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絶対的守護神、最強のセカンドGK、次世代の有望株 RBライプツィヒの正GKになるのは?

22/23シーズンのブンデスリーガは、「セカンドGK」にスポットライトが当たったシーズンと言えるかもしれない。

バイエルン・ミュンヘンはマヌエル・ノイアーのスキー事故によって、ボルシアMGからヤン・ゾマーを緊急補強。ドルトムントではグレゴール・コベルが負傷離脱した際に、32歳のアレクサンダー・マイヤーが公式戦12試合に出場した。ボルシアMGは引き抜かれたゾマーと冬から正GKとなったヨナス・オムリンを含めて、5選手が公式戦でゴールマウスを守った。

下位ではシャルケやアウグスブルクのようなチームで、ベンチを温めていたGKに出番が回ってきた。反対に、21/22シーズン途中からポジションをマルヴィン・シュヴェーベに明け渡したティモ・ホルンは、今季をセカンドGKとして過ごしてユース時代から在籍してきたケルンを去った。

そんな中で、RBライプツィヒはリーグで一二を争うほどセカンドGKが目立ったチームだった。今回は、GKというポジションに焦点を当てたRBライプツィヒのチーム事情と、来季の正GK争いについて取り上げていきたい。

絶対的守護神の離脱、セカンドGKの活躍

1部に昇格してからのRBライプツィヒは、常にペーテル・グラーチがゴールを守り続けていた。

実は昇格した夏、クラブは新GK獲得に動いていた。当時噂にあがったのは、ベルント・レノやホルンの名前。レノはレヴァークーゼンから昇格組へ移籍することを躊躇い、ホルンはケルンへの忠誠を誓っていたため実現しなかった。

ラルフ・ハーゼンヒュットル監督は現有戦力の中から選ぶことになり、プレシーズンでのパフォーマンスからグラーチが正GKとなった。つまり、このハンガリー代表GKは元々”消極的ファーストチョイス”という立ち位置だった。

ただ、その後の活躍は周知の通り。並外れたビッグセーブ、水準以上の足元の技術、チームをまとめるキャプテンシーでブンデスを代表するGKにまで成長。その後、クラブはマリウス・ミュラー、イヴォン・ムヴォゴ、フィリップ・チャウナー、ジョゼップ・マルティネスらを獲得したが、グラーチはポジション争いに勝ち続けた。

しかし、今季そんなグラーチに悲劇が起こった。10月のCLセルティック戦で右膝前十字靱帯断裂の大怪我。RBライプツィヒはシーズン序盤にして正GKを失ったのだった。

これにより、新加入のヤニス・ブラスヴィヒが出場機会を得た。彼はドイツ人ながらオランダで評価を上げたキャリアを築いており、夏にヘラクレスから獲得していた。前シーズンまでレギュラーでプレーしていたGKを引き入れていたのは、不幸中の幸いだったと言えるだろう。

ブラスヴィヒはここからシーズン最後までレギュラーとしてプレーし、チームの3位フィニッシュとDFBポカール優勝に貢献。当初セカンドGKとしての獲得だったのだから、期待以上の役割を果たした。

23/24シーズンの正GKはどっち?

そこで問題となるのは、来季誰が正GKを務めるかということである。

グラーチはこれまで絶対的守護神として君臨してきたが、大怪我から復帰してどれだけパフォーマンスを戻せるのか未知数。ブラスヴィヒは本来セカンドGKを受け入れての加入だったものの、今季の出来からレギュラーでのプレーを望んでもおかしくない。2人は共に新シーズンのスカッドに入ることが既定路線だが、ベンチに座ることになった側は移籍を模索したり、他クラブからオファーが届く可能性は考えられる。

また、RBライプツィヒはすでにヘンクからU21ベルギー代表のマールテン・ファンデフートの獲得を発表している。加入は24/25シーズンからではあるが、グラーチが負傷した際には彼の早期合流に関する噂も流れた。

GKコーチのフレデリック・ゲスリングは、グラーチの膝がプレシーズン開幕までにはフィットする見通しを述べるも、パフォーマンス面での復調はまだ不透明としている。ファンデフートの2024年加入に変更がないことも明言しており、来季の正GK争いは開幕してみないとわからない部分が多い。

グラーチの負傷によってフリーで加入していたノルウェー代表のエルヤン・ニーランはすでに退団。代わりにパーダーボルンからレオポルド・ツィンガーレを獲得した。来季のGK陣はグラーチ、ブラスヴィヒ、ツィンガーレが基本線となり、グラーチとブラスヴィヒが正GKを争う格好になると思われる。

その他では、ジェノアに貸し出されていたマルティネスが完全移籍。2部のホルシュタイン・キールにローンされていた21歳のティム・シュライバーは、来季3部のザールブリュッケンに再ローンされることになっている。

固い信頼関係にあるGKコーチ

GKという特殊で専門性の高いポジションにおいて、GKコーチとの信頼関係は監督以上に大事かもしれない。今季バイエルンがGKコーチのトニ・タパロヴィッチを解任したことを受けて、ノイアーがクラブを批判したことは記憶に新しい。

RBライプツィヒのトップチームGKコーチであるゲスリングも、選手から高く評価されていることがうかがえる。2021年にグラーチが契約延長をした際には、同時にゲスリングの長期契約締結も発表。グラーチが延長のサインをするにあたって、ゲスリングの残留を求めたことは容易に想像ができた。ブラスヴィヒも加入時に、グラーチと共にゲスリングの名前をあげて、「素晴らしいGKチームに加わることができる」と語っていた。

ゲスリングは、グロイター・フュルトで10代の頃のマルク・フレッケン(今夏フライブルクからブレントフォードへ移籍)を指導し、RBライプツィヒではグラーチを大きく伸ばした。彼の存在は、クラブの魅力を語る上で非常に重要なものであり続けるだろう。

未来の才能を育てるという意味では、注目すべき人事がある。現役を引退してからU12〜U14のGKコーチを務めていたチャウナーが、レーゲンスブルクのGKコーチ就任のため退団。後任には、ザルツブルクで今季現役を退いたアレクサンダー・ヴァルケがその職に就いた。そのままザルツブルクで何らかのGKポストに収まると思われていたため、少々驚きの動きだ。ザルツブルクのファンにとっては複雑な気持ちだろうが、ヤングチームの兄貴分としてチームを支えた経験がRBライプツィヒのユースで活かされることに期待したい。

来季のRBライプツィヒは、グラーチとブラスヴィヒの正守護神争いや欧州カップ戦出場のファンデフート、彼らをサポートするコーチ陣など、GKのポジションで見どころが多くありそうだ。

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