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あなたが数学でなぜ行き詰まるのか教えます。

こんにちは。そらです。突然ですがみなさんは数学はお好きでしょうか。高校までの数学で、内容に全然ついていけなくなり数学・算数そのものが嫌いになってしまった方も多くいると思われます。その行き詰まる理由の本質とはなんなのか、お話していきます。

高校までの数学で困っている学生や、数学苦手だったけど我が子や親戚のちびっ子に勉強をしっかり教えてあげたい...!!そんな方におすすめです。内容は少し抽象的な話が多いですが、小学生の算数さえできれば読めます。ぜひ自分の中の数学脳と向き合ってみてください。




数学ができるとは

「数学が苦手」「数学が嫌い」よく聞きます。みんな数学ができるようになりたいでしょう。


僕は"数学ができる"というのは2種類あると思います。それは、①問題がすらすら解ける ことと、②数学のネイティブである という2つです。

①については分かりやすいでしょう。数学の成績が良い、問題を見たらすぐに解答パターンが思い浮かんでくる人。一般に「数学が得意」とはこのことだと思います。

②数学のネイティブであること。これがどういう事かをまず説明させてください。

僕は数学を「言語」として認識しています。これは数学でよく言われることであり、多分僕だけの特殊な認識ではないはずです。日本語や英語と違い「名詞」「動詞」のような区別は無いですが(作ろうとすればできるとは思いますが)、れっきとした"文法"と"語彙"で成り立っています。それをまず理解してください。

数学は英語と同じく言語であり、英語よりも世界的に共通な言語です。

つまり、この②数学のネイティブである というのは、「数学という言語を使いこなし、数学で書かれた文章を読むと自然に頭にそのイメージを浮かべることが出来る」ということです。英語のネイティブがAppleという単語を見たら頭に赤い果実のイメージが浮かぶのと同じように、3×4=12という式を見たら3×4=12のイメージが頭に浮かびます。

数学とは何か

例えばこんな文章題があったとします。

問)1つ200円のりんごを1つ、1つ120円のかきを2つ買いました。全部でいくつでしょう。

こんなの簡単ですよね。200と120×2を足して440円です。
これを式にすると、200+120×2=440 ですよね。


話は変わりますが、例えば英語の文法でこんな話があったとします。

「私はこの本を買った」はI bought this book.と書きます。ここに「彼のために」を挿入します。彼のために=for him なので、
I bought this book for him.
となります。


簡単な文章ですよね。実はこのふたつは同じ構造です。別言語なので同じと言うには無理がありますが。
先程の文章題に戻りましょう。
200+120×2=440 という"文章"は、
「200に240を足したら440になる」という意味に、「240は120ふたつぶん」という意味を足した文章です。つまり、200+240=440 の240に、英文法で言うところの句やら節やらをたして240を詳しく説明している、と言えます。
I bought this book のboughtに「for him」を足して修飾してるのと同じ。

つまり、「彼のために」∽「120×2」です。

何を言ってるか分からなくなってきたかもしれません。話を戻しましょう。


つまり、それはどんな力か?

さて、数学は言語だなんて初めて聞いたぞ、という方にはいまだにイメージが掴みにくいかもしれませんが、今一度、簡単な算数や数式を文章として認識してみてください。=(イコール)だとか、∽(相似)、≡(合同)、不等号などは、~と~は等しいだとか、相似だとか、合同だとか、こっちの方が大きい、みたいに文章の根幹になるし、そうすると数学の証明のややこしい文章がとても見晴らしのいいものになってきます。

「よって」「すなわち」みたいな証明でしかあんまり見ないような接続詞と数式がごちゃ混ぜになって並んでいるのはそれがまとめて一つの言語だからなんですね。

もっと言うならば、数学という言語はかなり柔軟な言語です。

3x+2y=13  かつ
2x+3y=12

4x+3y=18  かつ
3x+4y=17

x=3 かつ y=2

これらはすべて同じ意味ですので、文章としてはまったく同値です。英語や日本語でいう能動態・受動態みたいなもんだと思います。文章の書き方(文法)の自由度がかなり高いのも数学の利点だと思います。




数学を言語として初めて見た方も多いでしょうが、この"数学は言語である"という話をこれからは前提として進めます。まあ、数学のネイティブが数学に強くなるのはある程度自明でしょう。証明の読み書きがすらすらできる。文章の論理構造(骨組み)をパッと見で理解し、体系的に理解することが出来る。これは一問一問を上手く追っていくのではなく数学の世界を渡り歩く力になるので、もっと大きな括りで非常に大切な力だと思います。



数学のネイティブになるには?

では、肝心のその力はどうやって着くのでしょうか。前提として、数学は言語ではありますがその柔軟さゆえに"多方面から考える力"がより必要になります。ここからは、この真の意味での「数学力」を鍛えるためのトレーニングをいくつかご紹介します。
 ただし、これは上達に結構な歳月を要します。時間も手間もあまりかからないのですが、自分の肌に数学を落とし込むにはやはりある程度時間がかかる。これは言語共通の悩みですね。

①数文和訳

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