職者と会社では「平等」にギャップがあるよ

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