早期栄養介入管理加算の恩恵
こんにちわ。
こんばんわ。
ケーです。
今春新設された、特定集中治療室での早期栄養介入管理加算。
皆さんの施設では加算取得されているでしょうか。
今日はこの加算の良いところと今後の展望について自由に記事にして行こうと思います。
まず、この加算。
管理栄養士の今までの加算算定の上限が栄養食事指導料の260点であったことと比べると1日あたり400点という大幅な増額が認められている点がメリットではないでしょうか。
また、最大で7日間算定できる点も魅力です。
10床までは管理栄養士1人でできますので、うまくベッドが埋まって常に早期経腸栄養が開始されていれば1日で4000点(4万円)、1週間で28000点(28万円)、1ヶ月で120000点(120万円)の診療報酬が算定できることになります。
これはかなりのインパクトではないでしょうか。
無論、ベッドが常に満床となることはないでしょうし、サージカルICUではオーバーナイトで食事すら開始されずに一般病棟へ転棟となることも頻回にあるのではないかと思います。
また、重傷病態ではいくら経験年数がある管理栄養士が常駐していても早期に経腸栄養を開始することが難しい場合もあります。
要件上、48時間以内に経腸栄養を開始する必要があるため、いくら必死に静脈栄養をプランニングしても48時間をすぎていれば加算算定できないという点が今後議論される点ではないでしょうか。
ただ、疑義解釈であるように全ての必要栄養量を経腸栄養で満たす必要はないとされているので、極少量の経腸栄養剤を50〜100ml程度1回注入することを考慮する施設もあるかもしれません。
また、この48時間という要件は栄養管理にプラスの効果をやはりもたらしています。
今までは入室2日目に経腸栄養の開始を提案しても、主治医的に少しバイタルに不安があったり、逆流の心配があったり、ただ面倒だったり様々な理由で「次の日まで待って」とか「週明けまで待って」と言われることがありました。
ただ、この48時間以内に開始しないと28000円取り漏れになります。と伝えると開始するDrが心なしか増えました。
ツッコミを入れたくなる気もしますがお金というのは大きいのです。
何より1人の管理栄養士が言っているだけではなく、エビデンスの伴った行為であることが伝えやすくなっていると思います。
管理栄養士の人件費相当30万円を算定しようとすると75件ということになるので一日3件を安定的に算定できれば人員の増加に繋がるのではないでしょうか。
色々な施設があると思いますが、少し気難しい集中治療部の教授やDrがいて管理栄養士がいくら提案しても「いいよ。うちらでやっとくから」とか「管理栄養士さんには分からないでしょ」とか「週1回NSTで来るくらいなら意味ないよ」とか言われてしまってはどうしようとビクビクしながらICUに行っている管理栄養士さんがいるんではないかなとも思うんです。管理栄養士の歴史的や受けてきた教育などの背景的には。
でも、この加算では管理栄養士が専任で配置されることが要件化されているほか、モニタリングは管理栄養士が行うことを要件化しています。(疑義解釈)
どんなDrがいようが、管理栄養士は自信を持って提案を行うことが求められていると思います。
堂々とICUで働きましょう。
PEEPが5から10に増えてるから水分量抑えようか。とか。
SIMVからCPAPへ移行したから明日抜管かな。食事開始するなら何食にしようかな。とか。
ドレーンの廃液がなかなか減らないから静脈栄養からのアミノ酸を増やしましょう。とか。
呼吸器管理、ドレーン管理、昇圧剤の管理なんかを学べる環境は揃っている病院は少ないので、自分で頑張らないといけないというのが難点です。
自分はこれで勉強しました。
あとは突撃あるのみです。
患者さんを診て考えていけば段々と理解できるのではないかなと思います。
そして何より、最大の恩恵を受けるのは患者さんだと思います。
なかなかfull feedingを行う施設は少ないのではないかと思いますのでEDEN Trialのような投与の仕方になる施設が多くなるのではないかと思いますが、少量の栄養投与でも感染症発生率は減少する可能性が高くなります。
早く一般病棟へ戻ることができる。
PICSやICUAWが叫ばれている中、早期からの栄養投与は非常に重要です。
クローズドICUでは集中治療医の先生方は栄養に造詣の深い先生方が多いのではないかと思いますが、オープンICUでは栄養を集中的にみる管理栄養士の存在は不可欠です。
まとめると。この加算のメリットは
① 加算点数が大きい
② 点数が大きいので人員増への手助けになる
③ 堂々とICUにいることができる
④ 48時間以内に経腸栄養が開始されやすくなった
⑤ 感染症発生率の低下が期待できる
今後の課題としてはやはり
管理栄養士の教育システムではないでしょうか。
ではまた。
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