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アサシンクリードシャドウズと批判的人種理論


今、アサシンクリードシャドウズというゲームが界隈で話題だ。


アサシンクリードシリーズ(以下アサクリ)はシリーズ第1作が2007年の発売で、現在も続いている世界的人気を誇るビデオゲームだ。


私も初代を遊んでその革新的なゲーム性に衝撃を受けて以来、最新のミラージュまで主要ナンバリングは大体プレイしているファンである。


アサクリがどんなゲームかと言うと、一言で言えば忍者ゲーであり、11世紀の中東を舞台に、マルコポーロの伝説「山の老人」をモチーフにした暗殺教団(アサシン)の活躍を描いたものだ。

現在隆盛を誇るオープンワールド型ゲームのパイオニアの一つであり、緻密な時代考証を伴って再現されたエルサレムやダマスカスをフリーラン出来るというシステムに初めて触れた衝撃は今でも忘れられない。

そのタイトルが、忍者との相性の良さからシリーズ初期より囁かれていた日本舞台の作品を、今般満を持して発表となった。


大炎上である。


何が炎上しているのか。

男性主人公が

黒人


なのだ。

この設定の賛否を巡って、海外のネットでも大炎上。日本でも賛否両論の激論が交わされている。



主人公は「弥助」という歴史上の人物で、実際に戦国時代に織田信長に仕えていた事は記録にあるらしい。

だが調べてみるとイエズス会の宣教師の従者として来日し、信長が珍しがって譲り受けたと言う事だ。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/弥助


要するに「奴隷」であり「侍」ではない。

「ゲームなんだから、楽しければ別にいいじゃない。」

という主張も多いが、

はっきり言って

能天気

お脳がお花畑

だ。


昨今の欧米、特にアメリカでは

「批判的人種理論」

に基づく

アイデンティティポリティクス運動


が社会を席巻しており、ポリティカルコレクトネス(ポリコレ)の猛威が文化社会を侵食している。


「批判的人種理論」とは、70年代にアメリカ新左翼運動のバイブルとなったマルクス主義、フランクフルト学派のヘルベルト・マルクーゼらが提唱した「批判理論」をベースにした左翼理論であり、その目的はマルクス主義革命の成就と共産主義社会の実現だ。


その主な主張は以下の通りで、
アメリカで人民による革命が起きないのは、抑圧者たる権力者「白人」が政治・経済・社会・文化を支配しているからだと言う。

白人が支配者(古典的マルクス主義で言うブルジョアジー)であり、その様な社会にある全ての文化・伝統・法律・教育・歴史はすべて白人優位で歪められているとする。

その為、真の平等なマルクス主義社会を実現する為には、白人が構築した全ての文化、社会的規範を絶えざる批判を通じて破壊しなければならない、とする。

更に、その社会で暮らすマイノリティ(女性やLGBTなど)も白人優位思想に基づく抑圧を受けているのだから、彼らの憎悪も煽り、全てを交差(インターセクショナリティ)させて、アメリカの伝統・文化・歴史を破壊する。


なので人種問題だけにとどまらず、白人社会が作り出している社会的軋轢、不満は全て白人優位主義によるものだとし、民族差別、LGBT、女性、等々の差別を糾弾する運動へと繋がっていく。


その様にしてLGBT運動、ジェンダーフリー運動、多文化共生運動に波及し、
アンティファ、BLMなどの過激派暴力運動もこれに含まれる。


この運動で特に特筆すべき点は、

歴史修正主義

である。
現在のアメリカの正史は、「白人優位」で歪められているため、「正しい歴史」に修正しなければならないと言う。

その影響は多岐に渡り、特にニューヨークタイムズ主催で推進された「1619プロジェクト」などは、アメリカの建国日を1776年とするのではなく、黒人奴隷が初めてアメリカ本土に上陸したとされる1619年としようとする運動で、歴史的にアメリカを建国したのは白人である事は疑い様がないのに、それらの功績を無視して、各地で建国の父の銅像破壊教科書の書き換えが進行しているのだ。


そんなジョージ・オーウェル「1984」ビッグブラザー顔負けの歴史修正主義が横行しているのだ。


この様な背景があることを考えると、今回のアサシンクリードシャドウズの弥助の設定は、アイデンティティポリティクス運動による文化的侵略行為と言って良いだろう。

AIで作られた黒人の侍の“証拠写真”



設定の元が、アイデンティティポリティクス運動によって書かれた歴史考証が極めて出鱈目なトンデモ本「AFRICAN SAMURAI 」に基づいていることや、脚本に日系の女性LGBT活動家が関わっている点からもそれは明らかだ。



弥助の詳細な設定はまだ明かされていないのでどの様な立ち位置なのかはわからないが、鎧兜を着て日本刀を抜いて戦っているのでどう転んでも擁護はできまい。


アサクリは緻密な歴史考証が売りのゲームで、数作前からはディスカバリーモードという歴史散策に特化したゲームモードを搭載し、専門家にも絶賛され公教育にも取り入れられている例もある。(オリジンの古代オリエントの再現やミラージュの7世紀のバグダットなど)


その様なゲームが、しかも一応は歴史的に実在の人物を大々的に修正して、当時存在しなかった「黒人の侍」を主人公として描くという事は、控えめに捉えても歴史の改ざんで、その影響力を考えると、世界に間違った日本観を流布するものである事は明白だ。

はっきり言って日本人に対する文化的愚弄である。



そもそもアイデンティティポリティクスの文脈で考えるのであれば、アジア人を差し置いてなぜ黒人が主人公になるのか。

これこそアジア人に対する人種差別ではないのか?


アメリカでの潜在的人種カーストは

白人>黒人>>ラテン系>>>>>アジア人


だと言う。
白人は黒人を差別するが、黒人やラテン系はアジア人を平気で見下すそうだ。


アジアの、しかもほぼアジア黄色人種単一民族で形成されて来た日本が舞台なのに、なぜ最も「差別」されているアジア人が主人公ではないのだ。


人種マイノリティの地位向上と言うのであれば、アジア人の社会的地位向上のための絶好の機会ではないか。


この様な配役は、結局のところ白人vs黒人の争いの文脈での「偽善」でしかなく、歴史への尊重や文化へのリスペクトは微塵もない。


この様な偽善ポリコレ歴史修正主義の偽善白人文化の黒人優遇的文化侵略行為に対し

アジア黄色人種の日本人は断固抗議し

国際問題にするべきである!



<参考文献・Xアカウント>

ダグラス・マレー「大衆の狂気」徳間書店

マークRレヴィン「アメリカを蝕む共産主義の正体」徳間書店

人間ジェネリックさん
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エスケーさん
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ペコリーノさん
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高安カミュさん
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