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蕎麦喰ひて 底に残りし 此の一本 腹膨れずも 愛でるべき哉 意味:蕎麦を食べていると、器の底…
見上げれば 雨の音する 都心にも 静けさまとひ 六花の便り 意味:空を見上げると雨音がする都…
寒々し 師走の朝に お茶漬けを かきこむ匙の 湯気もあたゝか 12月の早朝はとても寒い。身体を…
師走入り 筆を眺めて 傷だらけ そっと触れゝば 我がことのやう 意味:師走になり愛用の筆を眺…
冬の朝 きりゝと締まる 空気触れ 我が身も締まる 気持ちこそすれ 意味:冬の朝のきりりと引き…
南風吹かば 荒れる野分を 案じつゝ 恙無くくあれ 我が秋津島 意味:南の空から暖かく湿った強…
祈りつゝ 今か今かと 待つ親に 泣いて教える 誕生の瞬間 意味:我が子の誕生を今か今かと祈りながら待っている親。我が子が生まれ落ちたことすら、泣き声で教えてもらった。親は一生子どもに教えられながら生きていくのだね。
暑き夜に 上がる花火が 咲く刹那 ぴたりと止まる うちわの扇ぎ 意味:暑い夜の花火大会。夜空…
短歌とは 己が心の 雄叫びを 投げつけ喚く 魂の歌
愛娘 期待と不安の 新学期 花弁となりて 着いて行きたし 意味:愛する娘が期待と不安を持って…
我が肩に はらり降り落つ さくら花 側に居てよと 歩みもそろり 意味:私の肩に桜の花びらがは…
幼な子が 祖母と耕す 畑では 土のみならず 心耕す 意味:散歩をしていると、畑で小さな子ども…
休日の 朝餉の後は 微笑みて 白磁の匙を 珈琲の海へ 訳:休日に少し遅めの朝食を取った後は、…
辰の刻 求めし蕎麦は 城下町 きりゝと硬く 旨さ十割 訳:午前八時に家を出て食べに行った蕎麦処は城下町にある。その蕎麦はきりりと硬いコシがあり、蕎麦の割合は分からなかったけれど、十割満点の旨さで間違いなかった。