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海がしょっぱい理由をちゃんと説明する

海が塩辛いのは周知の事実であり、海水は塩水であるのも周知の事実である。Wikipediaによると海水の成分は96.6%が水(H2O)で、のこり3.4%が塩。そのうち塩化ナトリウム(NaCl)、つまり食塩は77.9%もある。ではこのNaClはどこから来るのだろうか。という授業が筆者の高校でありそれが面白かったので多少知識を追加しつつ述べる。なお、諸説あるので必ず正しいわけではない。



45~6億年前、初期の地球は高温高圧で水は液体で存在できず、大気はCO2がほとんどを占めていた。やがて地球が冷却し始め大気の水が凝結して雨となり、雨によって地球がさらに冷却し雨がさらに降り続ける。原始海洋が形成されたころ、原始大気が取り払われ火山活動などにともない地球内部から水や他の物質が地上に吹き出し、第2次の原始大気を作る。雨に火山ガスのひとつである塩化ガスが雨に溶け込み塩酸の雨となる。そこにAl2O3、Fe2O3、CaO、Na2O、K2Oなどの塩基性酸化物が溶け込む。そうして酸性の海がまず完成する。

参考のために、地殻組成を参考されたい。地球型惑星は表層近くの地殻の多くを酸素とケイ素が占めており、この比率は大きく変動しないものと思われる。

主な地殻組成
酸素 O 46.60% 
ケイ素 Si 27.72% 
アルミニウム Al 8.13%
鉄 Fe 5.00% 
カルシウム Ca 3.63% 
ナトリウム Na 2.83% 
カリウム K 2.59%
(リソスフェア中。リソスフェアとは地殻~マントル上部までを指す。)


そのころの大気の主成分は二酸化炭素であるから、できた海にはCO2が溶け始める。水に溶けるとCO3となるから、Caと結合してCaCO3(炭酸カルシウム)となる。石灰岩である。

炭酸カルシウムはほとんど水に溶けないが、何億年もたつと少しづつ石灰岩水に溶けていく。強塩基と弱酸の結合なので水に溶けるとアルカリ性であり、OH-を起こす。そこにAlが結合し、Al(OH)3がゲル状で沈殿する。なお、ここではFeも多少結合するが2Fe(OH)3→Fe2O3+3H2Oに分解する。Al(OH)3も200度を超えるとAl2O3(アルミナ)となる。これがボーキサイトとなる。ボーキサイトに不純物としてFe2O3が多いのはそのため。
 ただし、酸化アルミニウムは風化に強い抵抗性を示すため、SiO2に対し酸化アルミニウムの比率が高い岩石が風化を受け熱帯性土壌であるラテライトを経てボーキサイトが生成するという考えも有力。ラテライトは鉄とアルミニウムが主なので、そこで鉄が混ざったということである。


やがて生命が地球に生まれる。光合成をする植物が生まれ、大気に酸素O2ができはじめる。イオン化傾向が小さい金属が参加するので、今度は鉄と結合しFe2O3となり沈殿する。

残ったのはKとNa。川が流れそれによって土砂が河口に流されていく。粘土は疎水コロイドなので、K+が加わり沈殿する。NaとKとの差は原子のサイズらしい(曖昧)。よって、Naが残る。Naは酸性の海のもとであったClと結合してNaClとなり、今の海水ができる。

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