ゴローズ

これを読んでいる方でおそらくゴローズとは?を知らない方は、なんとなくですがいらっしゃらない気がしますので、ブランドの歴史詳細等は割愛します。ただ一つ。手に入れる壁はかなり高く..
私はひっそりと並べる時に並び、連敗を繰り返す一ファンだったりします。

その存在を知ったのは、尊敬する藤原ヒロシ氏のクロスを雑誌か何かで見て、なんだろうと調べたのがきっと初めてだった気がします。


https://ringofcolour.com/goros/

本物のインディアン イエローイーグルが作った日本のジュエリー

自分にとっての胸キュンポイントとしては、大好きな裏原で活躍しているデザイナーさんやら、ブランドの商業者さまやらはみな、必ずと言っていいほどゴローズのアイテムを持っている。そんな偏見を調べれば調べるほどもっていきました。

ゴローズといえば、並び。
いつか語りたいスニーカーでも並びはありますが、それとはまるで比較にならないくらい入店して購入するハードルが高いことを知った私は、いつか手に入れたい!ではなく、まるでTravis Scottとナイキのコラボモデルやトロフィールームのジョーダンがごとく、もはや手に入らなくて当たり前の幻のもの?なのでは?といった領域の認識をしていました。

そんな私が並び手に入れたいと思うようになったきっかけでいうと、単純な話ですが当時付き合っていた彼女へのプロポーズを考えた時でした。

彼女からは早くプロポーズしてな?(顎角度高め)と言われてたので、まさかプロポーズして断られたらどうしよう..なんてことは本当贅沢にも1ミリも思ってはいませんでしたし、一人暮らしも十分に堪能したと思ってましたので、むしろ新生活へのワクワクすらありました(お金はなかったですが..)。

ただふわっとながらも家族を今後支えていく大黒柱になっていかないといけない心の裏面で、ひっそりと縋れる人生のお守りが欲しいと思うようになりました。
当時はsupremeとtiffanyの胸熱なコラボがでたり、
クロムハーツが値上がりするよといった恐ろしいニュースなど色々とありましたが、そこでふとゴローズが頭をよぎりました。

“手に入れるなんて自分には絶対無理だと思い込んでいたゴローズ“
“色々と調べると怖いことがいっぱい買いてあったゴローズ“
“どんなアイテムがあるかなんて全く知らないけど格好いいアイテムだらけのゴローズ“

そしてやっぱり頭から離れなかったゴローズ

アメリカ育ちの自分にとってもブランドの象徴たるイーグルは、お金のコインにも刻まれているとても身近な存在だったこともあり、やはり切っても切れんなと

ちょろっとホームページをみてみるとちょうど次の休みの日が入店記録がない人が並べるタイミングが!
運命だと都合のいい解釈をして、彼女にも黙って並びに行こうと決意します。

色々と調べ自分なりのアメカジの格好をして(やっぱりデニムは外せない)、断片的な情報を頼りになんとか抽選場所へ遅刻することなく到着します。
日頃のスニーカーの列なんて目じゃないくらいたくさんの人が並んでいました。
警備の方とIDチェックを済ませてしばらく並んでいると、店員さんが付箋を持って順番に人数を確認していくのでした。ここも勉強していたところ!人差し指を立てて無事に付箋をもらい抽選の資格をここで漸く無事に得ることができました。
不安と緊張の最中、ただ店員さんのつけていた小さなシルバーのフェザー、そしてフェザーのリングの輝きが目について、離れず気づけば時間があっという間に。

当たり か はずれ か
iPadを警備の方が代理で押してくれる形式で、これはatmosで経験があるぞと(atmosのは番号が出てきますが)。

ただどんどん前の人がはずれていく。これは恐ろしいことに、はずれがでたらもうその日はお終いなのだと。
土日勤務の自分にとって平日並ぶなんてなかなかできないですし、来月は新人が並べる日はなく、きっと次これたとしてもその時にはプロポーズなんてとっくに終わってるだろうな〜なんてふと悲しい気持ちに

私の番....当たり

当たり??????と頭が何だか深海の底のようにまるで真っ暗で、もやがかかったようになっているうちにこっちにきてくださいー、と誘導され左手に紙のバンドを巻かれました。

え???と、、、
え???と、、、

この後入店の番号を決める抽選があって、運が悪いと入らないこともある。なんてことも事前勉強して知っていたのにも関わらず何故か目に涙が滲んできました。まさか一発で当たりがでるなんてと
列の後ろに移動して、入店番号を決める抽選を待ちます。
性格が変わったように手首のバンドを強くもう片方の手で握りしめて、絶対に入店してやるぞと
俺が入らないなんてありえないぞと気合をiPadへ向けて集中します。

列は進み前の方が不幸にも遅番、入店はお約束できませんと..
やはりあり得るんだと緊張と空元気を胸に俺の番号は

5番

番号をバンドに書いてもらい、集合時間を伝えられます。

まさか当たるなんて思いもしなかったので、大慌てで銀行へ走りながら何を買おうか、、何があるのかを調べます。
予算は引っ越し代、そしてプロポーズにかける費用を除いたなけなしのお金

