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ジョージ・フロイドの死から1週間 ~米リポート~

過激な描写を含みますので、どうか閲覧注意して下さい。

そして、ジョージ・フロイドさんの死については、事件3日後に先ずレポートしていますので、良ければこちらから一読下さい。

今週は、本当にアメリカに20年住んで一番辛い一週間でした。私が住むロサンゼルスを含め、全米各州各都市でプロテストがあり、その中の少数派が暴徒化し、火を放ち、窃盗を起こし、数々のビジネスが壊滅的なダメージを受けてしまいました。今のロサンゼルス市は、ナショナルガード(軍)がLAPD(ロス市警)の援護に入り警備に当たっていますし、カリフォルニア州ではState Of Emergency(緊急事態宣言)も発令し、木曜からCurfewOrder(門限制)が出て、夜6時から翌朝6時までは、仕事や病院などの外出以外は禁止されてしまいました。CurfewOrderは、LA日時2日の火曜もなお継続発令中です。これからどうなっていくのか私も初めての事でとても不安な日々が続いています。また精神的にも少し不安定ですが、出来る限りレポートして残して行こうと思っています。

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ここで、ミネアポリス市を少し振り返ります。

5/25(月) 夜 ジョージ・フロイドさんを警官が犯罪容疑で逮捕中に昏睡状態になり、緊急搬送するも、病院で死亡が確認される。逮捕の過程を数人の市民と、数台のセキュリティーカメラ、そして警官のボティーカメラで一部始終は撮影された。

たまたま居合わせた住人は現場をライブで配信していて騒然となる。全世界に一気に拡散された。


5/26(火) ミネアポリス市警は、ジョージ・フロイドさんの死因を医療事故と発表する。そして、FBIと合同捜査の方針を表明。死因の発表に納得のいかない市民は、現場に献花をしジョージ・フロイドさんを追悼し、その後大きなプロテストへと動き出す。

同日、ミネアポリス市警は、今回の事件に関わった警察4人を懲戒処分に課すも、市民の怒りをますます助長する。(市民は、殺人を求刑)

そして、怒りの市民は、ミネアポリス市警にプロテストし、第三分署でとうとう対時する。

同日、ミネアポリス市警は、検視の初期結果を発表するが、司法解剖の詳しい結果はまだ出ていないと付け加えた。ミネアポリス市民の警察に対する怒りは、到底おさまらないが、その後雨がひどく降り始めた為人々は岐路についた。


5/27(水) ミネアポリス市の活動家は、昨晩の暴力的プロテストを観て、どうか平穏にプロテストをして下さいと市民に嘆願した。

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そして、午後1時半に逮捕に関わった4人の警官は、取り調べから解放され保釈された。

彼らの保釈は、殺人を求刑する市民の怒りをそこ撫でし、ミネアポリス市警前にまたプロテストを扇動してしまう。

今回の怒りは、前日より収まらない。市民は、”No Justice, No peace!”(正しい判決なしでは、平和は得られない)とミネアポリス市警に訴えた。そして、その晩、ミネアポリス市警は市民によって制圧され、火が放たれた。警察が逃げる程の市民が押しかけていた。


5/28(木) 朝ミネアポリス消防局は、30か所で火災があったと発表し、その数時間後には、FBIと米検事総長は、この事件を国家の最重要課題として取り扱うと表明した。

時を同じくして、ジョージ・フロイドさんを追悼しようと、地元のアーティストが集まって、Mural(壁画)を描き始める。

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その日の夕方、今回の件に関わった4人の警官は、合衆国憲法修正五条を理由に、調査に協力することを拒否した。

合衆国憲法修正5条とは?何人も、大陪審の告発又は起訴によるのでなければ、死刑又は自由刑を科せられる犯罪の責を負わされることはない。何人も、同一の犯罪について、再度生命身体の危険に臨まされることはない。また、何人も刑事事件において、自己に不利な供述を強制されない。とされる。The Fifth Amendment creates a number of rights relevant to both criminal and civil legal proceedings. In criminal cases, the Fifth Amendment guarantees the right to a grand jury, forbids “double jeopardy,” and protects against self-incrimination.

