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見上げれば 雨の音する 都心にも 静けさまとひ 六花の便り 意味:空を見上げると雨音がする都…
寒々し 師走の朝に お茶漬けを かきこむ匙の 湯気もあたゝか 12月の早朝はとても寒い。身体を…
師走入り 筆を眺めて 傷だらけ そっと触れゝば 我がことのやう 意味:師走になり愛用の筆を眺…
冬の朝 きりゝと締まる 空気触れ 我が身も締まる 気持ちこそすれ 意味:冬の朝のきりりと引き…
南風吹かば 荒れる野分を 案じつゝ 恙無くくあれ 我が秋津島 意味:南の空から暖かく湿った強…
祈りつゝ 今か今かと 待つ親に 泣いて教える 誕生の瞬間 意味:我が子の誕生を今か今かと祈り…
暑き夜に 上がる花火が 咲く刹那 ぴたりと止まる うちわの扇ぎ 意味:暑い夜の花火大会。夜空に打ち上げられた花火が大輪の花を咲かせたその瞬間、せわしなく動いていた群衆のうちわの扇ぎが一斉に止まった。
世の中の 憂さは多かれ 苛立つも 我が手我が筆 誰も止めれじ 訳:世の中には不条理や理不尽が…
陽も射して 路傍の雪も 緩やかに 融けて麗らか 立春間近 訳:厳しかった寒さが薄れ、穏やかな…
雨音を メトロノームと 思ひつゝ 筆のリズムも 踊る十五時 訳:しとしと雨の15時。私の周囲の…
我が姪に あげる年玉 あと二回 嬉しくもあり 寂しくもあり 訳:成人すると卒業になるお年玉。…
一陣の 寒風起きて 凍てる耳 囁くやうに 冬でござんす 訳:めっきり寒くなった今日、強い寒風…
張り詰めた空気をまとふ午前五時そろり窓開け探す冬の音 訳:午前五時の空気はいつもピンと張…
遅すぎる 秋を奪ひて 行く風の 頬撫で過ぎて 吐息ぞ白む 訳:11月になってもまだ暑かった異常な秋を、一陣の風が奪い去ってしまったようだ。 その風は私の頬を撫でながら通り過ぎ、ふっと吐いた息は既に白くなっていた。