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歳を重ねるほど美しい女性たち  L'homme se bonifie au fil du temps

これは5年前に書いたものです
今はもっと成長したのでさらにより良いものが書ける気がします

パリで暮らしていると、明るく、エレガントで聡明な女性たちによく出会います。日本ではとかく若さに目が向きがちですが、フランスでは40代、50代と歳を重ねるほどに美しさも磨かれていく女性たちに出会います。60代、70代でもです。フランスでもスイスでも素敵っと思えるマダムに同じ女性として、何度目を奪われた事でしょう。

仕事もプライベートも手を抜かない でも無理はしない


パリにはさまざまな土地からやってきた人たちがいるからこそ、異国の文化が混じりあう多面的な魅力がある。そして、パリジェンヌといえば、年齢や性別、国籍などにとらわれず、自立して生きる女性。何より、人生の楽しみ方を知っている人たちなのです。
好奇心が旺盛で、仕事もプライベートも手を抜かない。男女平等で女性の社会進出もさかんなフランスでは、女性が男性に媚びることなく、対等に生きつつも、男性を紳士として扱い女らしさを失うことはありません。

男性が愛する女性にプレゼントするため花束を買い求め、それをもって街を歩く姿は、なんとも微笑ましく
すれ違いに目があうと、わたしも思わずニコっとしてしまいます。

女性にとっては、男性からドアを開けてもらい、バラの花束をプレゼントされ 「愛してる」 「美しいね」「君は最高だ」 と愛の言葉を伝えられるなんてことも

幾つになっても愛しい存在として「sweetheart」「シェリ」と呼ばれ、パートナーと過ごす甘い時間も大切にする。恋愛を主体的にリードするのも実は女性のようです。

私もそんな女性になりたいな、と強く憧れます。どうしたらそうなれるのか……早寝早起き、ヘルシーフード、ちょっとの運動、キャリアの充実、何より自分らしさを大切にすることでしょうか。
そして、女性であることをわすれないことでしょうか。

私が憧れる女性の一人


たとえば、私が憧れる女性の一人が、パリ8区の副区長つとめるエリカ・デュヴェルジェです。

8区には大統領公邸や日本大使館があり、シャンゼリゼ通りを中心とする高級でエレガントな地域。文化や芸術を愛する人たちが集うこの街では、年間行事としてアーティストによるパフォーマンスを楽しむパーティが開かれ、エリカはそうした文化事業の責任者をしています。私も2015年度のプログラムでコンサートを開いたことがきっかけで彼女と親しくなりました。
インテリジェンスがあって、優しい微笑みをたやさぬエリカ。どの人にも、優しく語りかけます。

あるとき、彼女に質問したことがあります。
「あなたのその美しさの秘密はなに?」
 すると、こんな答が返ってきました。
「パリは素敵な街だけど、もちろんいいことばかりではないわ。それはわかっているけれど、私はこの街で明るく生きていこうと決めているし、常に自分らしくいようと努めている。簡単なことではないけどね」


 私たちは、それですぐに分かりあえたのです。「そうそう、C’est la vie(それが人生ね)」と。


人生は、望んだとうり完璧な事ばかり起こるとは限りません。望まない事がおきてしまったとしても、こういうときもあるっさっと、受け入れ、気持ちを切り替え、笑に変えて、さらっと流してしまう。

C’est la vie そんな時もあるよ!!さあ、これからどうする?こんな意味がふくまれています。


そんな、前向きな姿勢に、運命さえも切り開かれていくものです。
自分の人生までもゆがめてしまうのはもったいない。

パリで出会う素敵な女性たちは、「ナチュラルな美しさ」を心がけています。いかにも手をかけていないように見えるけれど、女性らしさの基本はしっかり押さえているのです。

ナチュラルなセンシュアルさ


たとえば、肌にはファンデーションなどつけず、陽ざしが強くなると日焼け止めを塗るくらい。ほとんどメイクもせず、素肌の美しさを保つことに努めています。そして、夜、食事に出かけるときは真っ赤な口紅を塗り、きちっとメイクをして華やかに装うのです。
ファンデーションをつけないことで生の肌感と、ワインを飲んだ時の程よい血色が、ナチュラルなセクシー(センシャル 艶)さを生み出しています。

わたしも、週に3回のジョギングを欠かしません。なぜなら、ノーファンデの肌に、ほんのり血色がいい生っぽい艶を出すためです。

さらにパリで暮らしていて感じるのは、“音”に対する美意識があること。日常生活の中でも出していい音と出してはいけない音があるのです。たとえば、レストランではテーブルの椅子を引きずる音や食器をガチャガチャと下げるような音を立てることはありません。外出先やオフィスでも、ドアをばたんと閉める音はつつしむ。ドアを閉めるときは手を添え、椅子を動かすときもちょっと持ち上げて音を立てないようにするのです。
一方、女性の場合はハイヒールの靴でコツコツ音を立てて歩くことはいいのです。つまり、音に対する美意識の基準は、エレガントであるかどうかということ。パリの街では慌てて走っている人も見かけません。私がちょっと急いで小走りすると、「美しいマドモワゼル、走っちゃダメですよ。」とたしなめられる。「エレガントにゆっくり歩きなさいここはParisですよ」といわれるわけです。

ただ一人でいる(alone)時間

パリジェンヌは一人で過ごす時間も楽しんでいます。
カフェのテラス席に座って、一人でコーヒーを飲むひと時。セーヌ川を散歩したり、公園のベンチでじっくり本を読んだり。晴れた休日は芝生の上でワインを飲んでいる姿を見ていると、リラックスの仕方も上手だなと感心します。

彼女たちにとって、一人で過ごすことは孤独(lonely loneliness)ではなく、ただ一人でいる(alone)時間なのです。自分の部屋でも美しいキャンドルを灯したり、バラの花を飾ったり。一人きりの夜も自分のためにお気に入りのランジェリーやガウンを着て過ごす。それも女性としての美意識なのでしょう。

わたしも同じで、自分の作品づくりのために、aloneで、この街にきたのです


 一人でいる時間は決して孤独で寂しいものだけではなく、自分の世界を楽しめる至福の時間。


いつも自分が主体のパリジェンヌ達は、自分が主役、自分を大切にする方法と、主体的に生きるそのマインドを強く思い出させてくれます。

もちろん、折れそうになることも、嫌な思いをすることも、理不尽な思いをさせられ、悔し涙を流すことも、それでもいい、生きているだけでいい。

ゆっくりと呼吸を深めてみて生命を感じてみて。そして、空を見上げてみて、私たちには大きな空がある。

そんな時は生命を感じる呼吸をいっぱいして、自分の中の命を感じて、自分を整え、自分主体に考え方を捉え直し、意識を整える。

私は、基本的なことに立ち返り、呼吸と意識を整えるそれだけで、心が整いまた、前向きに、人生をスタートしていると思っています。






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