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こっそり教えちゃいます、ポートフォリオ運用の基礎のキソ

こんにちは。プライベートバンカーT&Sです。

今回もポートフォリオ運用について考えていきたいと思います。

多くの投資家が間違えてしまうこと。

それは投資信託購入の手順が逆である・・・私はそう考えております。

本来あるべき資産運用は、まず目標とする期間やリターンを設定し、その上でアセットアロケーションを決定。具体的なポートフォリオの構築はその後。つまり個別のファンド選択は一番最後におこなうものだと考えます。

↓ご参考

それにもかかわらず、多くの投資家は次から次へと金融機関のお勧めファンドを買っては一喜一憂する・・・。

サッカーで例えるなら、自分自身が日本代表の監督となり、最強の布陣を考える。それがポートフォリオ運用なのではないでしょうか。

まず大会の目標を決めます。優勝を狙うのか、ベスト4なのか。日本代表が初めてW杯に出場した時、当時の日本代表監督である岡田監督は1勝1敗1分けの2位で予選リーグ突破を目指していたことを思い出します。

運用の世界でも同じであり、必ずしも最高の結果を狙う必要はありません。身の丈に合った目標を設定し、やるべきことを着実に実践していくことが大切だと思います。

システムを考え、チームの柱となる選手やスターティングメンバーを決める。当然、破壊力のあるストライカーだけではチームは成り立ちません。状況判断に優れた司令塔や献身的な守備をこなすディフェンダーも必要になるでしょう。

なるべくバランスが良いフォーメーションを組み、どんな状況でも最高のパフォーマンスができるよう心掛けるのではないでしょうか。

日本代表監督の経験はありませんが、そんな感じではないかと思います。

そう考えると、スカウトマンお勧めのストライカーばかりを11人集め、パフォーマンスが悪いと次から次へと選手交代していく・・・そんな監督はいかがなものでしょうか?

普通であればあり得ない、このような事が投資信託を取り巻く世界では良く見られるのです。

では具体的にどのような方法でポートフォリオを構築するべきか?

投資信託を使って誰にでも簡単にできる方法を考えていきたいと思います。

まず自分の期待する目標を決めます。ここで気を付けなくてはいけないのが、期待収益が高ければ、その分リスクも高くなるという事です。

いろいろな考え方があると思いますが、私は期待収益が年率5%なら、リスクも年率5%くらいになると考えてお客様とお話しております。難しい表現をすると、シャープレシオが1程度の運用を考え提案することが多いです。
尚、投資の世界でリスクとは、標準偏差とするのが一般的です。

*運用の世界では一般的に、株式や債券など各資産のリスクを、「標準偏差」を使って表します。「標準偏差」とはリターンのブレの大きさを表す数値(マイナスも含む)で、標準偏差が大きい(リスクが高い)ほど、リターンのブレ幅が大きいことを意味します。

だいたいの目標が決まったら、GPIFを参考にアセットアロケーションを考えます。

そこで活躍するのがバランス型ファンド(資産複合型ファンド)です。

株式や債券といった特定の資産を投資対象として設定するファンドと違い、1つのファンドで世界の様々な資産に分散投資してくれる非常に便利なファンドです。

皆様もアセットマネジメントOneの手掛ける『投資のソムリエ』なんていう名前を聞いたことがあるのではないでしょうか?

このファンドはグローバルな8資産に分散投資するファンドで、リスクを4%程度に設定したファンドです。そのために日々、ポートフォリオの資産配分をファンドマネージャーが調整してくれるのです。

つまり大きなリターンを求めた運用ではなく、リスクにフォーカスした運用ということになります。

*8資産・・・国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、為替ヘッジ先進国債券、新興国債券、国内REIT、先進国REIT

そして運用実績は2012年からあり、2021年7月末の月次レポートでは、設定来のリスクが年率3.1%で、リターンも年率3.1%となっております。

特に2020年3月のコロナ・ショックでは素早くリスク性資産を減らし、現金や安全資産で耐え忍びました。

その後の対応も素晴らしく、割安となったリスク性資産を再び増やし、見事に基準価額を上昇させたのです。

この実績は多くの投資家に評価され、現在では6000億近くまで純資産総額が積み上がったのです。

当然、各FUND AWARDで最優秀賞を受賞しており、最もメジャーなバランス型ファンドの1つだと思います。

このようなファンドを運用の中心(コア)として置き、その上で特色のあるアクティブファンドを組み合わせるのです。

そうすることでリスク・リターンの数字を自らの目標に近づけることができるのです。

ちなみに、このような手法をコア・サテライト戦略なんて呼んだりする人もおります。

しかし世の中には注意しなくてはならないバランス型ファンドが非常に多いのは事実です。そのためバランス型ファンド=悪という評論家も存在します。

そもそもグローバルで様々な資産に投資をするバランス型ファンドは、基本的にコストが高いですし、偏った分散をしているファンドも非常に多いのです。

国内資産のみを投資対象としたものや、リスクが一定の水準になると運用を停止してしまうファンドなどもあります。

それらのファンドは、このコロナ禍では沈没したままの場合が多く、金融緩和による世界的な株高の恩恵を享受することができませんでした。

その他、レバレッジをかけて通常の3倍もリスクがあるバランス型ファンドが銀行や証券会社の窓口で普通に売られていることもあります。

確かに資産配分はバランス型ファンドなのかもしれませんが、値動きが激しいのであれば、とても運用の中心(コア)として安心して長期保有できるものではないと考えます。

ここまで、いかがでしょうか?

チームの中心選手を決めるという意味では、バランス型ファンドは中盤のミッドフィルダーといったところでしょうか?

個人的にはボランチと言った方がしっくりくるのですが、その辺りは皆様にお任せします。

ただアセットアロケーションを考えるのであれば、バランス型ファンドを利用するのが簡単で賢い方法だと思います。

ちなみに『投資のソムリエ』をザックリGPIFと比較すると以下のようになります。

国内債券+海外債券:70%(GPIF:50%)
国内株式+国内REIT:15%(GPIF:25%)
海外株式+海外REIT:12%(GPIF:25%)

*債券について、『投資のソムリエ』は為替ヘッジ外債を55%保有しており、国内債券と海外債券の区別が重要ではないと考え、国内外を合算して記載しております。

*REITについては、オルタナティブとして考えるか、株式として考えるか問題ですが、今回は株式として仕分け致しました。

これを基本に各資産の配分を決めて、面白いアクティブファンドを付け加えていけば、オリジナルのファンド・オブ・ファンズが出来上がります。

ザックリとした目安ですが、『投資のソムリエ』であれば運用資産の5~7割くらいとしてシミュレーションするとバランスが取りやすいかもしれません。

是非、いろいろ試してみてください。

[今回のまとめ]

アセットアロケーションを考えたポートフォリオ運用を実践するためには、バランス型ファンドを使うと簡単になります。

しかしバランス型ファンドも玉石混淆であるため、オーソドックスなものとして『投資のソムリエ』をご紹介しました。

その『投資のソムリエ』を運用資産の5~7割程度にして、お好みのアクティブファンドを付け加えていくと良いと思います。



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