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恋は盲目、気が付いた私は   ①

朝の4時、いつもなら私は、彼の家にいる。

美咲は口に含んだコーヒーがいつもより苦いことに気づいた。

挽いた豆はいつものやつなのに

自分の気持ちと味覚は繋がっているのだろうか

そんな気がした、朝の4時だった。

いつもなら、幸せこの上ないこの時間。

何も生み出さない、苦痛な時間に変わっていた。



亮平が箱根に行きたいと言い出したのは、確か去年の10月だった気がする。

私たちの学校は、開校記念日とかいう高校生が唯一遊べる日が、毎年3月8日にある。

高2の私たちは、その開校記念日をどのように過ごすかを日々議論している。

デート、ディズニー、富士急、USJ、地方へ旅行、ゲーセン、スポッチャなどありとあらゆる選択肢があるためだ。

しかも、高校生にとって1日の休みの重要さは計り知れない。

だから、絶対に選択を間違っては行けない。必ず、収穫のあるものにしなければならないのだ。

彼氏、彼女がいる生徒は、デートが一般的だ。

ダブルデートもいるが、ごく僅か。

ダブルデートは色々と面倒くさいらしい。

私たちは、いつもつるんでる6人(亮平、大志、匠、桃香、桜、美咲)でどこへ行こうか考えていた。

なんで仲良くなったんだろう。修学旅行の班とか、席替えで近くになったりとかで、気づけばいつも一緒にいた。

まるで、家族のような存在。このメンバーの雰囲気が、私は好きだった。

でも、私にとって亮平は、かけがえのない存在だ。

初めて話した時の優しそうな声と笑顔、愛嬌のいい男の子だった。

身長は高く、サッカー部で、クラスでも部活でも、友達もファンも多い。

正直、亮平はとってもモテていたのだと思う。

噂によると、去年は3人に告白されたらしい。

しかし、彼は「今は彼女がいない」と言っていたから、
もしそれが本当なら3人全員失敗したのだろう。

なぜだろう。亮平は私と話す時だけ笑顔で、しかも名前呼びなのだ。

確かに、いつメンは名前で呼び合っているから、納得はできるんだけど、、、、、

こんなことされたら勘違いしてしまう。

授業中、廊下、部活中など、あらゆる場面で彼を目で追っていた気がする。




Even now, I’m still in love with you.
But I’m sure that even if we were to exchange 1000Emails. 
Our herts would probably not more even one centimeter closer together.

第一章 おわり

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