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内定承諾率95%を実現するオンライン採用面接での見極めの極意


こんにちは、株式会社ゆめみの片岡です。

昨年に続いて2020年度採用アドベントカレンダーにお誘い頂きました。キャスターさん有難うございます。


今年は「オンライン採用面接の見極め」について記事を書くことにしました。

背景として「採用の見極め」は経験ある面接官でさえも、とても難しく、私自身も20年以上面接を行う中でも非常に苦労してきました。

そして、実はコロナ以前からオンラインでの最終面接を積極的に行ってきたのですが、オンラインにおける採用の見極めは従来の面接とは異なる特徴がある事が分かってきました。

今回は、オンライン面接を行っても、内定承諾率が下がることはなく、むしろ80→95%と向上した理由と見極めのポイントをお伝えできればと思います。
(※2020年12月現在、過去1年の中途採用内定承諾率は95%以上)

もちろん、内定承諾率向上の背景には、ゆめみに合う人が応募してもらえるような情報発信と興味喚起を意識している事もありますが、退職率低下も合わせて考えると、見極めの精度が上がっている事を実感しています。


オンライン面接をコロナ以前から行ってきた理由

まず、オンライン面接をコロナ以前から行ってきたのは理由があります。

過去な中途社員の最終面接を行う場合、候補者の方が終業後、会社に来訪してもらう為には、どうしても面接時間が夜の18時〜20時といった遅い時間帯になる事が多かったからです。

採用に力を入れる中で、私自身も毎日のように夜に面接が入る事になってしまいました。その結果として、ネットワーキングや勉強会参加といった重要な活動を行う事ができなくなったのです。

ゆめみでは社員の約30%が面談・面接に関わっているので、一人当たりの面接の負担は分散されてはいますが、それでも社員にとっても勉強会参加の機会を奪われることに繋がっていました。

当時はまだオンライン面接は決して一般的ではなかった為、候補者の方にとっては「最終面接を慣れないオンラインで行うことで上手くアピールできないのでは?」という不安もあったと思いますし、「候補者体験を損なうのでは?」という懸念も社内ではありました。

ただ、私はいずれオンライン面接が当たり前になると信じていましたし、将来の社員になる候補者の方にとっても、仮にゆめみに入社した上で夜遅くに面接を行うことになると、結局のところ社員体験を損なうことになるので、候補者の方にとってもオンライン面接であるべきだと思いました。

実際に、約2年前には、平日の日中あるいは(片岡の場合のみ)土日に面接を行えるようにオンライン面接を行うことに切り替えました。現在では、午後13時〜17時の間に限定して最終面接時間は設定しており、午前中はディープワークと呼ぶ集中した作業や意思決定の時間としています。その結果、私自身の仕事のリズムも作れて生産性向上にも繋がっています。

肝心な事として、候補者体験を上げる一方で、社員体験を損なってはいけないのです。

結果として、土日に最終面接を設定可能とすることで、最短1週間の中で、一次面接及び最終面接を行う事もできて、面接のリードタイム短縮、内定承諾率の向上につながりました。


オンライン面接をして分かった3つの特徴

結果として、オンライン面接をして分かった特徴が大きく3つあります

① 逐次的なやりとり
② 表情や仕草など視覚情報での見極めはエラーが発生しやすい
③ 構造化面接がオンライン面接では向いている事


① 逐次的なやりとり

というのは、オンライン面接では相手が喋り終わったのを確認した後に、こちらが話すといった形で、交互に話終わりを確認しながら順番に会話をする事になる為、逐次的なやりとりが特徴的になります。

その結果として

・面接は比較的1問1答のやりとりになりがち

です。

掛け合いのようなやりとりは無く、少し改まったやりとりになってしまう事は、私もオンライン面接を行ってから違和感を感じる事はありました。

一方で、後ほど説明しますが、結果として構造化面接と呼ばれる面接が自然と導入しやすくなったり、見極めの精度を上げることができるようになりました。


② 表情や仕草など視覚情報での見極めはエラーが発生しやすい

次に、人間は視覚から得られる情報に影響を受けるため、対面での面接では、表情、仕草などの非言語情報を参考にする傾向があります。これは面接官のバイアスにも繋がっています。

一方で、オンライン面接では、通信環境により映像に乱れがあったり、照明の影響で暗い表情に見えたり、視覚から得られる情報が頼りにならない場面があると言う事が分かってきました。

実際に、ゆめみ ではZoom会議で視覚情報から得られるフィードバックをお互いに行う事を不定期に行っていますが、「元気なさそう」と感じた事を相手にフィードバックしたところ「単に照明が暗かっただけ」と言う事も起きています。

