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悪い意味で一途

春。別れもあれば出会いもある春。

うちの職場でも両方予定されていて、季節感をまざまざと見せつけられているところ。

鉄道業界だから少し前は離職率は低かったです。就活のときから聞いていたことでしたが、これは事実でした。

辞める方がいらっしゃったとしても年1,2人くらいで、いない年もありました。
しかし今年は倍。

ここでボロボロ愚痴を零していたせいではないでしょうけど、何か思い立って去っていくようで…たまたま各々の人生の分岐点たる年が重なったのだと思いますので、本来ならば盛大に送り出してあげたいところですがそれができないのが残念でなりません。
そんな私も職場の皆様に気づかれぬようにウェイティングサークルに移動したところ。

転職します!と某RPGよろしくあれこれサクッとジョブチェンジできたらどれだけ良いことでしょう。
ただ、人間が転職する以上は求人探して応募して、それから面接しないといけない。

それで思い出すのが就活のとき。
大卒ではないので、入るところも限られていましたが。

面接をするときに聞かれたあるあるってありませんでしたか、就活のときとか特に。

「ほかにどこか受けていらっしゃいますか?」
「御社しか受けておりません!」

ってやつ。
テンプレ通りに聞かれて、テンプレ通りに返すまでが1セット。いま振り返ると、こういう嘘丸出しのことを対策本か何かで覚えていたものですが、こういった飾りつけさせるテンプレに当時から違和感を感じていて、嫌いでした。

そしてこの就活の数勝負も嫌いです。
いくつか会社を受けてしんどいのもありますし、私のような能無しは、下手な鉄砲もなんとやらと言うように数勝負が一番効率良いのでしょうけど、同時並行で同業の会社へエントリーシートを送ったり、筆記試験に適性検査だなんだと忙しない上に、結果のメールでお祈りされたり、お誘いいただいたりといった一喜一憂させられる心臓に悪い日々が嫌で仕方なかったのも当然あります。

ただ、そもそも同時並行で同業の会社をこうして受けてはアポをこなしておいて「御社と決めているので他には受けてません!」って…テンプレ通りの決め台詞をかまして、外面だけ取り繕ってなんなん、浮気者と同じじゃないかと思いながらやってました。

それくらいで浮気者と感じてしまう私は一途なんでしょう、きっと。
一社終わってから一社受けてみるとか一つの過程を終わらせないと、時間を割いてくれた向こうに失礼とか思ってしまうので、就活に当時からなんか違うな~と思っていました。もし2つとも試験受けて2つとも内定をもらっていたとしたらどちらか片方は断らなければならない、断るなんてのも向こうを考えるととても…向こうがいくら断られ慣れていたとしても申し訳ない気持ちに変わりはありません。

資格試験の勉強もそれこそ、最初は一つの試験を受け終わってから次の資格の勉強へ進んでいたくらいです。

でも決断は早いほうが良いということもあって、ようやく会社を一つだけ、勇気を出して応募しました。
締め切りが今日までだったから。

一途って臆病でもあるのかもしれない。臆病者は失う怖さが途轍もないから、一つへの繋がりをひたすら強固にしておきたい。だから他の選択肢を捨ててそこに懸けるその強い思いが一途で、この二つは紙一重のように共存しているのかもしれない。



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