そして、プロテストは、首に膝を押し続けた警官デリック・チャウビンの自宅前に押しかける。警察が、機動して均衡を図る。

夕方には、今回の逮捕の発端となった911通報のボイスレコーダーを書き起こしたレポートが発表される。レポートでは、酒気帯びのジョージ・フロイドさんが、偽の$20札を使用した疑いがあり、店員が911へ通報したとあった。

そして、その晩も市民はプロテストを続けた。


5/29(金) 朝のリポートによると、ミネアポリス市では前日の夜に170店舗ものビジネスを破壊し、そのうち19件の火災にミネアポリス消防署は対応したと発表したが、その時点では、ミネアポリス市南部はまだ鎮火されていないところもあった。

そして、正午に膝を首に立てた元警官デリック・チャウビンにミネアポリス市は、第3級殺人を求刑し、チャウビン容疑者は逮捕された。市民に発砲し射殺した警官の罪など警官の犯罪と呼ばれるケースにおいて、この事件では異例スピード逮捕となった。

午後3時頃、ミネアポリス市で撮影をしていたCNNのクルーがこの日の生放送中に警官に逮捕されるという前代未聞事件が起きた。リポーターは自身のクルーパスを見せCNNリポーターであるという事を伝え、場所が悪いのであれば移動するので指示してください。と言うも、突然ディレクター、カメラマン、フォトグラファーと共に逮捕されたが、カメラマンの機転がよく一部始終は報道され続けていた。全世界が見ていた。

そこから、また一気にミネアポリス市警に対する不満と不信感が全米から一層高まった。

その晩、ミネアポリス市は、外出禁止令を8時と発令した。

昼のプロテストはとても穏やかに行われたが、昨晩のプロテストでは、催涙ガスとフォームガン(殺傷のない銃)を用いて制圧したとリポートされた。

その晩、ペンタゴンは、ミネアポリス市にアーミーを派遣すると発表。

加えて、ミネソタ州ナショナルガード1000人を投入すると発表。

とうとう、ミネアポリス市を守ろうと連邦政府が動いた。


5/30(土) 朝6時の外出禁令が解除されると、市民は街に出て荒れ果てた街を掃除し始めた。

ミネソタ州知事は、ミネソタ史上初ナショナルガードが初動した事態となったと発表した。

その日は、ツインシティを走る5つのフリーウェイも封鎖し、外出禁止令も前日同様発令。これ以上の、過激なプロテストを制圧した。それでも尚戦闘態勢のプロテスターをミネアポリス市警は逮捕し始めた。その晩、プロテスターが警官に発砲し、一人の警官が撃たれたが、その警官は撃ち返さなかった。後に警官を打った銃が道で発見された。


5/31(日) また市民は、6時の外出禁令が解除されると掃除に入るが、日曜は比較的軽いもので終わった。

フリーウェイも、外出禁止令も解除の兆しが見えたとき、ミネアポリス市民は、フリーウェイをプロテスト中だった。そこへ、一台のトラックが突っ込み辺りは騒然となる。市民は、怒り、運転手を袋叩きにして警察に突き出した。ドライバーは、逮捕された。ドライバーは、封鎖を知らなかったと供述した。昼の生放送中に起きた事件で、ミネアポリス市はまた騒然となった。

その晩、外出禁止令を無視した市民276人を、ミネアポリス市警は逮捕した。


6/1(月) ミネソタ州知事は、外出禁止令を夜10時と緩和し、ナショナルガードの派遣も終了した。

そして、検死結果がジョージ・フロイドさんの弁護士から発表があり、死因は、頸部への持続的な圧力による窒息とされ、現場で彼は亡くなっていたと述べた。

その日知事邸前に集まっていたプロテストの方たちに初めてミネアポリス市警と州警察が跪いて敬意を表した。「私達は、市民の公僕なのです。」と言う姿勢だ。

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以上が、ミネアポリス市で起こった今回の事件の流れを列記したレポートになります。そして今回引用した、ミネアポリスチャンネルFOX9とニューヨークタイムズのリンクもレポート末に添付してあります。

これは、勝ち負けではない事だと思うのですが、今回のミネアポリス市民のプロテストにおいては、警察を跪かせたこの出来事は過去1週間で一番の出来事なのではないかと思います。そして、ジョージ・フロイドさんの事も元警官の事も私なりに私情は切り捨ててレポートしています。読者の方にそれは判断してほしいからです。

この事件で、今アメリカは意見も含めて分断してしまっていますが、私は、やはり警察の対応が少し度を越えていたと思います。車に乗せて、警察署に行き、罪を償わせていれば、今回のように命を落とす事は無かったですし、アメリカにおいて、悪事を裁く権利があるのは裁判官と国民のみの権利だからです。それと同時に、ジョージ・フロイドさんの偽$20札を使用した件、そして、酒気帯びでマーケット運転した件も自身で今回の事を招いてしまったことの発端になっているとも思います。とは言え、やっぱり、私はあの警官の態度が許せないな。。。


今週は、ロサンゼルスでの出来事も少しづつ書いていこうと思います。

Fox9 ミネアポリスのウェブは、ここから 

NY Timesのウェブは、ここから





最後まで一読ありがとうございました。