オンライン会議における視覚情報は頼りにならない事もある


そんな理由もあるため、私は敢えて視覚から得られる情報を頼りにせず、むしろ聴覚から得られる言語情報を以前よりも頼りにするようにしました


具体的には候補者の人が話す言葉についての

・言葉遣い
・間(ま)
・抑揚や語気
・言葉の自覚性

などについて注目するようになりました。


時には、視覚から入ってくる映像を観ないで、耳からの情報を注意深く聞く事もあります。

改めて耳からの情報に注意深くなると、視覚からの情報に無用に惑わされないで済む事が分かりました。

実際に、後ほど参照する記事によると、対面での面接では視覚情報から得られる非言語情報によって認知バイアスの影響を受けやすいと考えられているようです。


③ 構造化面接がオンラインでは向いている事


3つ目のオンライン面接の特徴としては「構造化面接」と相性が良い事です。

構造化面接とは

面接官による評価のバラツキを無くすため、採用要件を明確にしたうえで、あらかじめ評価基準と質問項目を決めておき、マニュアル通りに実施していく


Googleが導入している事でも有名であり、バイアスの影響を一定受けない為の有効な手法とされています。


ゆめみでは、最終面接の日程のご案内をする際に、事前に面接のFAQをお送りしています。その上で、FAQには最終面接の質問内容と流れが公開されており、実際に最終面接はその通りに面接が行われます。

加えて、評価基準や不採用基準も事前に公開しているため、ある意味全ての手を明かした状態になっています


質問項目は下記のように、中途、新卒や職種問わず全て共通した内容になっており、難しく考える必要が全く無いものになっています。

1. 事前アンケートで記載してもらったいた転職・就職先への希望・期待する事についての詳細質問
2. 今後のキャリアについて(専門的な職種として、どういった経験を得たいか)
3. 普段の自分なりの勉強の仕方
4. 過去、学校や会社などで友人・先輩、上司、顧客からの人物評価やポジティブなフィードバックの例

大切なのは、不自然な質問を不意をついて行うような事はせず、十分に事前に考える時間を用意した上で、自然体で話をしてもらう事が重要になります。

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構造化面接だと候補者に対して全て同じ質問をする事になります。それだと臨機応変な質問ができないので?と思う方もいるかもしれません。慣れてくると分かるのですが、実は構造化面接では、質問内容をいつも同じにする事で、候補者の方の回答の差分から得られる情報を頼りにして見極める事が行いやすくなります。面接の回数を重ねるごとに、それぞれの候補者の方の差異の違いが感じられるようになると思います。

とは言うものの、ゆめみでも「構造化面接を導入するぞ!」と最初から決めた訳では無く、最終面接をオンライン面接で行う中で、自然に構造化面接になっていったのですが、背景には構造化面接がオンライン面接と相性が良いと言う事があったのだと思います。


オンライン面接における特徴分析のまとめ


以上のようなオンライン面接の特徴については、以下の記事でも分析されています。

もともと会話がやりにくいウェブ面接では、構造化した方が会話がやりやすくなり、能力発揮感も覚え、面接官に対しても良い印象を持つということです。
対面面接は、言語的情報よりも、候補者のジェスチャーや声色、目線、服装や髪型など非言語的手がかりをもとに候補者を評価していることが分かっています。
研究結果を見てみると、対面面接では非構造化の場合に面接官を高く評価する傾向がありますが、ウェブ面接の場合は構造化をしたときに面接官への評価が高いことがわかります。


では、オンライン面接における特徴を踏まえた上で、更に見極めの精度を上げていくために、その他にどのようなアプローチを気をつければ良いでしょうか。

少し内容が特殊で込み入っている部分もありますが、私なりに3つのポイントをご説明します。


(A)尋問型から共感型の面接環境の構築

見極めの精度を上げるために私が大切にしている事として、面接環境の構築です。

極端に言えば、旧来の面接は、尋問型と言えるものだったと思います。

- 取り調べのような形で、色々な確度から質問をして本性を丸裸にしようとする
- 面接官は時には緊張をさせたり、予想外の質問をしたりする

このような面接をしても、候補者自身が面接官の経験を多く持っていたり、営業職の人であれば、面接官の誘導質問にも、意図を察して動じずに振る舞えてしまう事があります。



そのような面接慣れしている人に対しては、更なる予想もしない質問をすると言った「騙し合い合戦」が行われる事もあります。実際に私も過去はそのような突拍子もない質問を不意にぶつけて反応を見るという事も行っていました。

しかしながら、時には、思い込みが強い人が中にはいるのです。現実や実態と解離があるにも関わらず、本当に自分が優秀と思い込んでいる人もいて、騙し合いをする事にも限界があることに気付きました。

