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5月15日(日)夏休みのプールを異動一年目で無くした話#93

みなさん、おはようございます。(こんにちは。)(こんばんは。)

今日は、そろそろ水泳学習の提案がされることだと思うので、水泳についての記事を書きたいと思います。

ちなみにコロナで2年くらい水泳学習がまともにできていませんでしたが、今年はどうなんでしょうね。

(2〜3年生はほとんどやってないので不安ですよね)

水泳学習におけるプール管理のリスクやコストが叫ばれていて、外部への委託を行なっている例もあり、水泳に関しては学校で今後行うべきかどうかは議論になりそうなところです。

自分は水泳に対する嫌悪感は、そこまでないのですが、やはり10年以上体育主任をやってきた身としては、プール管理は気を遣うし、大変なことは事実です。

だって出勤日ではない夏休みとか土日にも塩素濃度測って、塩素の玉を投げ入れに出勤してましたからね。

それに近年は、、、

プールに給水したらそれを絶対に忘れないってことだけは、ビビりながらも人一倍気にしていました。

さて、今日のタイトルは

夏休みのプールを異動一年目で無くした話。

です。

(一応、ノンフィクションです)

(あ、いつもの記事もノンフィクションよ笑)

コロナで水泳学習がここ2年は中止になったり、縮減されたりしていましたが、今年度はそこそこ復活してくるのではないでしょうか。

授業での水泳学習も色々と言われていますが、学習指導要領にも載っていて、そして年間指導計画に位置づけられているので、今年度にこれをいきなり無くす事は難しいでしょう。

(緊急事態宣言が出れば別ですが)

ただし、夏休みのプール(水泳学習)を無くすことは、その理由と提案の仕方次第では可能ではないかと思っています。

ちなみに、やりたくないから無くすのではなく、目的を見失っている上に、安全面の心配もあり、さらに負担も大きいことから自分は夏休みのプールを止めるという提案をしました。(3年前の話)

しかも異動一年目で、です。

(怖いもの知らずでしたね笑)

今回の記事をお読みになった方が、自分の勤務校での夏のプールを無くせるかどうかは約束できませんが、こういう一例もあると知っておいていただければと思います。

転用すると他のことでも使えるかもしれません。

そもそも夏の水泳学習とは何か?

いろんな自治体や学校で細かい部分は違うとは思いますが、夏休みに学年別、もしくはブロック別に水泳学習を行うことです。

(高学年対象に25mを泳ぎ切る特訓コースを行ってる学校もありました)

子どもたちには、一学期末に手紙などで呼びかけて参加は任意です。

この夏休みのプールも、コロナ前の数年は7月いっぱいくらいで終わりにしていましたが、自分が働き始めてからの数年間は8月の1〜2週目くらいまでやっていた記憶があります。

しかも午前だけではなく、午後の部までやっていた時もあります。(とてつもなく大変)

もちろん、その学校の先生が担当するわけですよ(やっぱり大変すぎる)

ちょっと前置きが長くなりましたが、自分が夏休みのプールをやめようと提案した理由がこの三つです。


①まず学期内の授業の中でやれることをやるべきである

②任意参加なので泳力を伸ばしてあげたい苦手な子はそもそも来ない

③安全面の確保ができない


一つ目は、

まず学期内の授業の中でやれることをやるべきである

です。

これは当たり前のことだと思ってるのですが、なぜ夏休みにプールの学習だけ補講的なことをするのでしょうか?

多くの場合で、夏休みのプール学習の目的の一つに泳力向上を掲げています。

でも、本来ならばそれは学期中の学習の中でまずは最大限の努力をするべきだと思っています。

他校の先生が、『25mも泳げない状態で中学に送るのは恥ずかしい』のようなことを言っているのを聞いたことがあります。

これもおかしいですよね?

誰が恥ずかしくなる?

子どもですか?教えていた教師?

どちらにしろ、泳げないことは恥ずかしいとしてしまうのは、一方的な見方であり、教師のエゴでしかありません。


国語の漢字や算数などでも、同じようなことを言いながら夏休みや冬休みにやってるんですかね?

