ある正体、ひとつの答
新卒で就職した会社の、同期入社だったというだけの関係の人がいる。もうずいぶんと前の話。当時、地方の短大を卒業して上京した私は、都会のめまぐるしい毎日にオタオタするばかりだったが、彼女は始めから違っていた。会社の行事なんかはきちんと取り組んでいても、週末には社員寮にいることなんてないほど、プライベートは精力的に、活動的に人生をエンジョイするタイプの人。出会ってからずっと、ずーっとキラキラ輝いていた。
そんな彼女に、本当にずいぶんとしばらくぶりに会うことができた。
ただ本当言うと、会を開催してくれた人には本当に申し訳ないが私は最後の最後まで参加を迷っていた。記憶の中のキラキラした彼女に今の私は会える気がしなかったのだ。会っても話が弾む自信がなかった。
そうか。文章にして明確になった。自信がないのはなにも今回に限ったことでもないな。ずっとずーっと自信がない私がいる、それだけだ。
話が逸れてしまった。
まあ、結果としては土壇場で、謎の行く決心がついて会うことが出来た。11月だというのに暖かい感じの、週末からいよいよ寒くなるんだってよ、の、雨上がりの夕方、東銀座。
変わらずキラキラした彼女は、そこにいた。
彼女のキラキラした印象は何なのか考えながらグラスを交わし、昔話や今の生活まで、とりとめもなくおしゃべりは続く。結婚して海外で生活してきた彼女の話は、愚痴もキラキラしている。
愚痴もネガティヴじゃないんだな。
そういう事なのか。
話せば話すほど、彼女の無限のポテンシャルを感じる。無意識に“今”を生きてる人なのだと思う。
迷ったけど会えて良かった。
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