一方で、人材獲得競争が激しくなる中で、そのような尋問型では候補者体験が損なわれる事もあり、新しい面接環境が必要となっています。

それは「共感型」だと考えています。具体的には以下のような面接環境が大切です。

- 候補者に緊張をさせず自然体で入れるようにする事
- 悪い事、できていない事や悩みも含めて、お互いが自己開示する事
- お互いが大切にしている事を率直に話をして、共感しあえるかどうかを確認する事


人材採用が困難な時代においては、見極めの観点だけでなく、アトラクト(魅力付け・動機形成)が一方では大事になってきますので、候補者体験向上の観点でも共感型は重要になります。

一方で、共感型の面接では、候補者の方の「素の部分」「本音」「弱み」「悩み」などがより明らかになりやすいため、見極めの精度向上にも繋がるのです。

例えば、自然体を作り出す一般的な方法として「アイスブレイク」があります。

ゆめみでは、アイスブレイク設計として各自が行っているアイスブレイクのやり方を共有して、他者のやり方を参考にしながら学びにつなげています。(参考:ゆめみでのアイスブレイク設計


また、RJP(リアリスティック・ジョブ・プレビュー)という、ありのままの会社の姿を伝えるの自己開示のやり方は、入社後の期待ギャップを防ぐことにも繋がっており、ゆめみでは積極的に行っております。


また、最近では、面接内容を動画で録画する事を一部で行い始めています。録画の目的は候補者体験の向上であり、録画内容をもとにして、各面接官の対応についてフィードバックを行いながら、共感型につなげていけるようにしていきたいと考えています。(まだまだ共感型には至っていない為)



(B)職種毎の因子と個人特性の合致率

では、自然体の中で明らかになった候補者の素な部分から、どのような特徴的な性質を理解する必要があるのでしょうか。

スキルマッチについては、ゆめみの場合は一次面接の前に、コーディング試験、ポートフィリオ試験、ワークサンプルテストによって見極めを行っています。

従って、面接ではそれ以外の要素を見極める事になりますが、まず最初に行うべきは「職務分析」です。

それぞれの職種毎に、その職務を行う社員に共通して見られる特徴を定義しておく事です。これは構造化面接における評価基準を定める際にも必ず必要になります。

構造化面接の評価基準の中には、能力基準として「業務標準を定める事ができる」「指導できる事ができる」といった「〜できる」という能力についての基準を定める事もあります。

そのような構造化面接での評価基準も重要になりますが、私が最終面接で見ている特徴は、そのような能力を結果として獲得するに至った、より本質的な候補者の思考特性や志向性を社員の行動や発言などから分析して見ています。

なぜ、思考特性や志向性という因子を重視するのかという理由としては、現時点で実務で通用する一定の能力があったとしても、職種にあった思考特性・志向性がないと、専門的な職種に求められる能力を突き詰めて磨き上げていくには、将来的にどこかで飽きや妥協や限界がくると考えているからです。


そのように個人の特性の中でも、性格、価値観、弱みなどでは無く
「思考特性・志向性」を対象にして見極める事を意識しています。

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ここで、思考特性とは、論理的思考、批判的思考、合理的思考、直感的思考など思考のタイプを意味しています。

志向性とは、効率性、他者貢献、ユーザー体験、目標達成、完全性、など仕事における何を重視するかといった部分を意味しています。価値観の中でも仕事におけるアウトカムとして何を本人がついつい重視してしまうかという仕事達成観という絞り込まれた部分を重視しています。


背景には、ゆめみの採用戦術も影響しています。例えばソフトウェア・エンジニア採用において「フルスタックエンジニア」と呼ばれる幅広い技術領域を身に着ける事ができる人を採用するというよりは、特定の細分化された専門的な職種に特化した能力を持つ人を採用して、それぞれの職能集団が有機的に連携する事で組織としての価値を提供する事を狙っている為、尚更職種事の職務特性と合致するかをより重視しているのです。

なかなかフルスタックエンジニアでビジネス理解できる人という人を採用するのは困難である事と、厳密に言えば、フルスタックエンジニアも一つの細分化された専門的な職種として捉えるべきです。


例えば、職種毎の思考特性・志向性の一例を下記であげます。あくまで一例であり、また注意しておきたいのは、職種毎の人物像をステレオタイプとして型にはめて見る事はしていないという事です。

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大事なのは、職務分析の結果得られた職種毎の因子と、面接から得られた個人特性(思考特性・志向性)が合致しない場合は見送るという事です。


