日記『本読み読みDAY』(20220421)

  • 家にいなければならなくなってしまったのはいつからだろうか。濃厚接触疑いであったり、実際に濃厚接触者になったり、それが解除されたと思ったら別のところで濃厚接触が更新されたり、そんなこんなで4月のおよそ半分は家に閉じこもることになってしまう。残念なのが今週末のTOEICで、結構頑張って勉強してきたのに今月は受験できなくなってしまった。来月再来月のことを思えば勉強を継続させていくべきなんだろうけど一気に緊張の紐が緩んでしまった。

  • 昨日はhontoで25%offのクーポンがあったので欲しかった本を大量に購入した。割引後で20000円もしてしまった。その中にはブックガイドと呼ばれるものも数冊あった。中学生くらいの頃、図書館でしばしば「ダヴィンチ」という書籍情報を扱う雑誌を借りていた。そこでは話題作を特集したり今月出版される書籍の情報が載っていたりして、今でも特集に目を引かれると買っている雑誌である。その頃は全然お金が無かった(というより今でもそうなのだが、ギャンブルで金を溶かしまくる父と超倹約家の母の元で育ったためか金を使うことをひどく躊躇してしまっている)ので、その雑誌を見ながら本のあらすじだけたくさん知っている人間に鳴ってしまった。「舟を編む」といえば辞書の編集の話で、「ツナグ」は死者を蘇らせて生きてる人と更新できるサービス業の話、1Q84は二人が1984年に文字通り別々の世界にルート分岐する話、のように、その当時の話題作のあらすじだけはやけに知っているようになってしまった。

  • BRUTUSの「すべては、本から」を読んでいる。

  • 面白かったのは「1930年代生まれ、科学者2人の読書歴」というコーナーで、Essencial Cell BiologyやMolecular Biology of the Cellの監訳で知られる中村桂子さんとバカの壁で知られる養老孟司さんの読書歴について語るというものである。どちらも戦争を経験している年代の生まれの人である。もちろん実際に戦地に赴いていないとしても、終戦という出来事を経験しているかどうかは考え方に大きな影響を与えているように感じる。

この時代、僕が科学を志した理由に「もの」の世界は変わらない、ということがあった。抽象的なものはあまり信用しない。だから社会的な関心というものはなかったですね。そんなものに関心を持ったとして、いつひっくり返るかわからない。つまり1945年のあの原風景に戻るんです。

  • この養老孟司さんのコメントは特にそう。これ以外の他のコーナーでもこのご時世になぞらえて、変わりゆく時代をどう乗り越えていくかという観点から語っている選者の方々もたくさんいたけど、今生きている人の中で最も大きな変化を味わっているのはこの世代だなあと思う。ただ、終戦で価値観が大きく変わったのは進歩とも言えるかもしれない。中村桂子さんは80年代を振り返った時に最初にこのような言葉が出てきている。

チェルノブイリの原発事故があって、変わるべきなのに変わらなかった時代、という印象があります。

  • もう一つ面白かったのが、中村桂子さんが鬼滅の刃に対して「争いが苦手だから戦いの話と聞くとまだ読む気になれない」ってところ。私も人間同士の醜い戦いは苦手だけど、鬼滅の刃は表紙を見た人にとっては、人間同士の戦いというより、ウルトラマンやゴジラ、アンパンマンのように非人間の悪役と人間の主人公サイドの話のように受け取られそうだと思っていたのでこの発言は面白かった。なんか子供に大人気なのを見るとそういう印象受けませんか?

  • 他に面白い試みだなあと思ったのは「超時間対談2020 ハマオカモト(OKAMOTO'S)×開高健!?」で、これは超時間対談のパロディなのだが、コンセプトは気鋭の文化人が故人と対談するという珍本である。

  • iPadで雑誌を読んでいると目が悪くなった気分になる。見開き横画面で開いた時の字の小ささったら。

  • 次いでこれもBRUTUSの「音楽と酒」も読んでいる。こっちは各々の酒に合うアルバムを紹介していたりするのできちんと読み終わるのはずっと先になりそう。

  • 「すべては、本から」でも街の特色溢れる本屋さんを紹介していたり、この本でもリスニングバーやジャズ喫茶を紹介しているけど、それらの店がどれだけ東京に集中しているか。就職は関西で済ませようと思っていたけど、やってみたい業種とか街のコンテンツのことを考えると、東京に行くのも悪くはないかなと思う。まだ骨を沈めるほどではないとは思っているけど。

  • 今日は本読みよみDAYかもしれない。「作詞少女」も読んだ。

  • これは面白かった。副題に「詞をなめてた私が知った8つの技術と勇気の話」とある。主人公は元々趣味で詩を作っていて、友達から作詞をお願いして引き受けるのが物語の始まり。つまり元々何かものを書いて表現する人だった。私はむしろ作詞に高いハードルを感じていたのでこの副題にはそぐわないかもしれない。ただこの本は、作詞にとどまらず、創作をする上で大事なことがたくさん詰まっていた。登場人物は最初はキツく感じちゃったけど読み進めていくごとに魅力的になっていく。音楽の持つ魔法、いや呪術性についても言及している。ストーリーはちょっぴり重めなのでハウツー本だと思って読み進めるとびっくりしちゃうかも。作曲少女は立ち読みしてあんまり求めているものではないかなって思ってたけど、ちゃんと読んでみると面白いのかもしれない。

  • とりあえず今日知った読みたい本リストでも作るか……

  • 「星に仄めかされて」「吾輩は日本作家である」「オルガスマシン」「日本SFの臨界点」「愛の妖精」「妻と帽子を間違えた男」「脳の中の天使」「風に訊け」「会いに行って 静流藤娘紀行」「薔薇はシュラバで生まれる」「崖際のワルツ」「アート・スピリット」「細野晴臣 録音術」「照明技師 熊谷秀夫 降る影 待つ光」「原色の呪文」「営業と詐欺の間」「日本語」

  • YouTubeの概要欄にこうやって検索に引っかかるようにしているのあるよね。

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