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「本のエンドロール」

引き続き、つらつらと書いてみる。

ということで最近読んでとても良かった本について。

「本のエンドロール」
作者:安藤祐介
発行所:株式会社講談社
印刷:豊国印刷株式会社
製本:加藤製本株式会社

と、いきなり本の奥付に記載されている内容を書いてしまいましたが、これでもほんの一部。
一冊の本が生み出さて我々の手に届くまでに、本当にたくさんの方々の仕事や想いがあるのだということを、まざまざと感じることができた物語。

あらすじ
本の奥付に載っている会社名の後ろには、悩みながらも自分の仕事に誇りを持ち、本を造る「人」たちがいる。豊澄印刷の営業・浦本も、日々トラブルに見舞われながら「印刷会社はメーカーだ」という矜持を持ち、本造りに携わる一人。本を愛する人たちの熱い支持を集めた物語が、特別掌編を加え、待望の文庫化!

超好きでした

もうね、もうこういう小説は大好きですね。すごく好き。
(あんまり言い合える友達がいないからここで吐き出すw)
登場人物、誰一人手を抜いてなく、自分の仕事に矜持を持ち、行動する姿は純粋に自分も頑張ろうって思えるし、良い仕事をしたいって思える。
(そうやって心を励ましてくれる小説って良いですよね)

それだけでなく等身大の悩みもそれぞれ抱えていて、主人公である印刷営業の浦本(というか、この本は登場人物が皆主人公だと思っている)の年齢が32歳で、共感できる。

物語や登場人物の魅力はもちろんだが、インタビューに基づいた、本づくりの工程がとても具体的で丁寧に描かれているのがまた大変な魅力。
編集者ってそもそもどんな仕事をしているのかとか、印刷営業ってやり方次第でできることたくさんあるんだろうなとか、印刷機の稼働率がKPIって確かにそうだよなとか、印刷工場の職人さんたちの想いや技術とか、、ふだんは考えない裏側を見た感じ。
あとは言葉では知っていても具体的にどうしてもイメージできなかった、
「組版」「製本」「DTPオペレーター」・・・そういう仕事なんだと温度感まで伝わるような表現で、本当に色がついてイメージができた。
(遅ればせながら。。)

仕事で印刷業界の方々と接することもあるので、その業界の方々がどんなふうに働いているのかを具体的にイメージできたのも個人的に良かった。めちゃくちゃ勉強になった。

好きな言葉もたくさんあったけど、ここでは一つだけ紹介

今の仕事は天職だ。
そう言い切れる人は、ほんのひと握りで、多くの人は今の仕事ではない別の仕事、今の人生とは違う別の人生にかすかな憧れを残し、ぼんやりとひきずって生きているのかもしれない。
それでも、今目の前にある仕事に全力を尽くす人たちがいる。
たとえ天職でなくてもいい。
この仕事をやっていてよかった。そう思える瞬間が日常の端々、所々にあればそれはきっと幸せなことだろう。

前半は鋭いなあって思う。それでも後半で認めて救ってくれている感じがした。

この仕事をやっていてよかったって、そう思えることは本当に幸せなことだと思う。
お客さんによろこんでもらえたり、目標を達成できたり、できないことができるようになった喜びとか、仕事仲間に頼られたとか、みんなでプロジェクトを走り切れたとか。。
何気ない一瞬が大切だと思える。
もちろん自分は営業なので会社の目標達成のためにがんばるけどね、てか組織大きくしていろいろなポジションを新たに作れるくらいやっていきたい。全員がちゃんとキャリアを築いていける会社にしたい。
(急に所信表明どうした)

ちなみに一番好きな登場人物は、仲井戸。素敵。イメージ呪術廻戦のななみんで脳内変換されてた(わかる人いるかなあ)

講談社の特設ページに、本が作られる過程の動画があったから、興味あればそちらもぜひ!

ながながとまとまりなく書いてしまったけど、とにかく本好きな人は読んで間違いなし!本屋での景色が変わる!

たまに読み返していきたい、一生ものの本。

(しかし、文章を書くのって難しい。。もっと言いたいことがある気もするけど上手く書けないなあって思う)

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