以上から職務特性についてまとめると以下になります

・職務分析を行い、職種毎の特徴的な因子を抽出する事
・面接で個人特性を全て見極めようとしない事
・職務特性と個人特性との合致率に着目する事


(C)言葉の自覚性について

視覚情報ではなく、聴覚情報を頼りにして行うオンライン面接においては、以下のように言葉に着目する事が冒頭で大事だと話しました。

・言葉遣い
・間(ま)
・抑揚や語気
・言葉の自覚性

言葉遣い、間(ま)、抑揚や語気といった聴覚情報からも候補者の心的状態などを感じるができます。

一方で、オンライン面接の見極めにおいて、今後、注目するべきポイントとして「言葉の自覚性」について最後に話したいと思います。

言葉の自覚性とは、候補者の人が話す言葉について、本人が自覚をして話をしているのか、それとも無自覚的に話をしているかといった認知のあり方の状態を意味しています。


例えば、「敢えて苦言を呈する」と言う文脈で話される「苦言」について考えてみます。この場合の自覚性は2種類あります。

①「言葉が相手にとって苦々しい物である事」を自覚している事
②  苦言を呈する事が、「相手に与える影響や結果」を自覚している事


面接の場で私がいつも聞いている事として「他者からの人物評価やポジティブなフィードバック」があるのですが、そこで実際にあった事についてお話しします。

ある候補者の人が「私は部下から慕われているとは思います」と他者からの評価として「少し嬉しそうに」話をしてくれました。

ここで私は違和感を持ったのですが、その違和感を分析すると次のようなものでした。

背景には実際に人から慕われている人というのは、周りに配慮ができる人であったり、逆に、どこか抜けた部分があって周りから親近感を持たれるような事が多いという仮説があります。

ここで、周りに配慮ができるようなタイプの場合は、周りの人の気持ちを察する能力が高いのですが、そう言った人は「周りから慕われている」という言葉を自覚的に選択して「少し嬉しそうに」話す事は想像しにくいです。

理由としては、相手が本当に慕っているかどうかは、相手の主観的判断なので本人が断言しにくいものであるにも関わらず、それを「少し嬉しそうに」、そして面接の場で自覚的にアピールするという事は、周りの気持ちを察する能力の高さと強く一致しないためです。

どちらかというと、このようなパターンの場合は、部下が太鼓持ち的に上司に慕うような振る舞いを敢えてする事で、上司が無自覚的に喜ぶといった場面があり得ます。

この場合の「言葉の自覚性」についてまとめると次のようになります

・慕われている事について、本当に部下が慕っている気持ちがあるかどうかについて、無自覚的である事
・慕われるという言葉を使う事が違和感を持たれる可能性について無自覚である事
・慕われているという解釈を面接の場で、自覚的にアピールしている事


一方で、どこか抜けた部分があって周りから何故か親近感を持たれるような上司もします。過去にそのような候補者がいたのですが、その時の候補者の方の話し方としては「何故か周りの部下から相談される事が多いんですよねぇ」と「素に疑問に思う口ぶり」で話をされていました。

この場合の「言葉の自覚性」についてまとめると次のようになります

・「相談される」という言葉を自覚的に使っている
・相談される理由については無自覚的である
・相談されるという事実を面接の場で、自覚的にアピールするのではなくて、無自覚的な話し方をしている

以上のように、言葉遣い、間(ま)、抑揚や語気といった聴覚情報から、その言葉が「無自覚的か自覚的か」といった「自覚性」を判断できます。

その上で、自覚性も頼りにしながら、その人が話す言葉の真実性を判断していく事ができます。


相手を見極める事ができる達人であれば、このような判断を一瞬のうちに感覚的に無自覚的にできるかもしれません。一方で、そのような達人で無くても、オンライン面接という視覚情報が頼りになりにくい環境下で、より見極めの精度を上げていく為の訓練方法として、参考にしてもらえればと思います。

動画での面接が普及してくると、瞬間的に判断できなくとも、じっくりと分析する事も行いやすくなると思います。

私は、普段から全社員のSlackチャンネルの発言を毎日観察しながら、本人が話す言葉の自覚性を意識しながら社員の心的状態を推し量ると共に、見極めの訓練を行っています。面接を行う皆さんも何か日常的な行動の中で訓練を取り入れていくと良いと思います。

一方で、どんなに見極めの訓練を行ったとしても、最終的に人が人を見極める事の精度はどこまでいっても高くない事から、多面的な判断方法を採用する事をお勧めしたいと思います。

以上、長くなりましたがアドベントカレンダーの記事となります。

メリークリスマス!


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YUMEMI Inc. 代表 ゆめみでは、法人企業が展開するB2Cのインターネットサービスの成功を目標にして、サービスの立ち上げから継続的なサービスデリバリを共に行います。