ゆめみの中途採用プロセスを全て公開します(2020年上期:データ考察編)
2019年12月に「中途採用プロセスの内容」思い切って公開して、多くの反響をいただきました。
前回から半年経過しましたので、その後の変化をお伝えします。
半年でずいぶん採用環境は変わりますよね。。
今回は、2020年1月〜2020年6月の期間に対して
・前回からの変化
・新しい取り組み
を、データや数字を元にした「データ考察編」をお伝えできればと思います。
それ以外の○○○編も随時公開したいと思います!
①一次面接の合格率の変化
採用フローについての数値は思ったよりほとんど変化がなかったです。
大きな変化としては「一次面接合格率」が50%から35%になりました。
これは、背景としては一次面接の位置付けを「アトラクト」としているため、面接官としては「まぁ、落とす理由が見当たらないから最終で判断してもらおう」という理由で、最終面接に進むことが多かったからです。
私が20年間面接をやり続けて感じるのは、「見極めの評価」と「アトラクト」を真の意味で同時に行う事できない、少なくとも私には出来ませんでした。。
従って、中途半端に一次面接で見極め評価を行うことは行わず、自然な会話や、お互いに学びがある内容にしていく事を重視しています。
そこで、実際に「目指すべき一次面接の姿を」以下のように社内では定義しています
目指すべき一次面接像は「勉強会のあとの懇親会」
一次面接は、「勉強会のあとの懇親会」のようなスタンスで話をするという姿勢が望ましい。
その上で、候補者が技術談義や面接官にとっても学びがある話ができる人であれば、自然に話が盛り上がり、候補者にとっての印象もとても良く、結果として魅力付になるという考えです。
それは一方で、面接官であるあなた自信が、相手にとって学びがある話ができる人であるべき事も意味します。精進しましょう。
ただ、相手にとって学びが提供できる面接官であっても、相手がそれに対応できない候補者の人であれば、面接が盛り上がらない事もあるでしょうが、それは現実が実態を表している事で、盛り上がることに拘らないで大丈夫です
最終面接で必ず聞く質問の1つに「前回の面接での印象を教えてください」というものがあります。
そこで多い回答としては「カジュアルな雰囲気」「リラックスできて楽しかった」などが多く、実際に「懇親会みたいな雰囲気だった」という回答をもらった事もあります。
一方で、50%の合格率は流石に高いので、合格基準を上げたいという考えがありました。
そこで、評価基準を以下のように設定しました。
評価基準
A評価
ゆめみの既存メンバーと比較しても標準・平均以上の能力(経験不足の場合は学習能力含める)を保有している
採用枠がなかったとしても、ぜひ採用したいと思えるぐらいワクワクして一緒に働きたいと思った
B評価
ゆめみの既存メンバーと比較して標準・平均を超える能力や尖っているものが見当たらない
NG
上記に当てはまらない場合
なお、一次面接は見極め評価ではないので、評価基準については比較的曖昧であって良いとしています。
その上で「合格基準」を以下に設定しました
合格基準
・面接担当のうち一人でもA評価以上をつけている
不合格基準
面接担当のうち、一人でも「NG」を出していた場合
他の面接担当が「A評価以上」をつけていたとしても、一人でも「NG」が出ていれば不合格とする
面接担当の全員が合格だが、全員がB評価
現在、面接官は通常2名が担当していますが、
「2名のうち1名でもA評価をつける事」を合格基準としました。
以前までは、
「まぁ懸念点はあるけど、最終面接で判断してもらおう」
と不合格にしたくない面接官の心理で、2名の面接官が両方B評価をつけると合格になっていました。
現在は不合格になっています。
その結果、「一次面接合格率」は50%から35%に下がりました。
感覚的には3人のうち1名が通過というのは妥当な水準だと考えています。
一方で、最終面接の合格率は25%と前回から変化がなかったです。
これはどういった理由でしょうか?
