サウナのサはサーキュラーのサ
タテヤマサウナ
アウトドアサウナの完全なるトップランナー、長野県野尻湖の #TheSauna のベベちゃんこと、野田クラクションベベーが、いま少しお手伝いしていると聞いて速攻予約。現在はまだプレオープン中の #タテヤマサウナ というアウトドアサウナに行ってきた。
場所は富山県の立山吉峰。関西からは車で5時間。温泉やキャンプ場があるほか、たくさんの別荘が立ち並ぶエリア。そのなかでも極上の立地にあるのが、TATEYAMA SAUNAだ。
まずはこの写真を見て。
トトノイスから見下ろす富山平野! とにかくこの風景を風土を丸ごと楽しんで! 存分にととのって! という思いが否が応でも伝わってくる。
ちなみにこの景色は、サ室からも望める。
実はこの景色、標高2999m、立山連峰の剱岳頂上からの眺めだ。
うん? どーゆーこと?
と、そう思うに違いない。しかし僕はこのサウナ室のなか、剱岳に見事登頂。そこからこの景色を眺めていた。
こんな風に。
なんとここTATEYAMA SAUNAのサ室内は、立山連峰を表現し敢えて高低差をつけたベンチが並んでいる。サウナーの方はご存知かと思うのだけど、サウナ室は天井近くに行くほど熱くなる。つまりもう剱岳なんて、あっつあつなのだ!
しかし、この高低差が初心者と上級者がともに同空間を楽しめる多様性の肝となっている。素晴らしい!
熱いのが苦手な人は、こんなふうに左手の寝転びスペースに横たわれば、岩盤浴級に気持ちいいよ。
さらに、この高さでも横たわれるからほんと素晴らしい。
そもそもこうやって寝転がれたりするのは一棟貸しサウナ小屋だからこそ! セルフロウリュであっつあつのサ室から出て、水風呂に入るべく外へ。
すると……なんと!
お猿さんがいたー!!!!!
向こうも驚いて一目散に逃げていっちゃったけど、この自然!
ほんと、こっちが「お邪魔してますー」だよね。
まだプレオープン中ということで水風呂が完成していなかったんだけど、樽に入るという経験もそれはそれでよかった。このお水もいずれは立山の地下水になるという。楽しみ!
あまりにととのっちゃって、心配されたのか「藤本さん!」って呼ばれて振り返ってもこの表情。
とまあ、最高なサウナ体験でした。
サウナをつくりたい
とまあ、僕のサ旅について、つらつらと書いてしまったけれど、いよいよ僕も自分でサウナをつくってみたい。運営してみたい。という気持ちが高まっている。ということで現在、着々とサウナづくり計画を進めている。
場所は秋田県にかほ市。僕がいま利活用事業のプロデュースを務めている、#にかほのほかにという閉校した小学校の敷地内だ。保険や消防などの法的なことや、伴って必要になってくるお金の壁など、問題が山積みで何度も心折れそうになっているけれど、なんとか形にしたいと思って頑張っている。ちなみに、にかほのほかに はもともと小学校だったのでプールサイドに建てられていた更衣室の小屋を改装してつくる予定だ。
かといって、プールが水風呂になるわけじゃないからね。そんなことしたら維持費が大変すぎる。
さて、そもそも僕がなぜサウナをつくりたいと思ったのか? それは単純にサウナが好きだから、ということももちろんあるけれど、一番の理由はそうじゃなくて、秋田県にかほ市の大きな魅力の一つである「水」の素晴らしさをどう伝えるか? を考えた結果だ。
秋田県にかほ市は、山形県と隣接する秋田最南端の町。2236mもの高さを誇る鳥海山の伏流水が広大無辺な日本海に注がれ、それがやがて太陽によって蒸発、雨雪になって再び地表や鳥海山へ降り注ぐという、水循環が象徴的な町だ。
その豊かな水を体感できる数々の名瀑や、湧水はもちろん。名産物のイチジクや岩牡蠣、米や日本酒などを育むのも「水」。水の巡りから生まれる多くの恵みがこの町の暮らしを支えている。
この水の良さ、素晴らしさを、誰よりも熱く表現してくれるのは、間違いなくサウナーだと僕は思った。
サウナの「サ」はサーキュラーの「サ」
いまや様々なところで語られているけれど、サウナというのは、熱いサウナ室のことだけを言うのではない。
サウナは →「サ室」→「水風呂」→「外気浴」→ を繰り返すことで副交感神経優位な超絶リラックス状態「ととのい」に達する。この循環、サーキュラーが大事なのだ。ゆえに、サウナが苦手な人というのは、大抵、この真ん中にある「水風呂」の壁を越えられていない。つまり「水風呂」がいかに大事かという話。
そもそもこの超リラックス状態を「ととのう」と名づけた人は、サウナーのなかではとても有名な、濡れ頭巾ちゃんというサウナ好きおじさんだ。濡れ頭巾ちゃんさんは「水の違いは飲むより入る方がわかる」とまで言い切っていて、そんなアホな、と思っていたけれど僕もなんとなくわかるようになってきたから不思議。
ちなみに全国からサウナーがやってくる人気サウナ。例えば、静岡県の「しきじ」は富士山の天然水。熊本の「湯らっくす」は阿蘇の天然水。タテヤマサウナのある富山県「スパアルプス」はアルプスの天然水。僕のホームである「神戸クアハウス」は、六甲の美味しい水が天井からドバドバと流れている。といったように、人気サウナはみんな水がいい。その水をこそめがけてやってくるのだ。
ならば
こんな風に水の恵みスポットがまだまだいくらでも出てくる豊かなにかほの風土を、全身で感じてもらって、多くの人に発信してもらうには、サウナが一番だ! と思ったのだ。
僕は想像している。
「鳥海山の伏流水でととのったーーーーーーーー!」
と叫ぶサウナーの姿を。
にかほの稀有な水循環を体全体で感じてもらうというのが、僕のサウナづくりの軸になっている。だからこそ、サウナの「サ」は、サーキュラーの「サ」なのだ。
どんなサウナをつくるのか?
ちなみにこれは、いま作ろうとしているサウナの完成イメージ。
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