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「泣ける」CMのつくりかた〜マルコメ「料亭の味」シリーズのこだわり〜

【ROBOTこぼれ話】/ み
マルコメ「料亭の味」のアニメCM。
2013年からROBOTが制作を始めて今年で丸10年、「泣ける」CMと好評いただく長期シリーズとなっている。※以下webサイトで全作品観られます!

弊社webサイトにも載っているが、このCMの制作工程は「普通じゃない」と言う。まず驚くのは、制作期間の長さ!
オリエンから3ヶ月程度で完成するのが普通のCM。それに対し、料亭の味CMは企画に約4ヶ月、アニメ制作に6ヶ月、計10ヶ月ほどかけて仕上げているとのこと!
現在12本目を鋭意制作中のクリエイティブチームに、「泣ける」CMをつくる上で大切にしていることを聞いてみました。

・ストーリーを「リアル」に

回数を重ねる中で、「泣ける」すなわち、人の心を動かすストーリーには、“リアリティ”が重要だということに気づいていったという。そのため、ストーリーの企画は、誰かの実体験エピソードを起点に始まることが多いとのこと。「母親からの仕送り」「両親の老老介護」などクライアントやクリエイティブのメンバーそれぞれが持つ、家族と食にまつわる具体的な「実話」エピソードを元に、丁寧にアレンジを加えてストーリーを詰めていくそうだ。

・声を「リアル」に

アニメCMであるものの、いわゆるアニメ声優ではなく、俳優を中心に起用している。それも、人間ドラマとしての「リアル」を表現するためのこだわりだそうだ。しかも、子役であっても、リアルな年齢にこだわってキャスティングしているそう!普通は、3歳児ぐらいだとなかなかうまく収録できないので、少し年上の子を起用することも多い中、覚悟のいるこだわりだ。

・食のシーンを「リアル」に

食卓シーンでは、みそ汁以外のおかずや副菜が登場することも多い。そのため、場合によってはフードコーディネーターをアサインして、実際に調理する様子や盛り付けについて、アニメーションに落とし込むための試作取材を行っているそうだ。(「いつまでも一緒に」篇の焼き鮭が最高に美味しそうなのは、そういうわけかっ!)

・音楽でシリーズの世界観を支える

シリーズ2作目から現在に至るまで、CMの音楽はコトリンゴさんが担当。映画『この世界の片隅に』でもおなじみの、人に温かく寄り添うトーン&マナーの楽曲たち。毎回、家族とみそ汁のある風景を優しく照らして、シリーズの世界観を下支えている。ともすれば、音楽は過剰に「泣かせ」に行くツールになりがちだが、抑制が効きつつも、じんわり心に沁みる絶妙な匙加減に仕上げているのも、ポイントだろう。

話を聞いて感じたのは、最も大切にしているのは「リアル」ということだった。ストーリーはもちろん、登場人物の声、食卓… に至るまで、「泣ける」=人の心を動かすには、見た人が共感して感情移入できるリアリティある細部の積み重ねが不可欠なのだ。10ヶ月かけて、その作業を丁寧に行うからこそ、多くの人の心に響く普遍的なリアリティを内包した作品に仕上がるのだと感じた。

シリーズのこれからをつくるのは、あなた!?

料亭の味CMシリーズは、現在、お客様もその制作の輪に巻き込んでいこうというフェーズへ! お客様の実話を元にCMを作ろうという狙いで、マルコメさんは現在HPで「家族をつなぐお味噌汁」をテーマに、エピソードを募集中です。

これを読んでいただいたあなた! ご家族とのお味噌汁エピソードをぜひ応募してみては!? 
あなたの珠玉のエピソードが、ROBOTのクリエイティブチームのチカラで、10ヶ月かけて「泣ける」CMに仕上がって、観た人を感動させるチャンス! かもしれませんよ。



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