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FTXの破産と浅倉秋成さんの「6人の嘘つきな大学生」の小説がすごく重なる

※この内容な小説のネタバレを含みますので、これから「6人の嘘つきな大学生」を読もうと思っている方は読まないことをお勧めします。ネタバレしてもいいよという方のみ読んでいただけると思います。

「6人の嘘つきな大学生」の本質は「人には表と裏があって、人は裏側を知るとその人の見方が変わってしまうよ」という話

この小説はスピラリンクスという学生の間で大人気のSNSを運営しているイケイケのITベンチャー企業の新卒採用の採用面接の採用面接に残った6人の大学生の話です。

この新卒採用は、「キラキラ、イケイケITベンチャー企業」であり「新卒で毎月50万円の給料を出す」という条件で募集しているため、ほとんどの大学生が受けにいくような状態になっています。

何百人、何千人、が受けている試験の最終面接に残った6人なので、非常に優秀です。
しかもこの6人の中に「東大生」はいなかったとかかれているので決して学歴で選んでいるわけではなく、個人の能力を重視して6人を選んでいることがわかります。

そんな彼ら6人のあることがきっかけに裏側をバラされます。

  • 学生時代いじめの中心人物で、いじめられてた人を自殺させてしまったことがある人

  • 過去にお年寄りを騙してお金を取る詐欺をしていた

  • 夜のお店で働いていた

などなど。過去の知られたくない裏の顔を暴露されてしまいます。
その瞬間、優秀だった6人の見る目が変わってしまいます。

それをこの小説で表現していると自分は考えました。そのほかにも「就活って意味あんの?」とか「優秀とはなに?」など社会への疑問を投げかけていると思いました。

FTXの破産から急にSBF氏を「詐欺師だ!!」って言い出したり「仮想通貨は良くない!!」みたいなことを言い始めてます。

https://twitter.com/search?q=SBF%20%E8%A9%90%E6%AC%BA&src=typed_query&f=live

Twitterで検索するとこんな感じのことを言ってる人が結構います。
また仮想通貨についても馬鹿にし始めたりする人が出てきています。

SBF氏は確かにやばいことをしています。
自社のFTTという通貨を担保にお金を借りてそれをNFTとかで資金を使って買い支えていたり、巨額の広告費を使ってイメージアップ戦略をしたり、資金難になって顧客の資金に手をつけてしまっていたりしていて、これは本当にダメです。

詐欺師と言われてもおかしくはないと思います。

ただ、言えるのは「世界第3番目の仮想通貨取引所を作ったこと」は事実ですし、仮想通貨を盛り上げたりNFTが盛り上がったりしたことは事実です。

このニュースが出るまではSBF氏は仮想通貨業界のスターでした。
SBF氏は多額の寄付をしていたり、政治献金もしていて仮想通貨の印象アップを測っていました。
対して、Binanceはそういうニュースは全然出ていなかったため「FTXは綺麗」「Binanceはお金儲けが好き」みたいな印象ができていました。

それを急に手のひらを返して批判し始めるのが人間です。
まさしく「6人の嘘つきな大学生」の出来事が現実に起きています。


これがあるから小説は面白い!

小説のフィクションが、現実に起きて小説家ってほんとすごいなと思いました。
小説はこれがあるから面白いです。読書っておすすめですよ!

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