見出し画像

Promethus-Xはなぜ注目されないのか。

答えはシンプルで企業からの強制力(Enforcement)がないからである。

GAIA-Xは、2019年10月にドイツ連邦経済エネルギー省(BMWi)が発表したオープンで連邦型(federated)のデータインフラストラクチャの開発と、そのインフラ上におけるデータ交換のエコシステムの形成を狙いとしたプロジェクトで、その狙いはECが示す欧州データスペースと類似しているものであることを当初から表明。ドイツ政府が提唱したGaia-Xはフランス政府の支持を得、2021年1月に非営利団体「Gaia-X European Association for Data and Cloud AISBL」として正式に組織化という流れをとっている。そして、GAIA-Xで開発したEDC(European Dataspace Connector))を各分野のーーXに使ってもらうということになっている。

Catena-Xは最も有名なデータスペースのうちの一つである。それは、2025年前後にCFT(Curbon Footprint)規制があり、欧州内外の企業群全体で部品・材料ごとのGHG排出量の足し合わせをする必要があり、企業にとっても喫緊の課題であるからだ。

翻って、Promethus Xにそのような強制力はこの瞬間はない。Promethusは、GAIA-Xプロジェクトの一つで、フランスが中心となっている教育、雇用、スキルに関するデータスペースである。Promethus Xは1901年フランス法に基づく協会で、使命は、個別化された学習、生涯学習とオリエンテーション、職業的統合、およびこれらの分野における研究を促進すること、そして、目標は、教育と技能のデータ流通のためのインフラストラクチャー・サービスを構築し、管理すること、そして、このインフラストラクチャーにより、これらの分野の関係者は、サービスを改善しカスタマイズするために、データをプールし共有することができる、と述べている。

→要すれば、協調領域のデータを共有、入手、提供することができる、さらには、教育の相互運用性が提供されるということだ。

Data Space Education & Skills (DASES) (prometheus-x.org)

このHPだけで理解できなかった点として、以下3点上げたい。
①活動資金はGAIA-Xのプロジェクトということであれば、民間企業と政府の資金で活動されているか。
②現在、フランスの企業・大学が中心であるが、他のEUの国は入ってくる可能性やアメリカや共産主義国家が参加したい場合はどう対応するのか(恐らく、入ることはできないと思われる。)
③2025年までに、そして、2030年までに達成したいことは何か。
④Prometheus-Xは、生成AIが出てくる前に構想されたものであるが、生成AIが広がることで、本活動への影響はどうか
等が気になるところである。

1) These activities are a part of GAIA-X projects, and I wonder if this organization is funded by private companies and the government.
2) Currently, this organization is mainly French companies and universities, but what are the possibilities for other EU countries to come in and what will be done if the U.S. or a communist country wants to join?
3) What do you hope to achieve by 2025 and by 2030?
4) Prometheus-X was conceived before the emergence of generative AI, but what is the impact of the spread of generative AI on the activities of this organization?

教育は国家百年の計というが、この動きは見逃せない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?