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農業の大規模化を目指す!合同会社の立ち上げの決意に込めた農業にかける思い

今回は、球磨郡錦町でからいもやいちごなどを栽培されている田原竜樹さんに合同会社立ち上げの経緯や農業や地域の魅力などを伺いました。(2024年2月)


田原竜樹さんプロフィール

トラックの運転手を経験後、地元に戻り就農し13年。
球磨郡錦町木上地区で、からいもやいちご、米、ズッキーニなど様々な作物を栽培。
2019年に合同会社タハラファームを設立。

トラック運転手から農家へ

農家になるまでは、北九州でトラックの運転手をしていました。その後、農業をしていた父の影響や地元に戻って農業をしている周りの友人たちのとても楽しそうな様子に自分も農業をしたいという気持ちが芽生え、28歳の時に地元に戻り就農しました。特に父から農業を継いで欲しいと言われたことは無く、自らの意思で就農したので、農業の学校で勉強した等経緯がなくゼロからのスタートとなりました。都会の生活も経験しましたが、最終的には田舎の生活が私には一番合っていると感じています。

合同会社 田原ファームの立ち上げ

農業を始めて5~6年は、父のもとで農業の基礎を学びました。その期間が終わり、一人でやり始めたタイミングで合同会社を立ち上げました。会社設立に当たり、農家の先輩からアドバイスを受け、その後、税理士さんにも相談しました。その際、「将来的に拡大路線・大規模化を目指すなら会社化した方がいい」と助言を受け、会社を立ち上げる決断をしました。これは私なりの決意表明であり、農業へ日々精進すると覚悟を決めた瞬間でした。

目標は、「過去最高収益を毎年更新」

会社化した当初は、周囲からあまり前向きではない意見もありました。大規模化に向けて機械化への投資を積極的に行いましたが、それが過剰ではないか等々意見頂くこともありました。色々な考え方がありますから厳しい意見も大事ですので、そのような意見も糧にしつつ、また同世代の仲間からの応援も原動力とし、目標である「過去最高収益を毎年更新」をずっと続けることができています。水田や土地を貸してくださった方や応援してくださる地域の人への恩返しの気持ちを持って日々取り組んでいます。

周りの農家で農業をやめてしまう人から土地を借りる等により面積を拡大しており、現在は、およそ30ha弱(東京ドーム約6個分)の面積で作物の栽培をしています。最近、農業をやめる人が増えてきているのか、土地を使ってくれないかと依頼が来るペースが加速しているようにも感じています。ここで誰もやらないと耕作放棄地となってしまうので、私はなるべく受けるようにしています。今は、地域の人材サービスを活用したり、知り合いに手伝いをスポットで頼んだりすることで対応できていますが、もう少し規模が拡大してくると常時のスタッフを雇用して運営しなければいけないと考えています。

今後、土地の依頼があった時は、水田であれば稲系、畑ならからいもを積極的に作っていきたいと考えています。からいもについては、全国的に作っている地域も増えて来ている印象なので、工夫してしっかりやらないといけないと思います。

新たな販路開拓への挑戦

例えば、いちごの販売には、産直サイトなども試しています。発送手配や管理など手間もかかりますが、やらなければ分からないことも多いので、継続して様子を見ているところです。中には顧客から直接価格交渉を受ける時もあり、商売の難しさを感じる時もあります。産直サイトも沢山農家さんが出店している中で、しっかりと上手く販売していくためには工夫が必要であると考えています。

最新の農業機械が好き

良い作物が出来て食べた人に喜んでもらえることはさることながら、しっかりと利益が出た時も農業をしていて楽しいと感じる瞬間ですね。農業は頑張れば、頑張った分結果が返ってくるので、その努力が実った瞬間にやりがいを感じています。また休みの日を自分で決められる自由さも農業の魅力の一つです。

私の場合は、乗り物が好きなので、農業機械を使えることも、大きな魅力だと感じています。新しい機械を導入して作業効率が以前よりも大幅に向上する瞬間が、私にとっては非常に嬉しいです。さらに2年後にはドローンやヘリコプターなど最新技術の活用にも挑戦したいです。

人吉球磨の地域性

人吉球磨地域は、綺麗な水があり、土地があるので農業には適した地域だと感じます。この地域は昼間でも霧が立ち込めることがあり、日照時間が短いため1日があっという間に過ぎていくような感覚があります。そのため短時間で農作業を終わらせなければならないからか、田舎ながら、農作業のスピード感が意外に早いのも特徴の一つかもしれません。

また地域の人々はとても温かく、良い人ばかりです。特に若い農家たちは、とてもしっかりしていて、農業についてよく考えていて、新しい視点やアイデアを持ち寄ってくれます。とてもいい雰囲気でやれているので、このまま後輩たちともフラットな関係で、いろんなアイデアを取り入れていきたいと考えています。

さらなる高みを目指して

地域の中で「突き抜けた存在」になるのが目標です。そのためには、技術力の向上も大事ですが、メンタルの強さも重要です。この業界は予測が難しく、「一寸先は闇」とも言える環境ですが、周りにはどんな状況でもバリバリやっている人がいるので、そこを目指したいです。壁にぶつかった時に折れない心を持ち、常に1手、2手先を読みながら日々精進したいです。

合同会社立ち上げの経緯や農業の新たな魅力について詳しくお話を聞くことができました。
人吉球磨・農業未来プロジェクトでは引き続き地域の若手農家さんの取材を続けていきます。次回の取材記事もお楽しみに!




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