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仕事がつまらないので、原因を考えた

 エンジニアとして仕事を始めた頃、与えられた業務に何かつまらなさを感じていた。なぜか分からないけど、やってられない。別に興味のない分野のエンジニアになったわけではない。技術的におもしろい内容もある。なのに、なぜかモチベーションが上がらない。

 頭の中にモヤモヤしたものを残しておくのが嫌いなので、そのモヤモヤが何なのか
紐解いてみることにした。僕はほとんど悩むことがない。それは、すぐに考え、物事の見方を変えることで、頭と心をスッキリさせるからだと思う。悩むのと考えるのは違う。とにかく物事を進展させたときは、「考える」方がいい。

 まず初めに、エンジニアが行う「エンジニアリング(工学)」とは何なのか、これを調
べてみた。実はよく分かっていなかった。色々調べている中で、一番しっくりきたのは以下。

「理学」が物理学や化学のように世の中の自然の原理を見つけて、説明していく学問で
あるのに対して、「工学」はそれらに依拠しながらも、「何か役に立つものを」「実現
していく」学問です。〔中略〕誰かの曖昧な要求からスタートし、それが具体的で明確
な何かに変わっていく過程が実現で、その過程のすべてがエンジニアリングという行為
です。つまり、「曖昧さ」を減らし、「具体性・明確さ」を増やす行為が「エンジニア
リングとは何か」という答えでもあるのです。

『エンジニアリング組織論への招待』広木大地
(技術評論社)

 曖昧さを減らしていく行為。確かにそうかもしれない。じゃあ、自分がやっている仕
事はどうだろう。振り返ってみた。

 まず、ほとんどが過去に誰かしら検討したことのある内容だった。要領が分かってい
る。曖昧さが少ない。自由度が低い。なのに、そういった不確実でない仕事を、まるで「部署としてはじめて検討すること」のように依頼される。曖昧な要求から始まるのは間違いないが、その手段の方は、曖昧なことが何もない。これが現状だった。若手だからまずこういう仕事を任されるのは仕方ない部分もあるが、この退屈な業務をどうにかしたいと思った。

 まずはやはり、本業である「エンジニアリング」にかける時間を増やすべきと思う。そのためには、逆にエンジニアリングと呼べない仕事には、時間をかけないべきである。もともと不確実性の大きかった仕事でも、回数をこなすことで、徐々に慣れてきて、「標準化(一般化)」ができるようになる。「標準化(一般化)」さえできれば、「自動化」できる。また、誰か一人でも検討したことがあるのなら、標準化して共有すれば、それは部署全体の経験として価値を持つ。そんなこんなで業務を効率化して、浮いた時間を使って、新しいエンジニアリングに挑戦する。これが進むべき道だな、と思った。

 なんとなく、向かう先が見えた感じがして、スッキリした。本業は何かを考え、現状
の仕事を深堀りしてみたのが良かった。さっそく、標準化・自動化できそうなことをリ
ストアップしてみると、かなりの量であった。

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