一次面接の合格率が下がったにも関わらず、最終面接の合格率が変わっていないという事は、最終面接の基準も高くなっている事を意味しています。
背景としては、採用計画の変更として、新卒採用の割合を増やして、中途採用の割合を減らしているという理由もあります。
ここで、ゆめみの場合、採用枠に対して採用するジョブ型採用を行っています。
通常のジョブ型採用であれば、採用が充足すると募集停止になります。
もちろん、ゆめみも原則そうなっているのですが、急な採用に備えて、なるべく募集枠を停止にはしないでオープンにしています。
一方で、事業環境の変化によって、急な採用が必要になった場合、そこから慌てて採用を開始しても、入社までには4ヶ月〜6ヶ月のリードタイムがかかってしまいます。
従って、なるべく募集をオープンにしておいて、急な採用に備えているのです。
結果として、以前までであれば合格していた水準の人も、採用枠の関係上、最終面接で不合格になる割合が増えました。
以上のような経緯から
応募数に対しての内定率は1.8%から1.3%に低下
しました。
ただ、1〜2%という数値は妥当な水準だと考えています。
仮に、応募数に対しての内定率が0.1〜0.5%になるのであれば、募集要綱の必須要件の水準を上げていって、応募数を調整する必要があると感じています。
その他の数値の変化として
内定承諾率が90%から92%に変化しました。
感覚的にも、志望度が高い人が増えているというのは、ゆめみに合った人に応募いただいているマッチング精度が高まっている理由があると思います。
一方で、シニアエンジニアの採用に力を入れている中で、Twitter転職として比較的有名なエンジニアの採用機会があれば、ダメ元で、私は直接DMを出しています。
知名度があるエンジニアの場合、相当数の企業オファーがあると予想され、採用難度も高い為、内定承諾を頂けないケースが今回ありました。
そのケースを除いた応募からの内定承諾率に限れば「96%」となっており十分な数値になってきております。
今後は、ダメ元オファーも増えていくので、内定承諾率については85〜90%を適性水準として考えています。
②採用経路の変化
半年間の採用方針の変化に伴って、以下のような採用経路の変化がありました。
具体的には「エージェント比率」が上がっています。
前回の記事でも、2019年下期はエージェント比率を下げて採用単価の最適化を行うという事で、10%まで比率を下げました。
一方で、2020年度以降はこれまで中途採用で採用してきたミドルクラスのスペシャリストを新卒採用で採用する事にしております。
その背景には
・新卒採用力を上げていける見込みが出てきている
・テックリードのチーム体制が整ってきており育成力が上がっている
・結果として、新卒採用の方が長期的には成長費用対効果が高い
が理由としてあります。
具体的には、
中途採用向けに行ってきた「認知拡大」「興味喚起」に繋がる採用マーケティング施策が、新卒向けにも効果を上げている。
その結果、自己応募での新卒採用も増えてきています。
また、昨年中途採用したエンジニアに対する技術支援体制として、プロジェクトを横断したテックリードチーム体制を構築しました。
その結果として、新卒向けの育成力も上がりました。
これらの変化により、新卒を採用して、育成する事が長期的には費用対効果が高いと判断できるようになってきました。
結果として、これまで「自己応募」で採用していた、ジュニア・ミドルクラスの中途採用が、新卒採用で代替できるようになりました。
ゆめみでは在籍率の高さから、同レベルであれば新卒採用を優先しています。
その結果、中途採用の「自己応募」からの合格割合が減ったのです。
そして相対的に、中途採用におけるエージェント比率が上がったという経緯がありました。
このように、企業毎のビジネスモデルやフェーズによって重要な観点は変わりますし、育成やその後の継続的な在籍に繋がる、最適な形を考えるべきだと考えております。
③コーディング試験の提出までのリードタイム
最後のデータは「おまけ」となります。
ゆめみでは全てのエンジニア採用において、コーディング試験を実施しています。
コーディング試験の提出期限は7日間と設定しているのですが、合否と提出期限の相関関係を調べてみました。
データからわかることとしては
・コーディング試験で不合格になる人は「ギリギリの提出」になっている
・コーディング試験に合格した人であれば、その後1次面接での合格・不合格の違いによる提出までの期間の差はない
・最終面接での合格・不合格については明確な差がある
でした。
なお、最終面接の合否基準は明確に定めており、事前に公開もされています。
また、質問内容も構造化されており、候補者に事前にどんな質問をするかは公開されています。
なぜ、最終面接での合否で差が出たのでしょうか?
仮説としては、最終面接での観点として
・クリティカルシンキング
・問題解決力
・メタ認知・メタラーニング力
・技術への好奇心
・キャリアの明確性
のように、仕事で成果を出すための基礎能力を重視しているため、上記のような「提出期間」という成果にも差が出たのではないかと考えています。
以上のようにデータ・数字をもとに半年間の変化をお伝えしました。
また、次回の半年での変化についてもお伝えできればと思います。
また、1年間ぐらいオンライン面接を行ってきた中でのノウハウなどについては、「オンライン面接編」として、別の機会に記事にできればと思いますので、楽しみにしてもらえればと思います。
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