RE-303製作記
2020年、もうすぐBEHRINGERからTD-3が発売されようとする微妙なタイミングのTB-303クローン業界ですが、x0xb0xと並び優秀なクローン(レプリカ)として知られるRE-303というのを製作しましたので今後製作される方のためにも製作記としてまとめたいと思います。
1. 製作の準備
○製作の参考になるサイト等
・外国の方の製作記でかなり参考になります。
http://sunshine-jones.com/re-303-build-your-own-authentic-replica-of-the-tb-303/
・こちらも外国の方。
https://masutopedals.wordpress.com/2017/04/17/re303-tb303-replica-building-tips/
永松さんという方がツイッターで情報を共有してくださっております。
https://twitter.com/Nm_Fangea/status/1136464032876023812
丁寧に製作されていて参考になりました。
○製作に必要な材料と入手先
・基盤等 https://shop.re-303.com/
・ケース+ツマミ+入手の難しいトランジスター等
https://www.kumptronics.com/shop/
ケースの在庫は無い場合でも問い合わせると販売してくれます。
・抵抗やコンデンサその他のBOM等
必要なパーツをMOUSERのカートにまとめてあります。
https://www.mouser.jp/ProjectManager/ProjectDetail.aspx?State=EDIT&ProjectGUID=B0A1B6C5-6BEF-405A-B6AD-51C383D3DFF3
入荷の遅いものは秋月、マルツ等で買った方が早いです。
ICソケットやコネクタ等も必要に応じて購入してください。
○製作に必要なドキュメント類
・ビルドマニュアル
http://privat.bahnhof.se/wb447909/dinsync/shop/RE-303v1.2BUILDGUIDE.pdf.zip
・BOMリスト
http://privat.bahnhof.se/wb447909/dinsync/shop/spacecadet-BOM.zip
・ケースのビルドマニュアル
https://www.kumptronics.com/app/download/11926469157/RE-303_case_assembly_guide.pdf?t=1566409396
・RE-303 CPUの設置マニュアル
https://www.sonic-potions.com/Documentation/SonicPotions_Re-303_Installation_Guide.pdf
・RE-303 CPUのユーザーガイド
https://www.sonic-potions.com/Documentation/SonicPotions_Re-303_User_Guide.pdf
※2020年現在、CPUはこれ以外に Pixie Powered RE-CPU が選択可能。こちらはオリジナルのファームウェアを入れたCPUでこれから随時アップデートされていく模様。
2. メイン基盤の加工
ミスがあった際に実装後だと部品の向きや番号の表示が見えなくなり修正が難しくなるので最初に基盤の写真を撮っておくと良いです。
ジャックの接続部分の穴が少しちいさいので精密ドライバーを挿して少し穴を広げてやります。金属箔の剥離を防ぐためこちら側から差します。
マニュアル通りではありませんが背の低いパーツを先につけてしまうと楽なのでダイオードを先に実装しました。
またテンポとボリュームのポットを立てる際はツマミの位置がずれると目立つのと後から修正するのが大変なので、あらかじめケースを組み立てておきしっかりと位置合わせをしたほうが良いです。
この時点で完全な位置決めは難しいので、この時点ではハンダ少なめで仮止め程度にしておきノイズ軽減のためのワイヤも最後に付けても良いかもしれません。
※ポテンショメータ類、端子以外の基盤と固定する部分は一番最後にケースとの位置合わせをしっかり行ってから半田付けするのが良いです。
少しでもずれると見栄え等に大きく関わってきます。
3. パワーセクション
製作自体は難しくなくマニュアルどうりにやれば問題無いかと思います。
IC16の右上のピンとグラウンドを接続しておおよそ15Vが出ていれば問題ないです。
TP5(JP51)とグラウンドを接続しTM6を調整して5.333Vが出るようにします。
JP47とグラウンドを接続しおおよそ12Vが出ていれば問題ないです。
12Vより若干弱いのが普通で問題ないということです。
4. VCOセクション
R74-R90に使う200Kの抵抗は0.1%誤差の精度の高いものを17本揃える必要があり、最初永松さんの方式で1%誤差のもの100本から精度の高いものをピックアップするという方式を採ったのですが、当方のマルチメーターの精度が悪く正確さにかけたので多少値段は張りますが元々0.1%誤差の抵抗を使うことにしました。(上リンクのMOUSERカートはこちらになっています。)
このセクションから部品が混み合ってきますので注意しながら進めます。
波形切り替えスイッチの真ん中の端子とR90の右側をオシロスコープに接続して波形が確認でき、VR1を回して波長が変化させられればこのセクションはOKです。
5. FILTERセクション
FILTERセクションが完成したら波形のチェックです。
VR4の右端の端子から信号を取ります。
カットオフのつまみを操作して波形の角が丸くなるような感じに変化すればOKです。
6. その他のアナログセクション
ENVELOPEセクション
VCAセクション: Q31はマークが無いので注意
BA662のクローンも作成する10MΩのチップ抵抗とDCオフセット調整用の50kトリマー抵抗もつける。極小なので結構難しい。。
後々オリジナルのBA662に載せ替えとかもあるかもしれなので丸ピンソケットで取り付けるようにしようと思いこの後丸ピンに変更しました。
MIXER/HEADPHONEセクション: 0.01ufのコンデンサを1つ買い忘れたので家にあった緑色ので代用。
ここまで来たらアウトプットジャックをつけて音出しチェック
チェック方法はこちら。
https://www.instagram.com/p/BMjRuHghctM/
7. デジタルセクション
VCOに使う200K抵抗がなかなか届かなかったのでパワーセクションの後に先に作っていました。
8. スイッチーボード
LEDは青にしました。
タクトスイッチの向きも若干気になりますが構造を考えるとどちらでも問題ないと思います。
※スイッチが少しでも浮いているとトップパネルと干渉具合でスイッチの押しごたえに差が出てきますのでしっかり押し込んでからハンダ付けしましょう。(4つ足で固定しているスイッチは取り外すのが大変で僕はスイッチ2個無駄にしました、、)
9. メインボードとスイッチーボードの接続
後々のメンテナンス性を考えてコネクタで接続する仕様にしました。
10. CPUの取り付け
CPUは制作のタイミングでファームウェアの完成度が高そうだったSONIC POTION製のRE-303 CPUを選択しました。(2ヶ月ほど入荷待ちでした。)
取り付けるとこんな感じです。ICソケットに差し込むのがきつくて大変でした。最初にマイナスドライバー等でソケットの嵌合部を少し広げてから差し込みました。あとコネクタ部分がスイッチボードと少し干渉していたので足を2mmほどカットしました。
MIDI端子への配線はこんな感じになります。
11. 完成
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