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6.事故っちゃった時の話

教祖百三十年祭の年祭活動当時の過去話です。季節は冬。失敗談です。というか、基本的に私が言葉を紡ぐときは、うまくいかなかった時のことばっかり。

二月。
私はツルツルの雪道を法定速度内のスピードでゆっくり車を走らせていました。後部座席には三歳になる長男をベビーシートに載せていました。

すると、ちょっとだけ見通しの悪い十字路で、私から見て右方向から一時停止すべき場所を無視し、そのまま直進して私の車の前を強引に横切ろうとする車が勢いよく飛び出して来ました。

…うわ、コイツ、出てきやがったーっ(; ・`д・´)(゚Д゚;)‼

慌てて急ブレーキを踏むピーナッツ。
しかし無情にも、ツルンツルンのアイスバーンは僕の運転する車の足を停めてくれることはなく、衝突事故を起こしてしまいます。

この時点で、優先側の道路を走っているこちらが実質被害者です。
幸い私や息子に怪我はなく、車の破損も正面バンパーがはずれてはしまっていましたが、比較的軽微。

私は内心(しまった…)と動揺を隠せずにいました。
というのも、ここに来る前、教会から出かける時に、いつもなら欠かさずしている神殿で「行ってきます」の参拝を、少々急いでいたこともあって珍しくすっ飛ばして出てきたからです。そのことが私の頭をよぎっていました。

もしも、そのほんの一、二分の行動を面倒くさがらずにやっていたら、その分だけ時間がずれてこの交通事故自体がそもそも起こらなかった筈だったのです。

そんな風に刹那的に気落ちしながら車を出て相手に声をかけると、向こうは大学生でした。こちらが被害者とはいえ、信仰者らしい誠実な態度で相手に接しようと心を穏やかにし「大丈夫?」と声をかけると、あらびっくり。

彼は全く悪びれる様子もなく、「やべー、バイトに間に合わねえよ」などと、煙草に火をつけながらあからさまに迷惑そうな態度(いや、お前の不注意が原因ではあるんだけどな)。

そしてなまじ自動車や事故や保険などに半端に知識がある様子で、なにか専門用語を並び立てながら、保険屋を通さずにこの場の当事者同士の痛み分け示談に持っていこうとしているので唖然としていました。

埒があかないので警察を呼んで間に入ってもらいましたが、
「怪我人もないし、後は当事者同士で話し合ってください」
とおまわりさんは早々に退散。

学生は二本目の煙草を取り出し私に向かって
「火、ないっすか?」 
の一言。不誠実な彼の態度を注意すると、私にきこえるように舌打ち。

車内ではそんないざこざなやり取りを見守る幼い息子。
不遜な態度とはいえ相手はまだ学生。
こちらは天理教マン。一応、布教師。

あぁ、神様…ここで声を荒げたら、それは“はらだち”のほこりになりますか?

【2012.3】

ちゃんと参拝してから出かけとけば、何にも困ったことにはならず、無難に済んだんだよね。だけど、そんなことの大切さを小難エピソードで気づきを与えてもらったという、大局的には成長させてもらえました、という話しでした。失敗談は学びの宝庫です、まったく。

ちなみにこの後、妻が駆けつけ、学生の胸ぐらを掴んで
「うちの息子が乗った車になにしてくれとんじゃワレー‼」(俺はいいのかい('◇')?)と、羅刹の如きえぐい剣幕で学生を詰め寄り、それにびびった彼が急に態度を改め出したというオチもありました( ´∀` )ウケる。

いや~、誠実さだけでは乗りきれないことも往々にあるんですよね‼
読んでくださりありがとうございました。
それではまた('ω')ノ

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