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心不全療養指導士 認定ガイドブック第3章 ~節酒篇~

適切なお酒の量ってご存じですか?

こんにちは
心不全患者さんが幸せになれるよう
日々勉強中の飯沼です。

心不全療養指導士 認定試験ガイドブック第3章
心不全の予防活動 ~節酒篇~
まとめと勝手に予想問題、2020年心不全療養指導士の試験を思い出して作成した過去問です。

大前提として6章では心不全になってしまった方の節酒について書かれていますが、この章では予防活動の飲酒の目安ということで書かれています。どんな方にも当てはまりやすい内容となっています!

それでは見てみましょう!


節酒


大量の飲酒は高血圧、脳血管疾患、心房細動、アルコール性心筋症などのリスクとなる。
一方、少量あるいは中等量の飲酒は、非飲酒者と比べて心筋梗塞のリスクが低いことも示されている。
したがって適正な飲酒の量、「節酒」が必要である。
特に6章では、大量飲酒は水分バランスが崩れたり、血管の拡張または収縮、心拍数の増加などをもたらし、前負荷、後負荷、心拍数の変動により循環に大きな影響を及ぼすとされています。

禁酒でなく、節酒というのがポイントですね。
よく、患者さんからも「全く酒はだめなのか?」と聞かれますが、そういうわけではありません。(アルコール心筋症の場合は残念ながらやめなければならないそうです)
中には長年、外来で通院している方で、焼酎水割り1杯の晩酌が健康のバラメーターになっていて、「心不全が悪くなると酒を飲む気がしなくなるから、酒が飲めなくなると早めに先生のところに受診するんだ!」と言っていた素敵な方もいらっしゃいました。


適正量とは?


では具体的にどれくらいなら許されるのでしょうか?
少量から中等量といっても、「軽く酔うくらい」とか、「まあまあ飲んだな」という感覚的なことではなく、適正量が定められております。


「高血圧治療ガイドライン2019」では
男性ではエタノール換算で20-30ml
おおよそ日本酒1合、ビール中瓶1本、焼酎90ml程度、ウイスキーダブル1杯、ワイン2杯
女性ではその半量なのでエタノール換算で10-15ml
おおよそ日本酒半合、ビール350ml缶1本程度、焼酎45ml程度、ウイスキーシングル1杯、ワイン1杯
となっています。

視覚的にはこれくらいです↓

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学生の時、ダイニングバーでバイトをしていたのですが、そこでマスターに教わったのは、グラスの底に親指を当てて、ウイスキーやカクテルのお酒の量を図るやり方。上の写真はシングルですが、一度自分の適量を図っておいて自分の親指を当てて確認しておくとよいかもしれませんね!


飲酒についてのエビデンス


飲酒についてのエビデンスは海外の論文でも定期的に話題に上がりますが、2018年のJAMAという論文でも心不全と飲酒について出されていました。

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米国Washington大学(ミズーリ州)のJustin S. Sadhu氏らは、 心不全のある393人の高齢者を対象とした長期予後を調べ、飲酒歴が全くない患者よりも週に7杯以下の飲酒者の方が診断後の生存期間が長かったと報告されています。「JAMA Network Open誌電子版」

やはりたくさん飲めば飲むほどいいというわけでもないですが、適量の飲酒は生存期間を延長する可能性がある!といったデータですね!


お知らせ

クラファントップ画像

私たちのクラウドファンディングは7月12日をもってsuccessしました。
80名を超える多くの方々からのご支援を頂き、70万円以上の支援が集まりました。ここまで応援くださった皆様、本当にありがとうございました。
まだ何者でもない私たちのプロジェクトに少しでも共感を頂き、具体的な支援をくださり、心から感謝しております。皆様のご支援で自分たちの描きたい未来が日を追うごとに形になっていく様子を見ることができ、心から感謝を申し上げます。皆様のご支援と期待
を背負い、このプロジェクトを通して「生きがい」を取り戻した人々の笑顔が多く生まれますよう、よりいっそう努力してまいります!


予想問題


それでは予想問題に行ってみましょう!

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