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ラジオからはじめよう。

 秋田県にかほ市、旧上郷小学校という2年前に閉校してしまった小学校を活用した『にかほのほかに』という名前の施設を編集している。今後5年くらいかけて、どんな風に幸福な場所へ発酵させていこうかと、あれこれ頭を悩ませるなか、まずはこんな試みをスタートしてみた。

「いちかわのじく」というラジオ番組のpodcast配信だ。

 パーソナリティは、なんと、にかほ市長の市川雄次さん。これが意外に(失礼)マイルドな声で聴き心地よく、まだ2回目だというのに、ずいぶん落ち着いていてほんと素晴らしい。これからどんどん市川さんの素の部分が出てくるといいなあと思っている。

 けれどこれはまだまだ、ほんの小さな一歩。

 以前この記事にも書いたけれど、

 僕は田舎こそ、いち早く、真にダイバーシティな世界に向かってほしいと願っている。身の回りには実に多様な自然が溢れているにもかかわらず、人間の多様な性質や文化への理解という点ではどう考えても都会のほうが進んでいる。

 一概には言えないけれど、田舎の人ほど大きなメディアの情報を鵜呑みにするばかりだし、蚊帳の外で居ることをどこかで望んでいるようにすら思う。だからこそ僕は、田舎に暮らす人たちが、受け手から一歩踏み出して、発信者になってみる経験がとても大切なんじゃないかと感じている。

 なんて言うと、「SNSでみんな発信しまくってるじゃん」と言われそうだけど、僕は「呟き」という言い訳を盾に、陰からヤジを飛ばすような匿名性の高い発信には意味がないと思っている。それどころか、ああいう匿名メディアが一層、多様性を圧し潰しているんじゃないかとも思う。

 責任や重みを伴わない発信ほど、無駄で危険なものはない。だからこそ僕は、にかほ市民のみなさんに、匿名ではない発信に立ち向かってみてほしいと思い、昨年度のうちに元放送室を市民のみなさんにも手伝ってもらってリノベーションした。そして『スタジオ129(いちじく)』という名の収録&編集スタジオをつくった。

 そこでまずは市長自ら率先して、その発信をしてもらいたいと、市長の番組を企画してみたのだ。

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 新型コロナウイルスの発生から、さまざまなビジネスをリモート化するための方法やフォーマットがものすごい勢いでシェアされている。地方の過疎化ではなく、これからは「疎」がポジティブに開かれていく開疎化がすすむと言われるなか、田舎であっても、あらゆるサービスのクオリティが底上げされていくだろう。そうやって価格やクオリティに大きな差がなくなっていったとき、人はいったい何を基準にモノを買い、サービスを選ぶだろうか? 僕はその基準が、いよいよ「信頼」になっていくんだと思う。

 そのときに、常日頃から誠実な発信を続けている人はきっと強い。

 だとすれば、誰かに安易に発信を任せるのではなく、決して上手くなくていいから、自分自身の言葉で正直に語ることの訓練を続けた方が、その信用を積み上げていくことになる。そして、そうやって多くの人がそれぞれの思いを語っていくことと、そういうローカルな声に耳を傾けてみるという態度が、田舎で暮らす人たちの多様性への理解につながっていくと信じている。

 そこでさらに、こんなラジオ番組の企画を考えてみた。

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藤本智士(Re:S)

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編集者。1974年兵庫県在住。『Re:S』『のんびり』編集長。著書に『風と土の秋田』『ほんとうのニッポンに出会う旅』共にリトルモア、『魔法をかける編集』インプレス。『ニッポンの嵐』『るろうにほん 熊本へ』など手掛けた書籍多数。

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2006年に創刊した雑誌「Re:S(りす)」編集長の藤本智士が、いまあらためてお届けする、あたらしい“ふつう”のnote「Re:S」。 日々のこと。旅のこと。地方のこと。編集のこと。 記事アップは月4回以上かなぁ。

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