そういえばそもそも金額がいくらなのかもわからずとにかくパニックの波です。

スマホを手にとってあれとあれとあれとと
色々と調べようとしましたがふと当初の目的、自分の人生のお守りをということを思い出しました。
変に先入観はもたず、ここは一発..インスピレーション、何も考えず好きなものを買おうと心に誓います(これあんまり良くない性格)。
お金が足りなければそれも縁だと、出会えるものに手を合わせて何か一つでも買えるんならと携帯をカバンにしまいコンビニへお昼ご飯をウキウキと買いに行きます。

集合時間直前、憧れたオレンジ色のゴローズの前へ行くと、手すりに順番に座っでお待ちくださいと警備の方
これはあれだ、、昔みて憧れた場所だと感動します
集合時間少しになるとバンドを巻いてくれた店員さんがシャッターを上げて出てきます。

ここまでの方、階段までどうぞと無事1グループ目
順番に住所を書いて注意書きの紙を回し読みします
転売はしないでね、なんて当たり前じゃないか..!とclosedの看板がかかっているドアに向かって敬礼

順番に一人ずつ入店が始まります

携帯は触らず、壁の冷たさを指先から感じ、意識してないと転んでしまいそうな階段に集中しながらも自分の番を待ちました

そして前の方がドアから出た瞬間

お待たせしました
とドアを開けられ中へご案内されます

独特の空気感、革の匂い、感じたことのない緊張感
そして間違いない、記事で見て憧れたあのゴローズの中に自分がいる

足が震えていることを出た後に笑いながら知った自分にカウンターの店員さんが声をかけてくれます

『こちらから選んでくださいね』とみたショーケースを指差し、その先には夢にまでみてフェザーやメタルが..!

泣き出してしまいそうな自分、ピカピカなフェザーが数本並んでありましたが頭が真っ白に

色々と話をしようと思っていた自分

“今度プロポーズしようと思ってお守りとして勇気を出して思ってきたこと”
“アメリカに住んでてなんなら、インディアンの血を引く友達がいること”
“自分が憧れている人がみんなゴローズをつけてて、今まさに夢のようであること”

そんなこと一切思い出せず頭が真っ白です

そこで視界にパッと入ってきた一枚のフェザー

オールシルバーのターコイズ付きの特大フェザーでした
他にも意識を向けようとしても、やはりそれが目から離れない

真っ白なシルバーに青く光るターコイズが美しくて、たどたどしくもこれが欲しいことを伝えます

『向きはどちらがいい?』と店員さん

『左向きがいいです』

ファーストフェザーは絶対に左向きにしようと決めていました
なんとなく2枚になっても左向きが主役になると勝手に思っていたのです

『こちらはご用意できますので〜』

それを聞いて初めて息を吐けた気がしました...。

他にはどうする?と言ってくれて緊張のあまり、もう大丈夫です!!と言ってしまった自分
今となってはまじ卍勿体無い....。

革紐はベージュ、なんとなく白や黒ではなく、
これもその時にそれが一番いいと思ったんです。

オレンジのカラービーズを一つつけてもらいお会計
よかった、、足りた、、お金、、とここでも安堵

退店するタイミングで漸く一言
どうしたと伝えたかった

『また絶対にきます!!これ死ぬまで大事にします!、
よろしくお願いします!!!』

『ありがとう!よろしく!』と返事をしてくれました。
その後階段の一番上で写真を撮っておしまいです。

そしてこれが入店記録、夢にまでみたゴローズにきた証となります。

階段を気をつけて降りて急ぎ走りで交差点へ

首にかけてもらったばかりのフェザーを右手でにぎりしめ、少し離れたところでスマホのインカメラをつける。

自分がゴローズをつけている



なんとも言えない感覚に包まれて、
kith tokyo→supreme→食べログで探したちょっと星の高いお店で昼ビールのいつもの黄金ルート

ただずっとフェザーを触り撫でて、首から外して眺め、そして大事にまた付ける。
この昼のビールはまるで味のしない炭酸水のようで、アルコールに酔う感覚なんてのはなく

ただ一つ何かが自分の中で変わったその幸福感に酔いしれて、私は家に帰って行ったのでした

妻にお守りであるくだりは秘密に、出来事と戦利品をシェアすると、
『へ〜』と、一言w
それでいいんです、これは自分だけの体験なので

以上が初めてのゴローズ
あの時買ったフェザーは真っ白から少し黒く、ただ変わらず美しく青色のターコイズが光っているように思えます。

ここからラッキーにも私のゴローズ人生は始まったのです。

まさか次に12連敗するなんてこの時は知らずにな。
チェーンと相方のフェザーとあれとあれを買った二回目の入店の話はいつの日か

しまいです


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?