見出し画像

今が旬のいちおしズッキーニ

畑をはじめてまだまだ年数は経っていませんが、常に新しい品種を探して少しずつ試しています。
野菜の品種は世界中にとてつもなくたくさんあり、その中で手に入る(販売がある)たねはほんの一握り。手に入ったとしてもすべてを育ててみるには畑も時間も到底足りません。それでも、まだ見ぬおいしい野菜との出会いはいつやって来るかわかりませんから、できるだけ多くの品種に挑戦してみようと思っています。

今シーズン初めて育てている品種のひとつが、とってもユニークな見た目の通称UFOズッキーニ「カスタードホワイト」。これまで食べた他のズッキーニより果肉が緻密で、クセがなくほんのりクリーミーです。古い記録では、アメリカ北東部に住むネイティヴアメリカンたちの間で数百年に渡って栽培されていたようで、1700年頃にはヨーロッパでも食べられるようになった伝統あるエアルーム品種です。小さいうちはテカテカして産毛が生えており、薄っすらグリーンの皮は果肉との境界がわからないほど柔らかく、収穫の際の衝撃で簡単にキズがついてしまうほどです。少し経つと名前の通りに白くマットな質感となり、徐々に皮が硬くたねも大きくなっていきます。ある程度大きくなっても十分美味しく食べられますが、やはり小さいほうが旨みが凝縮しているように感じます。

円に近いものからフリルが大きいもの、平べったいものから高さのあるものまで形は様々
たねのカタログには7㎝くらいが食べ頃との記載

一般的な細長い形をしたズッキーニ「ジェノベーゼ」も一緒に育てていますが、成長がとってもゆっくりです。やはり円形の方が栄養分の供給効率が良いのでしょうか。カスタードホワイトの方は脇芽まで出て次々に収穫できており、開花→受粉→成長→収穫のプロセスが短いので樹への負担も少なめな様子。葉っぱの展開も比較的コンパクト、軸もフレキシブルで誘引もしやすい、となかなか素晴らしい品種です。家族も毎回UFO!UFO!と喜んでくれていて、ちょっとした手土産にするにも重宝しています。

一番簡単な料理で素材の旨みを感じられるのは、塩とバターもしくはオリーブオイルでソテー。あまり長く火を通さず、強火でさっと表面に焼き目をつけるくらいがおすすめです。他にも天ぷら(フライ・フリットも)、揚げびたし、アヒージョ、パスタ、ピザ、ファルシ、ラタトゥイユ、ポタージュ、ミネストローネ、ビーフシチュー、スパニッシュオムレツ、etc. といろんな料理が楽しめます。
中でもカスタードホワイトのファルシ(詰め物)は、見た目にも楽しく食卓を華やかにしてくれます。

カスタードホワイトのファルシ
ハム・アスパラ・玉ねぎ・ピザソース・チーズを詰めてオーブン焼きに
ぱんだこーひーさんによるファルシ
レイヴンのズッキーニ・ジャガイモ・スイートバジル+チーズ

ズッキーニはクセがなく淡白なので、詰め物は濃いめの味付けがベターです。また、オーブンでじっくり焼くと水分が出て茹ったような仕上がりになるため、詰め物はあらかじめ火を通しておいて最後に高温でグリルまたはトースターで焼き上げるのがおすすめです。
ひっくり返しても中身がこぼれないような肉詰めの場合は、横半分に切って上下それぞれを器に使いフライパンで焼いてみました。

ハンバーグのたねを詰める
結構ヘルシーかつ食べ応えもあり
フライパンの方が焼き目もついてジューシー

最後に、ズッキーニの花もご紹介。

ズッキーニの雄花
ズッキーニの雌花

雄花は花単体、雌花は花のすぐ下に小さな実が付いています。雌花が無事に受粉すると実が成長していき、受粉が失敗すると腐っていきます。花付きは高級食材の「花ズッキーニ」としてレストランなどで提供されたり、雄花だけでも天ぷら(フリット)・パスタ・スープ・おひたしなどで美味しく食べられ、鮮やかなビタミンイエローがお皿を彩ります。わからない方もいると思いますが、つくしに似た風味で個人的には大好きな味です。

露地栽培のズッキーニは梅雨の時期に弱ってしまうことが多いそうで、今は順調なカスタードもいつまで採れるか全く予想がつきません。来年用のたねも採りたいので、引き続き丁寧に世話をしていきたいと思います。

次回は今シーズン育てているトマトについて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?