黙々と「今日」をつくる

乗換駅の連絡通路にあるデジタルサイネージに現れる言葉。都営地下鉄の広告のコピーである。

私もそしてあなたも、黙々と「今日」をつくるひとりひとりで、そして当たり前の「今日」が漫然と、そして確実にそこに現れる、そんな風景が眼裏に浮かぶ。

なんて絶妙なコピーだろう。

毎日無駄に生きているような気がしていたけれど、それは黙々と「今日」をつくっているのだと、それが生きているということなのだと言われているような気がしてくる。

どんなに精一杯生きたところで、所詮は誰かのサポート。職場でも家庭でも主役は私ではない。私が主役の世界なんて「いいね」がひとつも付かない私のツイートのようなもの。つまんない。いくつになっても厨二病拗らせ、まだ何か成せるかもしれないとか思っちゃってるおめでたい私がいて、いつか大逆転あるでしょってまだ密かに思っていたりする。虚しい。でも、そう言いながらまだ少し期待してたりするからホントタチが悪い。まあ、そうは言ってもこんなイタい思いは表には出しませんよ。誰に言うってこともない。聞かせるつもりもない。ただ庭に穴を掘って大声で秘密を叫ぶようにここを利用している。

そんな人生拗らせちゃってる私に現実を見せてくれたデジタルサイネージ。通勤のたびに胸が痛くなるのです。


黙々と「今日」をつくる。

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