やる気待ち

学生の頃から本気で英語が苦手だった。正確に言えば高校の時くらいから全く興味が無くなった。いや、私の世界から消えた。なぜかと人に聞かれれば高校1年生の英語の先生があんまり好きじゃなかったからと答えていたが、おそらく本当は違う。中学生までは特に勉強しなくてもなんの問題もなくついていけていた授業も高校生ともなるとそうはいかなかった。特に英語。進学校だったから入学した途端に自分よりレベルの高い人ばかりになった。焦った。それまでに何もしなくても乗り切れていた私が地道な努力なんてしてきたわけもなく、少しずつ落ちこぼれていく。焦った。そんな中それでも彼ら彼女らについていくには得意を選んで挑んで行くしか道はなかった。

英語はとりあえず横に置いた。


今の職場で英会話をすることはないが、メールやらチャットやらドキュメントやらなんやら、無限に英語が溢れている。そんな時、職場で用意されている翻訳サイトに本当に助けられている。これは文字通りの秘密道具だ。しかしだからと言って全く問題ないかと言うとなかなかそうでもなく、遠いあの日に捨てた英語がずっと私の心をチクチクチクチク攻撃する。


そんな私も実は10年近く前に悩みに悩んで、清水の舞台から飛び降りる覚悟で、英会話スクールの門を叩いたことがある。その時も高校生の私を知っている知人には「何故英語?」と不思議がられた。自分でもそう思う。そのくらい自他共に認めた英語嫌いだったから。その上、大人になってからのいわゆる学び直しはままならなかった。苦手意識が先に立つばかり。とにかく継続するしかないと生まれて初めて努力したような気がする。


それから場所を変え、ツールを変えして実に先月まで少しずつ毎日なんかしら勉強してた。毎日英語に触れる仕組み作りというか、仕掛けというかそういうものはスマホの中にいろいろと用意してあるもので、それらを駆使して地道にがんばってきた。


それなのに。


そんなこんなで続けた英語学習なのに、ここ1か月、全くできなくなってしまった。スマホを手にして以来遠ざかっていた紙の本の読書にばかりうつつを抜かして(これはこれで良い事なのだが)英語学習を横に置いてしまっている。


これで高校生の自分の二の舞ではないのか。


とはいえ、今は「やる気待ち」なのである。

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