他の教科における学習理解をどの子もある程度の状態にして中学に送ってきたのでしょうか?そのために夏休みや冬休みに特別に補講を開いてきたのでしょうか?

おそらくほとんどの場合で答えはノーでしょう。

自分は、体育主任を何年もやってきました。

そして、このような体育の技能だけにこだわる場面を何度も見てきています。過去を思い返すと、自分もそちら側にいたと思っています。

しかし根本的に間違ってるというか、目的を見失っていることに気付いてからは考えを改め直しました。

〇m泳げることにこだわるのは、なかなか上達しない子どもの自信を失うことにも繋がるし、もしそのような泳力をつけてあげたければ、夏休みに頼らずに学期中の学習をよりよいものにしていくべきだと考えます。


二つ目です。

任意参加なので泳力を伸ばしてあげたい苦手な子はそもそも来ない


これは、一つ目と繋がるのですが、夏休みのプールって任意なんですよね。(当たり前)

で、任意だからこそ本当に泳力が著しく低い子は来ないと思います。(稀に参加する子もいるかもしれませんが)

だって、泳げないことを自分で分かっているからこそ、同級生からも泳げない姿を見られたくないし、足は遠のきます。

ちなみに自分が勤務校で夏休みのプールを実施していた頃は、高学年になればなるほど、特に女の子は夏休みのプールには参加していませんでした。

だったら、苦手な子の泳力を高めたいって目的は破綻しますよね?

そもそも来ないのですから。


もちろん、その子たちのためだけのプールではないですが、泳ぎたい子たちが楽しむという役割ならば市民プール等が代替してくれると思っています。


最後の三つ目は、決定打になった理由です。

安全面の確保ができない

とにかくこれに尽きます。

夏休みはというと、とにかく猛暑です。

朝でも35℃を超えることなんて普通にあるし、お昼には37〜38度になることもあります。

これだとプールまでの登下校の安全面が確保できないんですね。

プールとはいえ、熱中症にはなりますし、たくさん泳いだ後の帰り道にその危険性が高まります。

特に低学年くらいだと、自分の脱水状態に中々気付けないこともあります。

自宅に無事についたかどうかも見とれません。(保護者が仕事の場合もありますし)

さすがに登下校までは教員が付き添うのは、残念ながら現実的ではありません。

教員側も夏休みは研修があって、ギリギリで水泳担当も回していますし、その日に泳げるかのプール管理のチェックも朝からあります。

多くの保護者も仕事をされているので、送り迎えも難しいです。

ちなみに、猛暑による登下校の心配により、予定の半分くらいを中止にすることがあった学校もあったそうです。

そんな状態で、

安全面に不安を残した状態で夏休みのプールを実施する必要があるでしょうか?


30℃で暑いと言われていた時代と今は違います。その辺りの感覚もアップデートしていくと現実的ではないのが浮き彫りになってきます。

これらの理由で自分は提案を通しました。

+αでこれは働き方改革にも繋がります。

やはり夏休みのプール担当は大きな負担でもありますし、校内での研修もありますが、プール担当がなくなることで、同じ日にまとめてもらって出勤日を減らすこともできます。

そうすると、普段取りにくい休みが連続で取れるチャンスにもなります。

この提案を異動一年目で通したわけですが、楽な道のりではありませんでした。

体育部に事前に何度か自分の提案の理由を伝えて学年に根回しをしてもらい、管理職への相談も会議提案前に何度か行ってます。

またPTAの方にもお願いして、保護者の方々に理解してもらうことも忘れずにしました。

楽じゃなかったですが、

安全面に心配のある目的を見失ったものを削減しつつ、教員も休みが取れるという大きなプラスが生まれたと自分では思っています。


今日は、夏休みのプールについての記事を書きましたが、実際の学期中の水泳学習も、プール管理の面も含めて難しさを感じています。

いろいろと思うことはありますが、今、確実に言えることは、25mは泳げるようにしなくてはならない!という泳力向上至上主義からの脱却がスタートの一歩であると思います。

(井上拓也さんの水泳学習の発信を参考にするとよいと思います)

また、学習までは難しくともプール清掃を含めたプール管理に関しては外部委託を望みます。


というわけで、今日の記事はここまで。

読んでいただき、ありがとうございました。

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